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■2021年卒採用
──2021年卒採用はいかがでしたか。
新型コロナウイルスの影響が本当に大きく、3月以降の対面イベントはすべて中止になり、面接はすべてWEBで実施しました。一度も会わずに内定を出した人もいます。一方で、これまで対面が当たり前と思っていましたが、WEBでもできないことはないという気づきもありました。
──WEBの良い面、悪い面は?
良い面は、地方や海外留学中の学生が距離の障壁なく参加でき、学生も我々もスケジュールが組みやすかったことです。面接では論理的思考力は問題なく判断できました。
事実や考えは伝わりやすい一方、思いや熱量、人柄を知るには対面に勝るものはないな、と。対面に比べ、学生には自分らしさや思いを伝えることに少し抵抗があるように感じました。
──内定後に会ってみたら、「えっ!?」という例は?
会ったときの立ち姿や雰囲気で、「あっ、こういう印象なんだ」という驚きはけっこうありました。真面目そうで堅い印象だった学生が、会ってみると雰囲気が柔らかくて気さくなタイプだった例がありました。
■採用実績
──採用実績を教えてください。
2020年4月の新入社員数は、事務系75人程度、技術系480人程度です。
2021年卒の内定者数は、事務系が60人程度、技術系は440人程度です。
――男女比は?
事務系の2020年入社は6対4で男性が多かったのですが、今年は半々くらいです。技術系は男性が85%、女性が15%程度です。
■事務系職種
──採用ホームページを見ると、事務系には「職種別採用コース」と、従来型総合職の「ポテンシャル採用コース」があるんですね。
2021年卒採用で新たに導入しました。「職種別採用コース」は、エントリーの時点で「セールス&マーケティングコース」などと選択し、該当職種の面接官とも話して、内々定の時点で入社時の職種が決まります。
最近、学生が希望していない部署への「配属リスク」を心配していると聞きます。入社しても販売店や工場での研修の間、「どこに配属になるんだろう」「希望はかなうか」と不安を抱える人が多く、かなわない人もいます。せっかく「こういうことをやりたい」と言って入社するのだから、しっかり向き合いたいと思い、職種別を導入しました。
──ジョブ型の専門職採用ではなく、総合職採用で入り口を決めるのですか。
はい。ただ、Hondaのキャリアステップは専門性を高めていくのが基本なので、購買コースでスタートした人は特別な制度を利用しない限り、購買の中で購買職種としての専門性を高めます。Hondaでどういうキャリアを歩んでいくか、入社のタイミングで決めます。
事務系の職種は大きくは「セールス&マーケティング」「生産管理・物流」「購買」「コーポレート」の四つで、さらにコーポレートの中に「人事」「知的財産・法務」「経理・財務」「IT」があります。応募の時点で七つから選びます。
──職種をまたぐジョブローテーションはないのですか。
たとえば「購買」の中で部品の購買から一般の購買に変わったり、二輪営業から四輪営業に移ったりすることはありますが、職種をまたぐ例は多くありません。ただ、社内の「チャレンジ公募制度」に手を挙げて、購買社員が採用チームに異動するようなケースもあります。
──「職種別採用コース」導入の成果は?
内定した学生がまだ配属されていないので(笑)。学生のリアクションは非常に良く、「よく導入してくれた」という喜びや期待感を感じます。面接する社員にも「自分が採用するんだ」という当事者意識が生まれました。
──どちらのコースが人気ですか。
「職種別」7対「ポテンシャル」3くらいです。学生がやりたいことを選んで自分のキャリアを具体的に描けるからだと思います。
2年ほど前から、事務系のインターンシップも同じようにコース分けしています。インターンで職種の理解が深まり、本選考もその職種で応募する学生が多かったですね。
インターンは定員が少ないので職種ごとの説明会もしました。プロフェッショナルな社員が、自分のキャリアやチャレンジングな経験、根底にある価値観などを語り、学生には「あなたはHondaで何をやりたいの?」と将来を考えてもらうイベントです。「Hondaに応募する=Hondaで何を実現したいか」を考えて応募する学生が増えたと思います。
──ミスマッチが減りそうですね。一方で「ポテンシャル採用コース」に応募した学生は、「とにかくHondaに入りたい」「何でもやります!」という人ですか。
前向きに「ポテンシャル採用コース」を選んだ学生が多かったですね。「やりたいことありき」ではなく、Hondaの考え方と自分がマッチしているからという人もいました。インターンで生産管理コースに参加して仕事の責任感や面白さを知ったが、「もっと広い可能性があるかもしれない」とあえてポテンシャルで応募した人もいます。…続きを読む