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■コロナ対策
──新型コロナウイルスの直撃を受けた2021年卒採用はいかがでしたか。
採用選考の真っ直中でコロナの影響があり、走りながらの対応になりましたが、学生や面接官に臨機応変に対応してもらったお陰で、おおむね計画通りに進めることができています。当社は、通年採用を実施しているので、最後まで気を抜かずしっかり応募者と向き合っていきたいと思います。
面接は、すべて対面からWEB面接に切り替えました。選考コースによっては、グループディスカッション(GD)を実施する予定のコースもありましたが、「3密」を避けるため廃止し、すべて個人面接に切り替えました。
──GDをやめた影響は?
面接のみで学生のスキルやポテンシャルを判断しなくてはいけなくなったため、協調性やチームワークなどの行動特性が見えづらかったことはありますが、学生時代の経験やこれまでの取り組み姿勢などをより丁寧に確認し、総合的に判断しました。
──一度も直接会わずに内々定を出したのですね。
もちろん、対面で会えていない不安はありますが、それは学生側も同じです。お互いの不安を解消し相互理解を深めるために、面接の中でさまざまな内容について確認しています。
また、内定後の学生については、内定者同士のオンライン懇親会を開催することで横のつながりを形成したり、継続的にフォローが必要な学生に対して採用センターのメンバーが継続的に電話やメールでやりとりしたりするなど、内定者フォローの質を上げ、学生の疑問や不安解消に努めています。
■WEB面接
――WEB面接の形式は?
自由応募の面接は基本的に3回。すべて1対1で50分です。自由応募には「オープンコース」と「職種約束コース」があって、会う面接官が異なります。「オープンコース」はすべての面接で人事部が面接しますが、「職種約束コース」はソリューション&サービスエンジニアや営業など、それぞれの職種の幹部社員が面接して適性を確認します。
学校推薦は3対1で50分です。面接官3人のうち2人がエンジニア、うち1人が人事なので、学生の研究内容や今まで学んできたスキルが富士通でどういかせるか、技術的な観点からも適性を確認します。
──WEB面接をやってみていかがでしたか。
ここまで全面的に導入したのは初めてですが、海外大の学生や留学中の学生には実施していたので、ある程度のノウハウはありました。
ただし、対面と違って面接部屋に入る際や会話の身振り手振り等が見えない分、学生の素の状態が見えづらかった面はあります。メリットは学生が面接に参加するハードルが下がったことです。とくに地方や海外の学生は参加しやすくなったと思います。面接官も例年、全国各地の会場で1日中面接をしていましたが、そうした拘束が緩和されました。富士通は新しい環境での働き方を進めているので、来年以降もWEB面接は継続する方向で検討しています。
──「素が見えづらい」とは?
オンラインだと、目線とか話しているときの動作、コミュニケーションのとり方が見えづらくなります。画面に映らない部分はこちらからは見えないので、エントリーシート(ES)や用意しているカンペを読んでいる学生もいました。対面ではない分、学生の緊張感は少し低くなってしまうように感じました。面接官からは「どうしても画面に目が行ってしまい目線が下がってしまう」「富士通側から学生に伝えたいことが伝わりづらい」という話もありました。
──カンペを読むのはNGですか。
何かを読んでいる学生は分かります。面接に向けて準備をしているともいえますが、対面ならそのようなことはできませんし、聞かれたことに対して自分の思いを自分の言葉で伝えるという面では準備不足と感じます。柔軟性に欠けたり、臨機応変に対応できなかったりする部分が見えてしまうということだと思います。…続きを読む