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(前編はこちら)
■動画選考
──動画選考はどういうものですか。
質問項目に対する答えを録画して送ってもらうWEB面接システムです。録画する前に考える時間もあり、準備時間1分、回答時間3分など質問項目によって違います。画面上に「残り何分」と表示されるので、持ち時間が分かります。
質問は、花王でチャレンジしたい仕事や事業分野の具体的なイメージ、ESで書いたガクチカに関連する困難や課題、工夫、学んだことなどESとリンクした質問ですが、動画ではより詳しく深掘りして聞きます。オーソドックスな質問で、花王に対する興味・関心、志向、チャレンジ精神や倫理観があるかどうかを見極めます。
──どんな動画がありましたか。
野球のユニフォーム姿でグラウンドに立っていたり、自分の部屋で撮っていたり、個性が出て面白いですね。残念なのはESの内容を読み上げている学生ですね。いい意味で目立つのは、考えたことや実際にやったことを自分の言葉で詳しく話してくれる学生です。具体的なほど、その人の考えや経験が分かり、こちらに伝わる情報量が多くなります。
──質問内容を事前に知ることはできますか。
採用ホームページ上で公開した後は見られます。見ずにいきなり受験すればぶっつけ本番ですがESの深掘りなので、そんなに突拍子のない質問はしません。一番アピールしたいことを語ってほしいですね。
ESも動画も、きれいな言葉を並べて自分をつくっても全然響きません。詰まってもいいから、下手でも自分の言葉で話してほしい。思ったこと、考えたこと、実際にやったことを語ったり書いたりしてください。
■面接
──次は、いよいよ学生に直接会う面接ですね。
2次選考は来社してもらって面接、3次選考が最終面接です。学生は常に1人で面接担当は2~3人の個人面接です。社員は最初がマネジャークラス、最終は部門長クラスで、それぞれ30~40分です。
──グループディスカッションやグループ面接をしない理由は?
一人ひとりと話さないと分からないからです。かつてはグループ面接もしていましたが、個人面接でじっくり聞いたほうが、その人のことが分かります。
個人面接のポイントはESや動画選考と変わりません。「花王で何がやりたいか」「やりたいことが花王にあるのか」といった志向の確認と、倫理観、良いモノをつくりだそうというチャレンジ精神があるかどうかですね。
──倫理観は面接でどうやって確認しますか。
それが難しい(笑)。試行錯誤ですが、「困難な壁があったときに逃げないか」「諦めないか」「あの手この手で考えて打開策を見つけられるか」ですね。これは過去の経験を聞くことでしか分かりません。アピール上手な学生もいますが、学生が本当に頑張ったことは分かります。その話を引き出すのは個人面接でないと難しいですね。
──面接で「気になるニュース」については聞きますか。
面接担当によりますが、花王は化粧品もあれば、柔軟剤、オムツもあるモノづくりのメーカーなので、「気になるモノ、コト」を聞きます。とくにマーケティングの面接担当は、「何に関心があるか」「どこに着目しているか」をよく聞いていますね。
──花王の商品について語れるといいのでしょうか。
花王の商品に限らず、自分の興味があることなどを語れるほうがいいですね。過去の面接では「サバにマグロを産ませる研究をしています」という人がいて驚きました。何でもいいんです。モノ、コト、何にアンテナを張っているかを教えてください。
──採用で競合するのは?
メーカーですね。食品、飲料、電機、化学などメーカーであれば重なります。…続きを読む