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(前編はこちら)
■面接
──面接はどんな内容ですか。
グループ面接を複数回受けてもらいます。「どんな勉強をしてきた?」と聞いて答えるような形式ではなく、キャッチボールみたいな面接で、いろんな面接官から唐突な質問が飛んできます。「準備ができない面接」ですね。みんなが答えを用意してきてしまうと判断のしようがありません。素で思っていること、常に考えているビジョン、一番正直なところを聞きたいと思っています。
──アニメや音楽のファンがたくさん受けに来ると思いますが。
「好き」だけでは厳しいですね。「好き」というファンの視点を理解したうえで、「もっとこうしたほうがいい」「私ならこうする」というプラスの視点が必要です。たとえばアニメファンなら、好きだけでなく「こうしたほうがいいのに」「こんなビジネスをすればいいのに」と思うことがあると思います。「愛あるダメ出し」ができて、より良くする視点、拡大する視点を持っていてほしい。聞かないと判断できないので、恐れずに意見を言ってください。
──面接でニュースについて聞きますか。
業界に関するニュースは聞く面接官が多いと思います。「学生=ユーザー」なので、直接意見が聞ける機会は貴重です。若者が今は何に興味を持っているのか、反応するニュースは何なのか。「普段から何にアンテナを張っているのか」を知りたいですね。
■学生の特徴
──受けに来る学生に特徴はありますか。
学生同士が盛り上がることですね。面接の控室で数人の初対面の学生が意気投合し、「面接、一緒に頑張ろうな!」となることが多い。自分が受けたときを振り返っても他社ではありませんでした。うるさすぎて、「静かにしてね」と注意することもあります(笑)。でも、初対面で人をひきつける魅力があったり、人に興味を持って、その人の良さを引き出したりできる学生はいい。社内にもそういうタイプの人が多いので、当社に合っているなと感じます。
──物静かで優秀な学生はいない?
人見知りとか、話すのが苦手そうな学生も見かけますが、自分の好きなエンタメの話をしてもらうとすごいんです。本当に生き生きと語ってくれます。途中でスイッチが入ったように語り出す学生ばかりなので、困ることはありません。
──いわゆる「オタク」が多い?
魅力的なオタクがいっぱい受けにきます(笑)。そもそも当社はオタクの集まりですから。私は「洋楽オタク」です。
とはいえ、オタクだけでは通りません。オタクを究めると、「もっとこうしたい」という欲が出てくる。自分の中だけで完結せず、外に発信したいと思う。それを仕事に活かしてほしいです。
──社員の服装がラフですね。面接では学生は私服ですか。
私服を強制しているわけではなく自由です。私服の学生は思い思いに着飾って来ます。下駄を履いてきた学生がいたり、Tシャツに自分のプロフィールを書いてきたり。一番好きなアーティストのTシャツを着て、突っ込みを待っている学生も(笑)。エンタメ企業なので目立とうとする学生が多いのは良い傾向です。
ただ、前後に他社の選考を受ける学生もいるのでスーツ姿も多くいます。リクルートスーツだとマイナスということはありません。
──採用で競合する業界は?
テレビ、出版社などのマスコミはもちろん競合しますが、エンタメ系以外だと、広告会社、旅行、保険、銀行などの人気業界と重なります。「学生時代に学んだことを活かして保険や金融などを受けていたが、好きなエンタメも受けてみよう」という人など、全然違う業界の内定を持っている学生もいます。
最近は業界や職種で選ぶより、職種や「自分には何ができるか」で選んでいますね。「企画をしたい」「制作をしたい」といった希望の仕事に、若いうちから携われる会社を選んでいるように思います。…続きを読む