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初回は建設機械の世界的メーカー、コマツです。東京・赤坂の本社でじっくりお話を聞いてきました。(編集長・木之本敬介)
■採用実績
──まず、2016年入社の採用実績、男女比を教えてください。
技術系は145人(修士卒104人、学部・高専専攻科卒22人、高専本科・短大・専門学校卒19人)。事務系が37人(修士卒5人、学部卒・高専専攻科卒30人、高専本科・短大・専門学校卒2人の計37人)です。高卒52人を加え、合計234人が入社しました。
男女比は、234人のうち男性187人、女性47人。技術系の男女比は男性128人、女性17人。事務系の内訳は男性22人、女性15人です。
──2017年卒の採用予定は何名でしょうか?
前年とほぼ同水準です。ここ最近の建設・鉱山機械業界については好調とは言えませんが、景気については変動するものですので、慎重にウォッチしつつも、安定的・継続的な採用活動をしていきたいと考えています。
──「全社採用」と「事業所採用」のコース別採用をしていますね。どう違うのですか。
「全社採用」は、国内外を含めたグローバルな育成ローテーションを通じて、幅広い視野を身に付け、新しい付加価値を創造していく人材として成長してもらうことを目指します。「事業所採用」は、粟津工場(石川県小松市)、大阪工場など各事業所での経験習熟を主とした育成を通じて、それぞれの事業所運営においてコアとなる人材へと成長してもらうというイメージです。
──「総合職」「一般職」に分ける企業が多いですよね。
「全社採用」「事業所採用」とも全員「総合職」です。我々人事部のようないわゆる間接部門の社員については、管理職の手前になると、二つの人事制度は共通化されます。最初の入り口は違っても、役職が上の方になると同じになるんです。
──では「事業所採用」で入った社員も、東京本社の管理職になる可能性がありますか?
はい。いわゆる上級職になると、職能資格は共通になります。
──双方の採用人数を教えてください。
2016年は234人のうち、全社採用が151人、事業所採用が83人(うち大卒31人、高卒52人)でした。事業所採用の中には、技能系社員(加工や組み立てなどの生産に直接かかわる社員)の採用も含まれています。
──技術系の、学校推薦制度による入社の割合は?
2016年卒では8割が推薦です。この比率は例年同じくらいです。
■エントリー数
──2017年卒採用のエントリー数(大卒相当)を教えてください。
プレエントリー数は1万5000人程度。その後、弊社のウェブサイトにアクセスし、希望職種などのアンケートに回答した本エントリー数は1万人程度です。
──採用スケジュールが、3月企業広報・エントリー開始、6月から面接開始に変わりましたね。
前年と比べ採用広報の期間はかなりタイトでした。前年は3月ごろに学内セミナーを行い、自社説明会は4月でしたが、今年は同じ時期に行いました。おそらく学生の皆さんのスケジュールも非常にタイトだったのではないでしょうか。
──日程が短くなり、学生のエントリー数が減った企業が多いようですが。
プレエントリーなど最初の母集団形成の段階では減りましたが、最終的な選考への参加者数は減りませんでした。
──エントリー増の対策や工夫はしましたか。
4~5月の広報イベントを昨年より多く行い、来てくれた学生の皆さんとしっかり関係をつくるようにしました。実際のモノづくりの現場を見てもらう「工場見学会」や、静岡県伊豆市の「テクノセンタ」(コマツの建設機械のショールーム、実機を使ったデモが見られる)の見学会、鉱山開発用の「無人ダンプトラック」や土木事業を効率的に進める「スマートコンストラクション」といった最新技術の紹介イベントなどを開きました。技術紹介イベントでは、開発現場のトップ技術者などを呼んで話をしてもらいました。
今年は大橋徹二社長の講演会も初めて行いました。昨年までは、坂根正弘相談役(元コマツ社長、2001年に社長に就任、創業以来初の赤字となったが大規模な経営改革を行いV字回復を達成)の講演会をしていましたが、今年からは社長も行うようにしました。
──工場見学などの規模は?
1回30~40人です。事務系の学生には車体を作っている工場を中心に見てもらいました。技術系の学生向けにはコンポーネント(部品)工場も加えて回数を多めに行いました。事務系向けに工場見学会を行う会社は珍しいようです。…続きを読む