
――2015年春入社の採用人数を教えてください。
48人です。男女比は6対4、文系・理系はほぼ半々で理系がほんの少し多い程度です。文系は営業職で、理系は商品開発、設備開発、製造技術の3職種に分かれています。学部卒生と院卒生の割合も半々です。
――2016年卒の採用予定人数は?
景気や業績に関係なく一定の人数を採用するようにしているので、全職種あわせて50人前後になると思います。
――2015年卒採用のエントリー数を教えてください。
いわゆる「プレエントリー」は約3万、そのうち実際にエントリーシート(ES)を出したのは2分の1程度です。
エントリー数は少し減りました。当社は一括エントリーを採用していないのと、プレエントリーの段階で結構いろいろ書いて頂くので、志望度がそれほど高くない学生はエントリーしなくなっているのだと思います。
■採用スケジュール
――2016年卒採用のスケジュールは、前年とはかなり変えたのでしょうか。
2015年卒採用では、理系は3年生の夏にインターンシップを実施しました。その後は文理とも夏から秋にかけて主要大学を回り、2月、3月に自社の大きなセミナーを開催、4年生の4月から選考開始という流れでした。説明会は営業職ですと1日に4~5回開いて各回200人くらいの学生と会っていました。
2016年卒採用はいろいろと変えました。大学でのセミナーを3年生の12月から3月ごろまで行い、その後の説明会は規模を小さくして会う頻度を多くしました。今回から文系のインターンも始め、冬と春に開催しました。
――なぜ文系のインターンを始めたのですか。
これまでは応募者を多く集めて、その中からいい人を選ぶ形で選考していましたが、文系も理系と同じように母集団はそれほど多くなくていいから、その分、会う時間、回数を増やしてしっかり見たい、と考えるようになりました。2016年卒採用から就活時期が後ろ倒しになったのでこれまでと同じやり方ではダメだということで、極端に言えば50人に会って50人採用できればいい、という考え方です。
ユニ・チャームのインターンは参加した学生から「ほかとは違う」という評価をいただいているようなので、ぜひ参加してほしいですね。
――後ろ倒しの影響で、リクルーター制度をとる会社が増えましたが。
当社ではリクルーター制度はとっていません。
――スケジュール変更で、学生に何か変化は感じますか。
選考時期が後ろ倒しになったためか、昨年までと同時期の比較では学生の就活に対する考え方や態度が思ったほど習熟していないと感じることがあります。スケジュールが変わったため、一つ上の先輩の経験が参考にならなくなったという事情もあると思います。もちろん早期に就活を始めている優秀な学生もいますが。
――具体的には、どう習熟していないのですか。
習熟といっても、特別な準備が必要というわけではありません。ただ、数年前ならとりあえず50社とか100社エントリーして、浅くても様々な会社の情報をとっていたと思いますが、最近はエントリー数が少ないのに、得ている情報量も少ない。深く情報を取ったりたくさんの情報に接したりして自分の価値観、判断基準をつくってほしい。まずは有名な会社、知っている会社、CMをやっている会社、何でもいいのですが、興味を持った会社について徹底的に調べるところからスタートしてほしいですね。
――内定を出すまでに、1人の学生に何回会いますか。
今年は最大で7回くらいでしょうか。最終的には学生1人に役員と人事責任者の2人で会って決めます。
――近年、内定辞退が増えていると言われます。
当社はここ何年も内定を辞退する学生はいません。ほかの就活をやめないとうちの内定を出さないというわけではなく、選考の過程でぞっこんにさせるんです。ぞっこんになっていない学生には、無理をせずに迷ってくださいと言います。迷いが少しでもあったら後悔するよ、と。だから学生によっては何回も会います。納得したうえで入社を決めてほしいからです。
そもそも説明会の段階で、必ず「自分の志向と違うと思ったら無理して採用試験に臨まなくていいですよ」とはっきり言っています。当社は採用についても本音で話すので、違うなと思ったら選考に臨まないほうがみなさんの無駄な時間も減るでしょうと言っています。
2017年卒の採用方法については、今年の採用が終わったあとで整理して改めて考えたいと思います。…続きを読む