
――2014年度と2015年度の新入社員数を教えてください。
2014年度入社は、全国転勤型の「Gコース」が184人(女性39人)、地域限定型の「Bコース」が111人(全員女性)。2015年度入社はGコースが162人(女性19人)、Bコース109人でこちらも結果的に全員女性です。Gは「ジェネラル」、Bは「ビジネス」の意味で、両コースとも期待役割は同じですがGコースは勤務地域に制限がなく、Bコースは特定の地域内での勤務となります。
大学院修了者は、2014年度は19人で、今年は12人でした。
――文系の学生が多いのでしょうね?
いえ、理系も結構多く、ここ数年の採用人数に対する割合は1~2割ほどいます。企業から年金資産をお預かりして運用する仕事など理系の方が活躍する業務も多く、どんどん入ってもらいたい。理系の大学でのセミナーも積極的に行っています。年金や保険数理の専門家である「アクチュアリー」の資格を取れるような人にも入ってほしいですね。
――外国籍の学生も?
Gコース、Bコースとも国籍を問わずに採用しており、毎年入社しています。法人のお客様の年金資産を預かって管理、運用する部門はグローバルに展開しているので、外国籍の方も一定数ほしい。ただ、何人採るという枠はありません。
日本語でコミュニケーションをとれることを求めますが、それ以外は日本人と同じ観点で面接をします。
■信託銀行の仕事
――信託銀行は学生にはあまり身近とは言えませんよね。業務内容をわかりやすく教えてください。
信託銀行は、信託業と銀行業という2本の柱で成り立っています。銀行業はいわゆる銀行の仕事です。
信託業には幅広い仕事があります。銀行が扱わない個人向け商品でいうと「遺言信託」が代表的商品であり、法人・個人問わず不動産売買に関わる「不動産仲介」などがあります。
法人向けでは、企業が従業員の退職金支払いのために積み立てたお金を運用し、年金受給対象になった従業員への支払いまで行う「年金信託」という業務や、経営者と株主の間に入って様々な業務を代行する「証券代行業務」などがあります。証券代行業務は、株主への配当金支払い、経営者に対しては年に1回の大イベントである株主総会のリハーサルやQ&Aの準備、当日のお手伝い、未上場企業であれば上場に関するコンサルティングなどを行います。
――普通銀行より業務の幅が広いんですね。
そうですね。メガバンクはその名の通り行員数が数万人という大規模な組織ですが、私たちは約6800人の社員数(2014年3月末)。店舗数もメガバンクの何分の一という規模。それで幅広い仕事をやっているため、若いうちから責任が重い仕事を与えられるとよく言われます。
――業務はどのように分かれていますか。
大きく分けて六つ。リテール(個人取引)、法人、市場国際、銀行にない信託銀行独自の業務として受託財産、不動産、証券代行があります。
――メインはどの業務ですか。
利益ベースで見ると、銀行業務と信託業務が半々くらいですね。銀行業務は金利ビジネスであり景気の波や市場の動向に左右されやすいのですが、信託業務は手数料ビジネスであり、安定的な収益を期待できる。金利ビジネスと手数料ビジネス、この両輪でバランスをとり経営の安定を図っているということです。
――一般の銀行との違いはどこでしょうか。
銀行の担当者も不動産売買や相続の相談までは乗ることができます。ただ実務まで取り扱えることができるのは信託銀行しかありません。…続きを読む