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――2014年と2015年春新卒入社の人数と男女別などの内訳を教えてください。
2014年は499人(男性271人、女性228人)、2015年入社数は605人(男性362人、女性243人)です。採用について、出身学部での優先や文・理系の区分枠はなく、全学部全学科が対象です。ここ数年、同じくらいの人数を採用しています。
――アベノミクスなどによる株価上昇を背景に採用を計画的に増やした訳ではないのですか。
中途採用は景況感に影響される場合もありますが、新卒採用は基本的に一定数の採用を継続していて、中長期的な視点で、優秀な人材確保を目指しています。
――エントリー数も増えましたか。
大きな増減はありませんが、2015年のエントリー数は結果的には前年を上回りました。過去の金融危機の頃に比べると景況感が底打ちして、金融業界に興味を持つ学生も増えてきた印象です。
■ビジネス内容と職種
――ビジネスの内容を教えてください。
大きく分けて三つです。一つ目は「営業部門」。個人、法人のお客様に対して資産全体のコンサルティングを通じ、幅広い金融サービスを提供する部門です。
二つ目は「ホールセール部門」で、具体的には「インベストメント・バンキング」と「グローバル・マーケッツ」に分かれます。「インベストメント・バンキング」は、国内外の企業がお客様で、株式や債券の引き受けによる資金調達や、M&A(合併・買収)アドバイザリー等の投資銀行サービスを提供しています。企業価値を高める提案をする部署で、新規上場(IPO)のサポートや、資金を必要とする企業に対して株式や債券の発行を中心とした資金調達の提案をおこないます。「グローバル・マーケッツ」は、資金運用を事業としている機関投資家、具体的には、銀行や生損保、年金基金といったお客様に向けて株式・債券や為替およびそれらの派生商品の販売とトレーディングをグローバルに展開しています。
そして三つ目が「アセット・マネジメント部門」。グループ会社である、野村アセットマネジメント株式会社を中心にグローバルに投資信託ビジネス、投資顧問ビジネスを展開しています。
――新卒採用ではどのような働き方が選べますか。
2016年度新卒採用においては、四つの働き方から選ぶことができます。
「総合職A社員」「総合職B社員」「総合職C社員」「FA社員」があり、「総合職A社員」と「総合職B社員」は入社後、主に営業部門への配属となり、その後幅広い業務経験を通じてキャリアを形成していきます。総合職A社員は転居を伴う異動がありますが、総合職B社員はその対象となりません。二つの違いはその転居を伴う異動の有無のみで、業務範囲、評価基準は同じです。「総合職C社員」は入社直後から特定の領域のスペシャリストとして専門性を磨いていく働き方で、原則として部門を超えた異動はありません。2016年度は、インベストメント・バンキング、グローバル・マーケッツ、リサーチでの募集を行う予定です。
「FA社員」は、地域密着型の金融スペシャリストとして、お客様のライフプランに合わせた資産運用のアドバイスを行っていきます。実績連動報酬を採用しているのもFA社員の特徴です。
――給料や福利厚生も、職種ごとに違うんですか。
2015年4月入社より賃金の引き上げが決まり、総合職A・B社員の初任給は23万2300円です。総合職C社員は年俸制で、FA社員は実績連動報酬制を採用しており、職種により給与体系が異なります。新卒で総合職C社員を選択されるのは院卒生や、大学で学んできたことを実際に野村證券で生かしたいという目的がはっきりしている学生が多い印象ですね。
――総合職A・B・C社員、FA社員のそれぞれの採用の割合は?
総合職A・B社員合計で約9割。その他が総合職C社員やFA社員となります。
――総合職B社員は女性が多いのですか。
転勤がないので、応募の段階で女性が多く、実際の入社もその流れです。総合職B社員で入社後、総合職A社員へ転換する社員もいます。
――留学生や外国籍の方の採用も多いのですか。
多様性を重んじているので、留学生や外国籍の方も入社します。特別枠は設けていないので、人物重視で同様の採用基準で選考しています。…続きを読む