
■採用実績
──2017年4月に三菱化学、三菱樹脂、三菱レイヨンの3社が合併して、三菱ケミカルが誕生しました。初めての採用をされたばかりですね。
石田晃一さん(写真右) 三菱ケミカルホールディングス傘下の化学系3社が一緒になることで、それぞれの強みを持ち寄り、シナジーを発揮し、グローバル競争を勝ち抜ける会社になろうというのが合併の狙いです。2017年4月入社が三菱ケミカルの1期生ですが、引き続いて、2018年4月入社の2期生の採用が終わったところです。
──採用の面で変化はありましたか。
石田優子さん(写真左) 良い面は会社のスケールが大きくなった分、「大きな舞台でチャレンジしたい」という学生が多く応募してくれるようになったことです。逆に、大きくなって何をしている会社か分かりにくくなったという指摘もあります。限定的に「この分野をやりたい」という学生は減りました。以前は、たとえば「三菱樹脂は樹脂加工製品」「三菱レイヨンならアクリル」と、事業内容が比較的分かりやすかったのですが、三菱ケミカルとなり、多岐にわたるようになったため「自分が仕事としてどんな事業に携わるのか」が分かりにくくなったようです。
――お二人の役割分担は?
石田晃 私は全体の統括と、主に事務系の採用を担当しています。
石田優 私は技術系の担当です。同期入社で同姓ですが、たまたまです(笑)。
──採用実績を教えてください。
石田晃 2017年4月入社は事務系総合職が34人(男性21人、女性13人)、技術系総合職が122人(男性109人、女性13人)でした。2018年4月入社は事務系が42人(男性24人、女性18人)、技術系が114人(男性105人、女性9人)です。大学院卒は技術系で97%、事務系にも若干名います。
旧3社とも積極的に採用したいという意向だったこともあり、採用数は増加傾向です。2019年卒採用数はまだ決まっていませんが、減ることはないと思います。
──事務系は女性の採用が増えていますね。
石田晃 目標数値があるわけではなく、自然体で採用した結果です。性別は問わないスタンスです。
──最近の学生の特徴はありますか。
石田晃 出会った学生のみなさんは、優秀で非常にしっかりした人が多いという印象です。就職も視野に入れ、かなり早い段階から考えながら学生生活のプランを練り、実践している人が多いようです。
石田優 技術系も同じですね。優秀で元気でしっかりしていて感心します。特に女性は「中長期にわたって働ける会社」を求めているようで、たとえば「女性の先輩社員の働き方は?」「産後の復帰率はどのぐらいですか」といった質問が多いですね。男性からは一切、そういう話は出ませんが(笑)。
──技術系は女性が少ないですね。
石田優 悩ましいところです。学生のみなさんは「自分がどんな舞台で働くか」をイメージして会社選びをするはずですが、合併で「自分が入って何をするか」がイメージしづらくなったことも多少影響しているのではないかと思います。事業所が日本全国にあり、転勤などを考えると「一生働く場」として考えづらいと思う人も少なくないのかもしれません。
──今はどの会社も「リケジョ(理系女子)」を求めていますが、化学の分野は機械や工学と比べると女性が多いのでは?
石田優 当社の研究所も3~4割が女性で、働きやすい環境だと思います。女性対象セミナーも開催して、女性が頑張って活躍していることをアピールしています。
石田晃 全社の社員数は1万3000人で、うち女性は約14%です。
──募集要項を見ると、事務系は全学部対象ですが、技術系は「化学、工学、機械、電気、電子制御を専攻されている方」と学部指定がありますね。
石田優 それ以外の学部の学生も応募可能です。ポテンシャルも考慮して採用しているので、活躍できそうだと判断したら面接に進んでいただくこともあります。
──「化学」だけではなく、「機械」や「電気」の学生も採用するんですね。
石田優 「ケミカル」ということで誤解されることが多いのですが、化学工業のモノづくりはまずプラントを建設して動かさないと始まりません。化学の知識だけでは難しいので、プラントを建てたりメンテナンスしたりできる機電系の人材を多く必要としています。しかし、応募してくれる学生は非常に少なくて、「機械、電気の学生が活躍する場はあるんですか?」といった反応です。ぜひ積極的に応募してほしいと思っています。
──技術系は推薦制度による採用も多いのでしょうね?
石田優 2017年入社では技術系の40%くらいで、推薦からの採用は増える傾向にあります。自由応募だと、内々定を出しても学生の志望度がそれほど高くなくて、結果的に辞退されてしまうこともあります。
――売り手市場で優秀な学生の奪い合いですから、推薦で確実にということですね?
石田優 そうですね。1~2年前までは自由応募も活発でしたが、弊社が推薦を大事にすることを先輩や教授から聞き、推薦で応募してくれる学生が増えています。
――推薦の対象校は何校くらいですか。
石田優 特に限定はありません。例年50校以上から推薦をいただいています。