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■コロナ禍での採用
──2022年卒採用を振り返っていかがでしたか。
最終面接は対面でやりたかったのですが、コロナ禍が落ち着かず実施できませんでした。安全を優先しました。2022年卒の学生にはまだ一度も対面では会えていません。WEB選考でもしっかり話を聞いて、見極めやお互いのマッチングはできたと思います。ただ、学生の全身の雰囲気や仕草が分からず、学生も当社の印象や雰囲気が分からないので不安はあると思います。会えなくてさびしいという気持ちもありますね。
──コロナ2年目でしたが、2021年卒採用との違いは?
2021年卒では「WEBでもしっかり見極めなきゃ」というところに意識がいっていましたが、今回は「もっと会社の雰囲気も伝えなきゃ」に変わりました。
アイスブレイクの時間を意識的に設けました。対面では面接会場に学生を案内する際に自然と会話をしていましたが、WEB面接では意識しないと「じゃあ面接を始めます。あなたの学生時代は……」となってしまいます。出だしで一呼吸おいてから本題に入るようにしました。意図して学生をほぐす、スモールトークを挟むといったことをしないと、学生が用意した以外の回答を引き出すのが難しいのかなと。
──学生側はどうでしたか。
学生はすごく慣れていましたね。対面のときは身だしなみなど面接のTPOがありますが、そのWEB版が確立されてきた気がします。目線に気を使う人が増え、話す要点をメモにまとめていた人もいます。
──メモを見ながら話すと印象が良くないのでは? 丸暗記よりはいい?
メモを見ているからダメ、ということはありません。対面でも丸暗記はあったと思うので、メモなのか、丸暗記なのかという違いです。私が学生の立場でも準備する気持ちは分かりますし、WEB面接を戦略的に使っているとも捉えられます。ただ、用意した答えではなく、背景にある考え方を引き出したいので、そこを踏まえたうえで質問をします。そこで本人の言葉を引き出せれば、最初は緊張してメモを読んでいても、背景や思いは伝わってきます。
──WEB面接のメリット、デメリットを改めて。
メリットは移動時間がかからないので学生の参加のハードルが下がること、デメリットはやはり会社の雰囲気を伝えづらいことですね。対面だと面接会場の後ろのほうで社員同士がちょっと話している様子からも「普段はこういうコミュニケーションを取るんだ」とか、たまたますれ違った社員の雰囲気から「こういう人が働いてるんだ」と伝わりますが、それがないので。
――説明会で工夫したことはありますか。
マイページ上でいつでも見られるWEB説明会のほか、あえて台本を用意せず、同期の社員同士の座談会をして、普段の会話や雰囲気を伝えるような動画コンテンツを制作しました。5年目ぐらいの中堅社員と、入社2~3年の若手社員の2種類を用意しました。
ライブ配信のイベントでは、会社全体や面接選考に関するQ&Aの時間を設けました。印象的だったのは車の中から参加した人がいたことです。部活などの合間に参加したんでしょうね。学生が力を入れている活動と就職活動を両立しやすくなったと思います。
――学生もカメラをオンにするのですか。
「今日は一方的に聞く場だな」というモチベーションだとオフの率が高くなるので(笑)、冒頭で明るく「今日はコミュニケーションの時間も設けています」と伝えると、参加する姿勢になるようでオンにしてくれます。オンにしてくれる人が3分の2ぐらいに増えました。
■採用実績
──採用実績を教えてください。
2022年卒の内定者は事務系が16人、技術系が高専卒2人を含めて39人です。2021年卒が事務系19人、技術系が50人だったので、少し減りました。
──男女比は?
2022年卒の女性は事務系6人、技術系4人です。2022年卒から職種別採用を導入して、事務系は「Sales&Marketing職」「SCM職」「調達職」「法務職」「財務職」そして「ポテンシャル採用」に分けました。…続きを読む