
■コロナ2年目の2022年卒採用
──2022年卒採用を振り返っていかがですか。
2022年卒の学生は面談が始まる前に緊急事態宣言が発令されたので、WEBでやりきるのか、最終は対面でやるのか悩みました。やはり学生がイベントや選考を受けることによってコロナに感染してはならない、安全・安心が第一だとチームメンバー内で意思統一ができたので、すべてWEBでも充実した面談になるよう早めに準備を進められました。
──2021年卒との違いはありましたか。
2021年卒採用ではコロナ前に行ったインターンシップは対面でできたのですが、2022年卒はインターンからすべてWEBになりました。学生にとって、WEBだけで決めてしまっていいのかは迷うポイントです。6月~7月はコロナ感染も比較的落ち着いたタイミングだったこともあり、少人数のフォロー会を行いました。迷っている学生に腹落ちしてもらうために、実際に会社に来てもらったんです。来てくれた学生は、WEBで感じた社員同士の仲の良さや温かさを改めて感じることができたと言ってくれましたし、最終的に納得して入社を決めてもらえました。
──コロナ下2年目の採用で工夫したことはありますか。
面談者のトレーニングですね。WEBだと面談者の表情や声のトーンで圧迫感を感じる学生もいます。WEBでも会社や社員の人となりが分かるよう、表情や話しかけ方についてアドバイスをしました。対面だと言葉少なに座っていても、うなずいたり反応を示したりすることで学生も「聞いてもらえてるんだ」と安心できます。一方でWEBだとそうした動きが読みづらいので、「いつもより3割増しで反応するように」と、面談者やインターンを担当する若手社員にお願いしました。学生は緊張しているので、まずはにこやかに笑顔で迎え入れてあげることも大事です。我々も普段の仕事をリモートでやっていますから、社員がWEBでのコミュニケーションにだんだん慣れてきたこともあると思います。
内々定者アンケートを2021年卒と比較すると「社員の人となりが分からなかった」という回答が減りました。
──WEB説明会で工夫したことは?
オンライン会議アプリのアンケート機能を使ったり、関連するURLをチャットに貼りつけたり、情報提供やコミュニケーションの取り方を工夫しました。「京セラに興味を持っているけれども、何をやっている会社か分からない」といった疑問に対して、対面よりきめ細かく、たくさんの情報を提供することができました。そこはメリットの一つだと思います。
■選考プロセス
──2022年卒採用の選考スケジュールを教えてください。
3月からエントリーシート(ES)の受付を開始しました。文理ともに、ES提出とあわせて、適性検査を受けてもらっています。ESと適性検査の結果を踏まえて書類選考を行い、通過した学生には、本人の希望するプロダクトや職種の各部門の責任者とWEBですり合わせなどを行い、6月から順次選考して合否を決定しました。
──夏採用や秋採用は?
2022年卒から通年採用を始めました。理系の博士課程の人、外国籍の人、海外の大学に留学している人は卒業時期が違うので、こうした人を積極的に採用するためです。30歳までの既卒者にも門戸を開いています。随時受け付けていて、いい人がいれば採用する形です。早速この10月にも数名が入社しました。多様な人材に来てもらうことで新しい知見やアイデアが生まれ、会社の成長につながると考えています。
スモールスタートでまずは試験的に始めたので「通年採用始めました!」と大々的なアピールはしていません。海外留学生向けのWEBセミナーやフォーラムで京セラに興味のある学生と接触して、「興味あれば応募しませんか」と話しています。おかげで、これまで採用できなかった多様なバックグラウンドを持った良い人材と接触できていて、これから入社する予定の人もたくさんいます。
──2022年卒のエントリー数は?
コロナでWEB化が進んだ影響か、マイページ登録数は約1.5倍に増えましたが、その後ESを提出してもらえる比率は下がっています。WEBでいろんな企業を見るようになって、とりあえずエントリーしておこうという感じなのでしょうか。京セラという会社名がある程度認知されている実感は持てたのですが、その後の応募につなげるにはまだまだ改善の余地があると考えています。…続きを読む