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■「はやぶさ2」
──「はやぶさ2」の大成功、おめでとうございます! すごかったですね。
そうですね。プロジェクトは「100点以上」の結果が出るので、ありがたいですね。
──松村さんは技術者・研究者ですからプロジェクトと一心同体かと思いますが、JAXA内は大騒ぎだったのでしょうね。
みんなが明るい雰囲気になるのは事実なんですが、部門が違うとあんまり認識していないこともあります(笑)。初代「はやぶさ」が非常にインパクトがあった一方、今回は順調にいったこともあり、比較的淡々と「成功したんだ」という感じです。
ただ、オーストラリアで帰還カプセルを回収する際には2週間の隔離期間があるなど、コロナ禍でどうやって安全を確保するかを考えました。万が一、回収班に感染者が出たら回収できなくなるので、そのリスクをどう回避するのか、2班体制にしたほうがいいのか、といろんな準備がありました。帰還カプセルが無事に回収でき、さらに小惑星リュウグウのサンプルが採取できていたので、ホッとしたところが大きいのも事実です。
■採用実績
──採用実績を教えてください。
2020年入社は、技術系24人、事務系5人の計29人でした。博士10人、修士13人、大卒5人、高専1人です。男女別では、男性17人、女性12人でした。
2021年卒の内定者は、技術系27人、事務系9人の計36人。博士9人、修士19人、大卒8人で、男女別では、男性17人、女性19人で、初めて女性が多数になりました。最近、事務系は半分以上が女性です。技術系はそもそも学生の比率として男性が多いのでそこまでいきませんが、今回は技術系でも女性が多かったですね。
■WEB面接、説明会
──前代未聞のコロナ禍の採用でした。
正直、そこまでコロナ禍という状況を意識することはなく、あまり影響はありませんでした。
──従来からWEB面接をしていたのですか。
はい。中途採用では遠方だったり時間的な都合があったりするので、従来からWEB面接を行うことが多くWEB面接のプロセスを一通り確立していました。新卒採用も従来から海外の大学の人はWEB面接だったので、初めてではなく、手順やツール、WEB面接のシステム、選考官の習熟度なども含め経験がありました。新卒採用全員をWEB面接にしたのは初めてですが、3人やるのか、数十人やるのかという人数の違い程度でした。
──説明会はどうされましたか。
コロナ以前から、対面説明会の学生へのリーチの物足りなさ、人数に限りがあることが課題でした。「JAXAに興味を持ってくれている人」以外に情報をどう届けるかを考え、2021年卒採用ではコロナに関係なくWEB説明会を予定していました。
実際にやってみると、対面の説明会会場のキャパシティーを超える数の学生がアクセスしてくれました。対面の合同説明会だと数十人しか入れませんが、WEBの登録者数は300~400人になりました。WEB説明会は録画・再生もできるので、しばらくホームページ(HP)で公開したままにして再利用もできました。
──その後のスケジュールは3月からエントリー開始、3月中に締め切り、4月以降に説明会ですか。
はい。スケジュールは変わりませんでした。4月初めくらいから選考を始めて内々定は6月に出しました。
──2020年は「はやぶさ2」の成功、野口聡一さんの3度目の国際宇宙ステーション(ISS)滞在など、宇宙関係の話題が多くJAXAへの注目度が高かったので、エントリーが増えたのでは?
就職ではみなさん、人生としてのキャリアを考えているので、その年のトピックによってエントリー数が増減することはあまりないですね。…続きを読む