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(前編はこちら)
■インターンシップ
──2022年卒対象のインターンやイベントについて教えてください。
事務系のワンデーイベントは7月に対面で実施しました。対面イベントをする会社は少なかったので「Hondaには興味はないが、対面が魅力で応募した」という学生もいました。イベントの実施にあたっては感染症対策を徹底し、自治体の3密回避のガイドラインを順守しました。6人でのグループワークは席を間引き、消毒液やアルコールウエットティッシュを常備し、マスク着用で進めました。今後は12月と1月にWEBでの開催を予定しています。
5日間のインターンは、WEBで3日間に短縮し9月に開きました。冬も行う予定です。
――ワンデーと3日間の違いは?
ワンデーはHondaの社風を感じてもらうのが目的です。企画提案型のグループワークで、30代の社員がチームメンバーとして一緒にアイデアを出したり、ブラッシュアップしたりします。夏のワンデーでは「2030年を見据えた新しい製品やサービスを提案せよ!」がテーマでした。2030年がどうなっているか資料を確認したり、想像力を働かせたりして、Hondaの技術や可能性と掛け合わせて「こういうターゲットに提供します」と発表してもらいました。
Hondaには、ワイワイガヤガヤ議論する「ワイガヤ」というミーティング手法があり、立場や年齢、経歴、専門に関係なく自分がこうだと思ったらはっきりと言います。物怖じせず相手に伝えて、そのアイデアに別の誰かが重ねていく、そういう文化を感じてもらいます。
──「ワイガヤ」は社風かと思っていました。
社風がよく表れている言葉だと思います。研究所には「ワイガヤルーム」もあります。我々採用グループも施策やイベントを考えるときに「ちょっとワイガヤしようか」と5~6人が集まり、ホワイトボードに書きながら話します。答えや結論を出す前にもっと自由な発想を意識しようというミーティングです。「立場は関係ない」「人の意見は否定をしない」が原則で、進め方のルールはありません。
──3日間インターンの内容は?
「海外営業」「購買」「人事」など4~7人でコース別に分かれ、それぞれにメンターがついて並走します。たとえば「購買コース」では購買の仕事を講義形式で伝え、取引先との打合せにも同席しました。
──WEBで「同席」って?!
今は購買もWEBで取引先と商談しています。そこに学生も同席し、社員が話を振りました。事前に「今日はどこどこのサプライヤーさんで、この部品についてやりとりします」と予習しました。学生にはなかなかできない経験だと思います。
ベトナムの駐在員とつないで、仕事内容やどんな思いで海外赴任しているのかを聞くなど、対面では思いつかなかったこともできて幅が広がりました。
──学生の反応は?
本来の5日間の対面インターンは、ワンデーでは経験できない実際の職場に足を踏み入れて仕事を一緒にすることです。WEBの3日間でできるか心配でしたが、一緒にランチを食べたり、雑談も入れ込んだりして、学生からは「たくさんのインターンに参加したが、ここまで一人ひとりに向き合ってくれた会社はない」と言ってもらえました。
──技術系のインターンは100コース以上あるとか。
いろんな技術領域があって二輪も四輪もジェットもあり……、計108コースです。技術系もWEBになり、5日間を最長でも3日間に短縮しました。夏に各コース3~4人、計約400人が参加しました。
工場体験などはできませんでしたが、四輪の自動運転の様子を動画で見られるようにし、エンジニアへの質問コーナーを設け、「ワイガヤ」を体感する2時間のグループワークを入れるなど工夫しました。
──人気のコースは?
自動車は全般的に人気ですが、とくに先進領域ですね。「専門性はないが、インターンでは見ておきたい」という人もいます。
技術系も冬にワンデーと3日間を実施します。
──インターンの選考は?
事務系は簡単なエントリーシート(ES)と、「チャレンジしていること」の1分動画を提出してもらいました。面接はありません。
技術系は本番のESに近いものを書いてもらい、WEB面談をしました。…続きを読む