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■採用実績
――採用実績を教えてください。
2018年卒の新卒入社予定は、事務系総合職が58人(男性34、女性24)、技術系総合職は414人(男性357、女性57)です。2017年卒の新卒入社は、事務系総合職58人(男性30、女性28)、技術系総合職337人(男性285、女性52)でした。事務系は横ばい、技術系は増加傾向にあります。
――事務系総合職は女性が増えているようですね。
2014年に全社プロジェクト組織としてダイバーシティ推進室ができて、私も育児とキャリアの両立経験を生かしてほしいという期待を受けて参画しました。当時33人だった女性管理職を2020年までに3倍の100人にする目標を立てました。女性の積極採用も打ち出し、新卒の事務系総合職で40%以上、技術系総合職では15%以上の目標を立てています。
――女性社員が増えるとどんなメリットが?
社会や消費者の構成に近いほうが良いサービスを届けられます。昔は運転免許を持つ女性は多くありませんでしたが、今はドライバーの半分が女性です。駐車や狭い道の運転が苦手な女性も多く、その気持ちが分かる意味でも技術者、事務職ともに女性が多くなれば社会の価値観に近づけます。
ライフイベントを経験した働く女性は、限られた時間で働く集中力が高いので生産性が高いという面もあります。男女どちらが優れているということではありませんが、女性には男性と違うマネジメント能力があります。私もそうですが、子育て経験がある女性が管理職になると愛情をもって部下を育てることができると思います。女性が一定比率いるのは、サービス、マネジメント、人材育成の面でも有効なんです。
――デンソーもかつては「男性社会」だったのでしょうね。
技術系は特に女性が少なくて、新卒採用は2ケタいくかどうかでした。事務系も私の同期は135人のうち女性は5人でした。車好きの女性は男性ほど多くありませんし、自動車業界を志す人自体が少なかったですね。
今でも最初から興味をもっている女性は決して多くありませんが、2016年に経済産業省の「新・ダイバーシティ経営企業100選」に選ばれたのが大きな節目でした。性別、国籍、年齢を問わず誰もが活躍できる会社という点に、魅力を感じてくれる学生が多くなった印象があります。ロールモデルとなる先輩女性社員が語りかけるイベントも開いています。
――どの会社も「リケジョ(理系女子)」を求めていますから、技術職では取り合いでは?
機械、電気など車に近い分野を学ぶ女子学生は数が限られているので、農学、化学などを専攻する女性を受け入れて数を増やしています。会社に入ると40年間、学ぶ機会はたくさんあります。大学時代の学びの領域が自動車に直結していない学生にも、自動車業界やクルマ社会に興味を持ってほしいと考えています。
自動車業界は、自動運転、電動化など面白い時代にあります。車というインフラが社会に様々なサービスを提供するようになります。大学で学んだことや理系の基礎的な知識は生かしつつ、変わっていくクルマ社会で新しいことにチャレンジしたい人を受け入れています。
――学部の指定はないのですか。
ありません。機械と電気電子が中心ですが、車が社会とつながる時代ですから情報通信系の学生も増えています。ソフトの勉強をしている学生も積極的に採用したいですね。
■インターンシップ
――エントリー数の増減は?
ほぼ横ばいです。最近はインターンシップが広がってきたため、企業広報解禁の3月までに、行きたい業界、会社を絞り込んでいる傾向があるように思います。
――そのインターンについて教えてください。
事務系は、年間を通して、3日間のインターンを10回ほど実施しています。中身はデンソーの歴史やDNA、営業、グローバル業務を体験するワークで各回30人規模です。技術系のインターンは2週間、3週間の長期型もありますが、今年から1日のインターンも始めました。
――内定者にはインターン参加者が多いのでしょうね。
そうでもありませんが、インターンは自分が挑戦したい会社かどうかを理解する場として有効です。インターンに参加して「デンソーっていい会社」と感じたら、ぜひ応募してほしいですね。…続きを読む