
Q.イズミさんは出版社でどんな仕事がしたいのですか?
――私は編集者ではなく営業職を希望しています。もともとイギリス文学が好きで、翻訳物ですがある作品に衝撃を受けた経験があって……。私も文芸の営業担当になって面白い本を世に広め、多くの人に影響を与えるような仕事がしたいです。ただ出版社の営業職が具体的にどういう仕事なのか、実はそんなによくわかっていないので焦っています。私の周りにはマスコミを目指している仲間がおらず、出版社で働いている先輩もいないので、情報不足が悩みです。
Q.今の選考状況は?
――出版社は他業界より動きが結構遅いので、本格的に動くのはこれからです。現時点では、大手の出版社数社にESを提出しました。出版社って質問が多くて内容も細かく、書くのがものすごく大変なんですよね。ほかに作文課題もあったのですが、特に誰にも相談せずに書いて出してしまいました。出版社は東京に集中しているので、何度か上京して大手中心に10社ほど受けようと思っています。
Q.地元ではどんな企業を受けますか?
――地方の新聞社や地方テレビ局の営業職、地銀や私鉄など10社ぐらいです。面接に呼ばれている会社もいくつか……。でも、いろいろ見て銀行は自分には合っていないと思いました。東京の出版社が第1希望ですが、激戦なのでダメ元で受けてみて、押さえで地元企業と思っています。でも、こんなにバラバラな業界を受けて、「ほんとにいいのかな?」という疑問もあります。
Q.学生時代最も頑張ってきたことは?
――文学のゼミで民話「鶴の恩返し」を学びました。またゼミで学んだことを、地域のまちおこしにつなげるプロジェクトにも参加しています。地元で「鶴の恩返し」のグッズの開発やイベントの企画もしました。また物語をオリジナルの絵本にし、地域の方言や英語でも発信しました。自治体と組んでその絵本をアニメ化し、地元の子どもたちに広める活動もしています。
Q.イズミさんはすごく好奇心旺盛そう。今までの経験が仕事でどう生かせそうですか?
――私は、一つの物語が、いろいろ形を変えて社会に広がっていく過程に関心があります。たとえば海外の小説が日本語になったり、小説がドラマ化されたり、マンガがアニメ化されたり。出版社に入ったら、コンテンツの著作権を扱う「ライツ」の部署で働いてみたいとも思っています。
Q.営業ではなく、記者や編集者の仕事をしたいと思いませんか?
――実は地方の新聞社の試験を受けたら、作文が結構よく書けていたらしくて「記者をしてみないか?」と言われました。もし可能性があるのなら、記者もやってみてもいいかなと思っています。でも出版社だと、今の私は編集者になれるほどの力はないかと。それよりは、本を多くの人に広めて作り手を支える方が合っていると思います。
イズミさんが第1希望の出版社に出したESを見せてもらいました。