SDGsに貢献する仕事

LIXIL

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  • ジェンダー平等を実現しよう
  • 安全な水とトイレを世界中に
  • 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • パートナーシップで目標を達成しよう

LIXIL〈後編〉現場の声を原動力に、グローバルな挑戦続ける【SDGsに貢献する仕事】

2026年09月30日

 SDGs(持続可能な開発目標)関連の業務に携わっている若手・中堅社員に直撃インタビューする「SDGsに貢献する仕事」の第38回。システムキッチンやトイレなど住まいの水まわり製品と建材製品を開発、提供するLIXIL(リクシル)の後編をお届けします。販売実績も販路もない海外で、トイレの普及と販売拡大に取り組むLIXIL社員2人へのインタビュー。自ら手をあげて挑んだ海外事業にかける思い、今後の展望、営業の心得、LIXILで働くやりがいについても聞きました。(編集長・福井洋平)
(冒頭のSDGs目標は「グローバルな衛生課題の解決」に関連したもの)

【お話をうかがった方のプロフィル】
SATO事業部 下條彰仁(しもじょう・あきひと)さん(写真左)
2017年京都産業大学 経営学部卒、同年LIXIL入社。LWTJ東北支社 宮城営業所を経て2023年に現部署に。

SATO事業部 山田麻実(やまだ・あさみ)さん(写真右)
2016年名古屋大学 農学部卒、同年LIXIL入社。経理部決算グループを経て2021年に現部署に。
(前編はこちらから)

ガザにも導入される

■SATO事業の目標
 ──下條さんは、SATO事業の将来性をどうみていますか。
 下條彰仁さん まず、事業としては2013年にビジネスを始めてから「2025年末までに1億人の衛生環境を改善する」という目標があり、無事にそれを達成しました。それから新しく事業部とLIXILとしては、「2031年の3月期までに、さらにもう1億人の方々の衛生環境を改善する 」という目標があります。また、私たちは営利企業ですので、利益を上げなくてはいけません。自社の企業価値向上に貢献できるよう、ビジネスを発展させることも目標です。

 ──見通しはいかがですか。
 山田麻実さん 簡単ではないと考えています。1つ売っても数ドルぐらい、誰もが買える値段設定なので、そんなにもうかるものではありません。事業として持続可能でいられるように収益改善していきたいとみんなで頑張っているところです。 いまは、商品ポートフォリオをどんどん増やしています。トイレだけではなく、その周辺の土台の部分、浄化槽や排せつ物の槽、建屋など生産しています。

 下條 建屋は最近、ガザで使われました。建屋は床も一緒に付いてくるので、複雑かつ厳しい情勢が続く地域でも早く施工できるというメリットがあります。地盤が不均衡なところでも置いて、穴を掘れば設置できます。災害地域や緊急人道支援が必要な地域に対して設置できる商品もあります。

 山田 緊急人道支援では紛争や災害が起きた後、感染症対策の観点からも、すぐにトイレを設置する必要性が高いのですが、インフラにも被害が及んでいるケースが大半ですので、トイレ単体だけ設置しても処理が追いつかないという問題があります。そのため、ソリューション全体を提供できることで現地の需要により応えやすくなるため新しく販路ができ、商品が多角化してお客さまも広がるというところで伸びていると、数字を見ている立場からは思います。

現地のパートナーシップを広げていきたい

■力を入れたい分野
 ──下條さんが今後、「ここに力を入れていきたい」というところは。
 下條 私はフィリピン、インドネシアを担当していますが、目標販売台数の達成に向けてもっとパートナーを広げていきたいです。多様なパートナーにトイレの衛生環境を改善することの重要性を理解してもらい、SATOトイレをさらに普及できる仕組みをつくりたいと思います。

 ──そのためにやりたい、やらなくてはと思っていることはありますか。
 下條 少し重なるかもしれませんが、さまざまな機会を通じてパートナーシップを広げることです。今のお客さまとしっかりとした成果を出すことが必要ですが、まだまだ道半ばです。「これだ」という成功例がまだないので、ぜひ彼らと成功事例をつくり、ほかのパートナーシップを提案する際に「グッドケース」として話すことができればと考えています。「彼らとこのような実績をあげることができたから、皆さまとも一緒にやりませんか」という形で進めていけたらと思います。

 ──下條さんは日本にいるときはどういう活動をされているのですか?
 下條 日本にいるときも現地のメンバーとオンラインでコミュニケーションを取っています。LIXILには日本でビジネスをしている既存のお客さまがいるので、そこにおうかがいして、SATO事業の紹介をしています。大学でSDGsや衛生環境、就活について話すこともあります。

インドネシアでヒーローに

(写真はLIXIL提供、今回の掲載テーマのエリアとは異なります)
■トイレで未来をつくるプロジェクト
 ──SATO事業の説明をして、日本国内でも何らかのパートナーシップを求めているのですか。
 下條 はい。2025年度から「トイレで未来をつくるプロジェクト」をはじめました。LIXILの水まわりのお客さまから寄付をいただき、昨年はその寄付金をもとにインドネシアとバングラデシュの10カ所で学校のトイレを建設しました。131社の方から寄付をいただき、合計1900万円強が集まりました。

──そこへ行かれましたか?
 下條 私はインドネシアの学校に行きました。ジャカルタから2回ほど乗り継ぎ、ジャングルの中を車とボートを乗り継いでようやくたどり着きました。現地にはトイレがあるのか、ないのか、よく分からないような学校がたくさんあります。トイレの設置を記念して行われたセレモニーには市議会議員の方々も参加され、大変喜んでくださったため、まるでヒーローになったかのような気分でした。トイレには日本の国旗とインドネシアの国旗、LIXILと寄付をいただいた代理店さまの名前をすべて刻印しました。

 山田 子どもたちが壁に絵を描いて、すごく素敵なトイレができました。
(写真はLIXIL提供)
 ──それを日本の方々にフィードバックすると「こういう活動をしているのだ」と分かりますね。
 下條 この活動のアピールは、採用活動にもつながります。建築業界はいろいろ大変で、29才以下の労働者は全体の約1割程度しかいないのが現状です。LIXILとお取引があるお客さまも採用は課題となっていますので「グローバル規模のプロジェクトに参加している企業」と発信いただくことから学生に興味を持ってもらえたらと考えています。また、今の学生はSDGsや社会貢献に興味ある人が多いので、こうした発信に共感いただけると思います。「地域社会だけではなく、学生の皆さんにも社会貢献をしたと発信しませんか?」という想いを込めてお客さまにも参加いただいた活動でした。

途上国で働きたい、入社前の希望を実現

■SATO事業部配属の経緯
 ──異動の経緯をお聞かせください。
 下條 LIXILにはジョブポスティング制度があり、社内のプラットフォームに公示が出ます。年に2回、自分が希望したところに異動するチャンスやオプションがある制度で、2人ともそれを使いました。

 山田 ジョブポスティング制度と合わせて、キャリアをサポートする社内の制度として「キャリア申告」があります。年1回、自分のキャリアについての考えや希望を会社に伝えられます。「海外の仕事をやりたい」と言っていたら希望をくんでくれることがあります。

 ──山田さんはどういう希望があったのですか。
 山田 私は入社以来、本社でのキャリアが長かったので、もっと現場に近いところで働いてみたかったんです。経理で億単位の大きな金額を扱っていたのに、中身を理解できているという自信が持てない。自分は現場経験が少ないので、扱う金額は大きいけれど、「これって何からできているんだろう」と。そこが自分の中でフラストレーションというか、怖いという気持ちがあったので、もっと事業部や現場に近いところで勉強したいと希望を伝えていました。


 SATO事業は入社のときにもいい取り組みだなと思っていました。私は学生時代にフィリピンに1カ月ぐらい滞在した際、現地の子どもたちが「お金ちょうだい」と寄って言ってきたり、私が通っていた語学学校の食堂で余った料理を取りに来たりする姿を目にしました。その料理をうれしそうに持って帰る様子に社会の理不尽さを感じ、いつか途上国に貢献できる仕事がしたいという思いが芽生えました。この想いも応募の後押しになりました。

 ──下條さんはどういう経緯で手を挙げられたのですか?
 下條 私も入社当時からグローバルなビジネス事業に携わりたいと思っていました。その野心を持ちながら、国内営業として仙台にいたのですが、今となってはすごくプラスな経験でした。ただ、国内の営業をしていると海外に携わる機会がないので、たまたまSATO事業の公募を見たときに「これしかない」と思いました。LIXILは150以上の国・地域で事業を展開しており、海外拠点の現地スタッフとやり取りする機会は多いのですが、日本の社員が海外事業に直接携わるチャンスはそこまで多くありません。そのような中で、私は運良く公募に出会い、ご縁があって選んでもらいました。

 ──いつ頃からグローバルで働きたいと思っていましたか。
 下條 学生時代に、カナダに半年ほど留学したときからです。日本は人口が増えず衰退していく、長い目線で考えたときに、グローバルの視点を持たないと厳しいのかなと感じました。同時に英語を通じて多文化、多様な方々とコミュニケーションを取るのが楽しかったからです。

自分自身を認めて買ってもらえることに喜び感じる

■仙台営業部時代
 ──下條さんの、仙台時代の思い出深い仕事を教えてください。
 下條 仙台時代はたくさんあります。自分に自信を持てるようになったのは、仙台で売上ナンバーワンと言ってもいい設備店を担当したときのことです。その設備店のお客さまは開業以来、他社商品のみ取り扱っておられ、当社の商品が入り込む余地はないような状況が続いていました。なぜか私が担当したときにシェア0%から90%、100%まで逆転して、売り上げの向上に貢献することができました。本当にインパクトが大きいお客さまだったので自信がつきましたし、上層部の前で発表したときには、「いい仕事をしたのかな」と。

 ──何が良かったのですか。
 下條 私が特別、営業力に秀でていたわけではないです。設備店の社長と信頼関係を築くことができて、気に入っていただき、本当に運良くLIXILの商品を採用していただきました。私だけではなく、デベロッパーの方にもサポートしてもらい、サンドイッチ形式で営業させていただきました。社長と接する中で、営業として丁寧に関係を築いたことが成果につながったのだと思います。

 ──学生は「営業」にあまりいいイメージを持っていない人が多いと思います。営業という仕事の面白さは?
 下條 いろんな営業のパターンがあると思いますが、私の場合はLIXILの商品を買っていただくというよりも、この私、下條という個人を認めて買っていただくということに喜びを感じていました。それが営業の醍醐味じゃないかなと思います。

 ──営業の極意はありますか。
 下條 私はキャラクター的によくしゃべると思われているのですが、自分は話さず、人を喜ばせることを心がけていました。たとえば、仙台だとプロ野球の東北楽天ゴールデンイーグルスファンが多く、野球の話をよくしました。当時は、田中将大選手など有名な選手の話をすることが多かったと思いますが、それだと面白くない。私はよく新聞を読んで、あえて二軍の選手をチェックしていました。「〇〇選手いいですね。多分もうすぐ一軍で出てきますよ」と言うと、「お前、何で知っているんだ」と話がはずみ、こうした細かい工夫で差をつけることができたと思います。

 ──海外でもそのアプローチは生かされていますか。
 下條 はい。海外に行って思ったのは、やはり日本のことを知らないといけないなと。歴史や日本について調べて話すと、すごく興味を持ってもらって、コミュニケーションが加速します。「関係性が結ばれたな」と思う機会があります。最近だと、抹茶ですね。アッサムで、「アッサムもお茶が有名だけど、日本なら静岡などが有名かな」と言ったら、現地の1人が静岡のお茶が大好きで、直接買っていることがわかって、盛り上がりました。こういった話が、商品の説明と同じくらい大切なんじゃないかと思うことがあります。

 山田 下條は、「この人にはこの話題が刺さるんじゃないか」と見極める力がすごいと感じます。

経理職は企業の意思決定に深く関われる

■山田さんの就活
 ──山田さんはもともと経理志望で入られたのですか。
 山田 いえ、経理志望ではなくて、「何でもやります」と意気込んで入社したところ、経理に配属されました。農学部出身で、大学のときは森に入ってネズミや虫をつかまえ、森林や環境の勉強をしていました。会計の仕事は一から覚えました。

 ──就活のときはどういう企業を見ていましたか。
 山田 実は家族が住宅設計の仕事をしていて、自分もシルバニアファミリーのドールハウスで何時間も模様替えをして遊んでいるような子でした。それで住宅、建設に興味があり、LIXILのような住宅産業、建設系を中心に見ていました。

 大学の時点では自分がどういう仕事をしたいか、どうなりたいかが固まりきっておらず、就活のときに苦労しました。でも、その中でLIXILという会社に出会い、国内外のいろいろな場所に事業所や部署があるので、入社後に自分のやりたいことを見つけられる選択肢が広いのではないかと思いました。

 ──経理の仕事の面白さはどういうところにありましたか。
 山田 事業には絶対予算が必要なので、企業が何か意思決定をするとき、リーダーたちが次にどういう戦略を打ち、どう行動するかを決めるときに、経理は最初から関わることができます。新しい国に出よう、新しい商流を立てようとなったときに、最初からその議論に経理として自分の専門性をいかして入れるのはすごく面白いと思っています。

■下條さんの就活
 ──下條さんは就活のときにどういうところを見ていましたか。
 下條 私はカナダ留学の経験があり、グローバルで働ける可能性のある業界と企業を見ていました。それから、実はトイレに興味がありました。2社を受け、LIXILに内定をいただきました。

 ──なぜ、トイレに興味を持ったのですか。
 下條 2つ理由があります。1つはたまたま入ったゼミの研究課題が「世界のトイレ事情を知ろう」という内容だったことです。学校のゼミ旅行で北九州の工場見学に行ったこともあります。もう1つがカナダ留学の際、先進国なのにトイレは意外とベーシックな商品しかないことに気づきたことです。彼らの文化や慣習からすると十分なのかもしれませんが、やはりシャワートイレが日本ほど普及してないというのは驚きでした。隣国の米国もまだ日本ほど普及していないことを考えたとき「この事業に携われば可能性があるのかな」と思いました。

住まいに直結する商品を展開している

■LIXILで働くやりがい
 ──山田さんのLIXILで働くやりがいを教えてください。
 山田 今、SATO事業に関わっていて、自分の関わった事業がどういうインパクトを生み出しているのかを見られるというところに、モチベーションを感じます。現地にはSATO事業のメンバーがたくさんいて、日々「商品がお客さまに届きましたよ」「使ってもらっていますよ」という動画や写真をチームみんなで共有しています。「自分の仕事がここにつながっているんだ」と実感できると、すごくモチベーションにつながります。

 ──下條さんはいかがですか。
 下條 当社は日本国内の人々の住まいに直結しているさまざまな商品を展開しています。家族や友人に聞いても各家庭のトイレや窓など、何かしらLIXILの商品を使っている機会があると思うので、自分の働いている企業の商品が、日本の人びとの生活に貢献していることはやりがいだと思います。

■LIXILの働きやすさ
 ──LIXILで働きやすさは感じますか?
 山田 はい。コアタイムがないフレックスタイム制で、フレキシブルな勤務ができます。LIXILは、テレワーク制度があり、私もほぼ在宅勤務なので、ライフステージが変わったとしても働きやすいと感じています。

 ──下條さんはいかがですか。
 下條 フレックス制度があるので働きやすいですし、風通しのいい会社だと思っています。仙台で営業していたときも、SATO事業部に来てからもそう思うのですが、若いメンバーが自分の意見を言える、上司に言えて行動できるという環境があります。上意下達を重んじる文化が根強い会社も一定数あるようですが、LIXILはバランスが良いと思います。

 山田 私もそれは感じますね。課長、部長というリーダーの階層があまり多くなく、わりとフラットな組織ですし、上司とは毎週1 on 1で話し合います。日々の業務だけではなく、自分のプライベートな話もできます。自分が無理だと思ったらSOS を出せたり、困っているとすぐに助けをもらえたり、風通しのよさや相談のしやすさを感じます。

(インタビュー写真・植田真紗美)

SDGsでメッセージ!

私は就活時、トイレビジネスに携わりたい、グローバルに活躍したいという軸を持って就活をしていました。LIXILに入社後は国内営業からスタートし、社内公募制度を使って自ら挑戦し、今こうしてグローバルな事業に携わっています。LIXILは強い思いと入社後でも行動力があれば夢をかなえるチャンスがある会社です。SATOトイレはもちろん、リサイクル素材を活用した「PremiAL」や「revia」など、環境に貢献できる商品を広く展開している企業ですので、もしみなさんが成し遂げたい夢、SDGsに携わりたいという夢がありましたら、LIXILはみなさんの夢をかなえられる企業だと思います。ぜひ、大きな志を持って就活を頑張ってください。そしてみなさんとLIXILでお会いできることを楽しみにしております。
(下條さん)

LIXILはテレワーク制度などでフレキシブルな働き方やデジタル環境も含めて、どんな人もパフォーマンスを発揮しやすい環境が整っている会社だと思います。 私たちが扱っているのは、誰もが毎日関わる暮らしです。そのため、事業を通じて社会の課題を解決していく、SDGsの達成に貢献している、そんな実感を味わえる機会も多いと思います。就活ではご自身の過去を振り返り、未来も考えて、たくさん悩まれると思います。その中でLIXILの目指す方向性に共感し、またLIXILがフィットするなと感じていただけたら幸いです。仲間として一緒に働けるのを楽しみにしております。(山田さん)

LIXIL

【住宅設備・建材メーカー】

LIXILは、世界中の誰もが願う豊かで快適な住まいを実現するために、日々の暮らしの課題を解決する先進的なトイレ、お風呂、キッチンなどの水まわり製品と窓、ドア、インテリア、エクステリアなどの建材製品を開発、提供しています。ものづくりの伝統を礎に、INAXやGROHE、American Standard、TOSTEM等の製品ブランドを通して、世界をリードする技術やイノベーションで、世界150カ国以上で事業を展開し、毎日10億人以上の人びとの暮らしを支えています。