
■小型化への流れ
──燃料ポンプの装置はどれぐらい大きいのですか。
菅原 試験装置なので、全部小型化しているわけではありません。汎用品を使って組むので、ポンプそのものはけっこう小さいです。ただ、燃料を供給するためのタンク、冷やすための熱交換器、それを動かすためのインバーター、電源などが入ると、すぐに結構大きなスペースは使ってしまうという感じです。設計オフィスにはなくて、横浜の技術開発本部、秋田大学の新世代モーター試験ラボなどにあります。
──燃料ポンプでは明確な成果がありましたか。
菅原 電動燃料システムについては、「実際にできそうだよね」と。モーターもできそうですし、片方が故障したときも制御を継続できるところもめどがついて、燃料流量が制御できそうだというところまでめどがついています。
──「ここをクリアした!」というブレイクスルーはありましたか。
菅原 電動燃料ポンプのモーターを小型化しないといけないと分かっていましたが、どう小さくすればいいのかは手探りでした。試作品をつくってみると、ぜんぜん思った通りにならず、モノを1個ずつ潰していって初めて、我々が想定しているものができました。けっこう段階を踏んで、小さいブレイクスルーがたくさんあって、初めてつくれました。
──いろんな課題をクリアして、だんだん形になってくるのですね。
菅原 我々は「小型化するにはこうすればいいだろう」と仮説を立てますが、その仮説が正しかったところと、「実はここも考慮すべきだった」というところが実際につくっていくと出てきます。それを潰していって、初めのコンセプトを実現していきました。
──小型化する決め手は材料の問題ですか。それとも仕組みの問題ですか。
菅原 両方あります。航空機を小型化する構造面ではノウハウがあるので、それをモーターに適用できます。ただ、それだけではどうにもならないので、素材面での技術開発も進めています。小型化した際の強度、電気・磁気的に性能がいいものを使うことが課題です。
■「やったぞ」の瞬間
──研究していて、「やったぞ」と思う瞬間はどういうときですか。
菅原 2パターンありますね。1つは実際にその研究をしているときは、試験装置がちゃんと動いて、必要なデータが取れて、取り終わった段階で、それに基づいて議論して、というのが大事なんです。ただ、試験装置はだいたい一品ものです。だから実験を実際にデータが取れる段階まで持っていくのがけっこう大変で、まず装置が動いた、となるとすごくホッとします。
あとは、装置が動けばデータは集まります。その集まりが良かったときもうれしいですね。