SDGsに貢献する仕事

イオンモール

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イオンモール〈前編〉「まちのACTION!」で環境も健康も守る【SDGsに貢献する仕事】

2026年07月23日

 SDGs(持続可能な開発目標)関連の業務に携わっている若手・中堅社員に直撃インタビューする「SDGsに貢献する仕事」。第36回は、国内外で約200のショッピングモールを運営するイオンモールが登場します。「まちの□□ACTION!」と題して、環境や生物多様性保護、健康促進などさまざまな側面からサステイナビリティー推進に取り組むイオンモール。店舗の現場に立ちSDGs貢献を進めてきた社員2人に、イオンモールの旗艦店であるイオンモール幕張新都心でお話をうかがいました。(編集長・福井洋平)

【お話をうかがった方のプロフィル】
戦略統括部 地域サステナビリティ推進部 三宅泰輔(みやけ・たいすけ)さん(写真左)
2023年地域経営学部地域経営学科卒業、同年イオンモール入社。「イオンモール草津」でオペレーションを担当し、2026年から現職。

イオンモール四條畷 営業担当 大西沙奈(おおにし・さな)さん(写真右)
2024年総合心理学部卒業、同年イオンモール入社し、現職に。

「まちの□□ACTION!」で6つの取り組み

■イオンモールのSDGs
 ──まずはイオンモールとしての、SDGsへの取り組みの主軸を教えてください。
 三宅泰輔さん 弊社は地域の方々、お客さまと一緒に具体的な取り組みを推進していくことをマテリアリティー(重要課題)としています。現在は「まちの□□ACTION!」と銘打って、地域のお客さまと具体的な取り組みを進めているところです。この□□部分に「資源循環」や「いきもの+(プラス)」など6つの取り組みが入っています。

 ──「まち」というキーワードは、ショッピングモールという形態を重視されているからですか。
 三宅 おっしゃる通りです。そのうえで弊社ではサステナビリティの観点から、環境面では脱炭素社会の実現を目標にしています。2025年度は国内の全モールの使用電力を実質再生可能エネルギー100%にしようと取り組んでいて、こちらは達成を見込んでいます。2040年には直営モールの使用電力を100%地産地消にすることを目指しています。

■環境への取り組み
 ──地産地消というと、地元で発電もするということですか。
 三宅 はい。ここ幕張新都心でも実際にエネルギーをつくる取り組みをしていたり、エコな電力でお客さまの電気自動車に電気を提供したりしています。「V2AEON MALL」という、お客さまが自宅で発電された余剰電気を電気自動車を通じてイオンモールで放電してもらいポイントを提供するというサービスもしています。また、駐車場の屋根に太陽光パネルをつけることで、お客さまにとっては雨よけになったり、暑い日は日よけになったり、といったメリットを提供するなどの取り組みもしています。

 そのほかにも「資源としてあらゆるものを地域の中で循環させよう」という取り組みをしていて、プラスチック、衣料品、廃食油、建築資材、イオンモールを建てるときの資材も再生後のものを利用しようとしています。洋服の回収ボックスもモール内に設置しています。

 ──洋服は、イオンモールで買ったものではなくてもいいのですか。
 三宅 もちろんです。現在は外部企業と連携して回収品のリユース、リサイクルを行っていますが、究極はイオングループ内でプライベートブランド製品につくりかえるなど、完全に地域の中で循環する仕組みにしたいと思っています。

35年前から植樹に取り組んできた

(写真・イオンモール草津内の森=イオンモール提供)
■生物多様性への取り組み
 ──三宅さんは地域サステナビリティ推進部所属ですが、今されている仕事内容を教えてください。
 三宅 私は2023年に入社し、2026年3月まで滋賀県のイオンモール草津にいて、そこからサステナビリティ推進部に異動してきました。草津では、施設設備や専門店の入退店に関わる工事の担当をしていました。現在はおもに生物多様性や、イオンモールウォーキングなど健康の分野を担当し、「まちのいきもの+」や「まちの健やか+(プラス)」といった取り組みを主導しています。

 ──「まちのいきもの+」では、具体的にどういったことに取り組んでいますか。
 三宅 まず、イオンは長年植樹活動に取り組んでいまして、2026年で35周年になります。「植える・育てる・活かす」という3つの枠組みで、森づくりに取り組んでいます。新店をオープンする前にお客様と一緒に植樹祭を行い、植樹の1年後、2年後には育樹祭も行います。

 このほか、認証制度の取得なども行っています。国土交通省の「TSUNAGU認定」という企業の生物多様性、ウェルビーイングといった分野での取り組みを評価し、認定する制度があり、私もかかわっていたイオンモール草津での取り組みが2025年に認証されました。
(写真・イオンモール草津のビオトープ=イオンモール提供)
 ――どのような取り組みだったのですか。
 イオンモール草津は琵琶湖のそばにあるので、琵琶湖の湖岸や湿地を再現するビオトープを設置しました。ビオトープは東京のイオンモール多摩平の森にもありますが、それぞれ形が違い、各モールの特色ある自然に合わせた施設になっています。

 私は草津にいるときは緑地管理、オペレーション担当の管理をしていました。たとえば、周囲のイオンの森の定期的な剪定手配、自動灌水設備の実施といった緑地管理を行い、常駐の設備会社、協力会社と一緒に実際の森を見て回ったりしていました。

 ──なぜ、イオンモールは生物多様性を意識しているのですか。
 三宅 大型商業施設ですので、開発が地域の自然環境に与える影響が大きく、それを最小限にしたいという前提があります。さらに自然を再生していく、次世代につなげていくという思いもあり、生物多様性への配慮につながっています。SDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」にもつながる取り組みと考えています。

生き物調査で絶滅危惧種のトンボが見つかる

■今後の生物多様性への取り組み
 ──今は統括として、どんなお仕事をされていますか。
 三宅 質の高い緑地確保の取り組みに対して国土交通省が認定する「TSUNAG認定(優良緑地確保計画認定制度)」など各モールの認証制度のサポート、植樹祭の運営、植栽管理研修などをしています。各モールに緑地を見たり、管理したりする担当がいるので、我々としてはその仕事をサポートすることが仕事のメインです。草津でも取り組んできた分野なので、力を入れていきたいと思っています。

 ──新しくやろうとしている取り組みはありますか。
 三宅 「植える・育てる・活かす」という取り組みを継続するのはもちろんですが、今後は海外の「育てる・活かす」という取り組みを展開できないかと考えています。
「活かす」では、生き物調査をお客さまと一緒に実施します。「育てる」では植栽管理研修をしたり、現場の担当者のレベルを上げたりして、生物多様性に関する意識を高めます。こうした取り組みは、まだ海外ではできていない部分があります。国内と同じように広げていきたいのですが、まずは海外で展開するにあたって本当にその国でニーズがあるのか、皆さんがそういった環境への意識があるものなのかをリサーチをしたいと思っています。まだ「特にこの国で」と絞っていませんが、ベトナム、カンボジア、インドネシア、中国などにイオンモールがありますので、各エリアで取り組みが必要とされているかどうかというところからリサーチを始めたいと思っています。
(写真・イオンモール草津内で、巣立ちまもない子に給餌するスズメ=イオンモール提供)
■生き物調査
 ──草津勤務時代で、ほかに印象深い取り組みはありますか。
 三宅 地域の子どもたちが各店舗で職業体験をする「まちのお仕事体験」も行いました。イオンモールは全国にありますが、どこの地域でも後継者不足、地域の労働力不足が共通の社会課題です。子どもたちに地域の仕事を知ってもらうため、全国的に取り組んでいます。

 ──イオンに入っている専門店以外、街の店舗に対しても子どもたちを紹介するんですね。
 三宅 その通りです。基本的にはインフォメーションでの仕事体験、各店舗での仕事体験がメインですが、その中の1つとして「生き物博士体験」を草津でやりました。専門家を招き、イオンモール草津内の敷地で、網でバッタを捕まえたり、どんな昆虫や植物が生息しているかを調べたりしました。

 もともとイオンモール草津の敷地内に、お客さまと稲刈りができる田んぼをつくっていました。そこに昆虫や生き物がたくさんいたので調査したところ、「マイコアカネ」というトンボが見つかったのです。滋賀県のエリアでは 14年間見つかっていなかった絶滅危惧種だったので、専門家の先生もびっくりでしたね。

 これまで見つからなかった生き物がお客さまと一緒に行った生き物調査で見つけられるという、まさに生物多様性を感じる体験が提供できたと思います。我々がイオンモールを建てたときから緑地管理を継続してきて、その中で見つけられたことも意味があると考えています。

モールに行くだけで自然と健康になれる

■健康に関する取り組み
 ──「まちの健やか+」は、具体的にどういったことをされているんですか。
 三宅 弊社はもともとヘルス&ウエルネスプラットフォームの創造を掲げていましたが、その中でも特に健康分野に注力した取り組みが「まちの健やか+」です。 

 イオンモールが果たす役割を3つ掲げています。1つ目が「病気や障がいがあっても誰でも行ける」。2つ目が「イオンモールに行くだけで自然と健康につながる」。3つ目が「イオンモールの中だけではなく、地域全体が元気になる」。運動と食事と交流、この3分野に注力し、学術機関、大学と一緒になってエビデンスを蓄積しながら取り組んでいます。

 具体的には全国各地のイオンモールの中に「イオンモールウォーキング」というコースをつくったり、地域の体操教室、地域の高校生に栄養のあるメニューを考えてもらって、実際に飲食店で提供したりもしています。また、認知症の方、障がい者の方や家族の方が気軽につながる場を提供するため、各モールでさまざまな取り組みをしています。最近では夏の暑さに対応した、クーリングシェルターという指定暑熱避難施設としての機能を担っています。

 ──「イオンモールウォーキング」とはどんなものですか。
 三宅 全モールでウォーキングコースをつくり、そこを歩いてもらうと何キロ歩いたか分かるようになっています。イオンモールの中で皆さんに健康になってもらいたいという思いがあります。

空いている区画やイベントスペース活用を考える

■大西さんのお仕事
──大西さんは普段はどういったお仕事をされていますか。
大西沙奈さん 今は「イオンモール四條畷」の営業担当として雑貨、ホビー、サービスを担当しています。イオンモールに出店する専門店が売上を上げるためのサポートを行ったり、アセット活用担当としてモールの空間や設備、集客力という資産を生かし、モールの収益や来店いただいた方に対しての価値を向上させたりする取り組みをしたりしています。

──アセット活用とは、具体的にどういったお仕事ですか。
 大西 たとえば、空いている区画や共用部、イベントスペースを一時的に専門店や外部の企業に利用してもらい、双方の収益を上げます。お客さまに対しても「このモールは楽しいな」と思ってもらえるように、どういったイベントが入ったらそうした価値が上がるのかを考える仕事です。

──イベントや「〇〇祭り」といった企画を担当されるのですか。
大西 こちらから企画することもありますが、基本的には外部の企業が企画し、こちらの空いているスペースで実施します。

(後編につづく)

(写真・飯田かずな)

SDGsでメッセージ!

就職活動では自分が大事にしてきた経験、思いを振り返ってください。きっと皆さん、共通点や軸があると思います。SDGsに関しても、特別なこととしてではなく、自分はどのように社会をよくしていきたいかといった視点で考えるのも1つだと思います。仕事を通じて身の回りや社会にどう関わりたいかを描いて、そういった部分を大切にして納得できる選択をしてください。(三宅さん)

イオンモールは単に買い物をする場所ではなく、地域の人々が集まったり、日常を過ごしたりする生活の拠点としての役割を担っています。防災、地域の生活環境、地域課題に対して地域に根差す商業施設だからこそできる関わり方があります。これから社会に出る皆さんには仕事、働くことを通して、社会とどのように関わりたいのかを考え、自分のやりたいこととマッチする会社を見つけてもらえればと思います。(大西さん)

イオンモール

【不動産業】

当社はイオングループの中核企業として大型ショッピングモールの開発・運営を行い、日本国内、中国、アセアンに約200施設を展開しています。2030年に向けて「イオンモールは、地域共創業へ。」のビジョンを掲げ、自治体や他業種企業など、広くパートナーの皆さまと協力することで、地域の課題を解決し、より豊かな暮らしを実現するための変革を進めています。