
■熱中症への取り組み
──前編では、奥山さんが取り組まれている熱中症対策の活動についてうかがいました。それに関連して、今具体的に奥山さんがなさっている業務を改めて教えてください。
奥山元博さん 熱中症対策に関する普及・啓発の一環として「熱中症対策アンバサダー®講座」の企画・運営を担当し、中央省庁や日本スポーツ協会などの関係団体とも連携しながら活動しています。当社が製品開発などを通じて蓄積してきたエビデンスに基づく情報を活用し、関係団体と連携した情報発信を行うことで、より多くの方々に正しい知識を届ける取り組みを進めています。
政府でも熱中症対策への取り組みが進む中、当社もこれまで培ってきた知見を活かし、2023年には環境省初となる熱中症対策の推進に関する連携協定を締結しました。翌年には、環境省が所管する環境分野の政策実施機関である独立行政法人環境再生保全機構とも同様に連携協定を締結し、より多くの方々に熱中症対策の重要性が広く浸透するよう、取り組みを進めています。
──この連携によって、どのようなことをされているんですか。
奥山 環境省と熱中症に関する啓発リーフレットを連名で作成しています。また、大塚製薬は47都道府県をはじめ、800以上の全国の自治体と健康に関する包括的な連携協定を締結し、地域に根差した健康啓発活動を実施しているのですが、独立行政法人環境再生保全機構にも熱中症をテーマとした健康会議(地域の健康課題を解決するために、自治体や地域の関係者と連携して取り組みを行うことを検討・推進する会議)に参加いただいています。さらに、農林水産省とも連携し、熱中症啓発に関するリーフレットを共同で作成・発信するとともに、同省のホームページにも掲載いただくなど、農業従事者に向けた熱中症対策の普及啓発にも取り組んでいます。
■今後の熱中症対策の啓発
――ほかにはどういったことをされていますか。
奥山 学校現場で活用いただける、熱中症に関する教材の作成にも取り組んでいます。学校の安全管理の観点からも、熱中症に関する教育は重要ですが、先生方は日々非常に多忙です。そのため、当社が持つ熱中症に関する知見をわかりやすく整理し、先生方の負担をできるだけ増やさずに、生徒に提供できる形にできないかという考えのもと、教材を開発しています。
──熱中症啓発の活動でハードルになりそうなことはありますか。
奥山 民間企業である私たちは、事業活動を通じて得られた知見やエビデンスを、人々のウェルビーイングの向上に資する形で提供し、啓発活動につなげています。そのため、公的機関である省庁や自治体と連携することは、当初は必ずしも容易ではありませんでした。ただ、30年以上にわたり熱中症対策の啓発活動を継続してきた中で、これまでの取り組みの成果や蓄積してきた知見、経験を評価いただき、現在では徐々に連携の幅が広がってきていると感じています。
──競合他社との違いはどのようにアピールしていますか。
奥山 私たちは、エビデンスに基づく製品開発から得た知見を活かした取り組みが大きな強みです。30年以上にわたる熱中症対策の啓発活動を通じて蓄積してきた知見を活かし、今後も情報発信と取り組みを推進していきます。