
■日本IBMのサステイナビリティービジネス
──まず、御社が手がけているサステナイビリティー・ビジネス、中でもお2人の活動内容について教えてください。
槇あずささん 私たちが手がけているサステイナビリティー・ビジネスには、コンサルティング部門、テクノロジー部門、リサーチ部門があります。コンサルティング部門はグリーン、環境分野でお客さまをサポートするビジネス、中でもやはりCO₂を削減しカーボンニュートラルへ対応すること、そして適切に資源を循環させていくことをお客さまと一緒に実現していくサポートが重要と考えています。
日本は資源小国で、経済安全保障の観点からも資源を循環させ、大事に使わないといけません。その中で私たち2人が強みにしているのは、サプライチェーン(原材料から製品販売までの一連の流れ)全体をとらえたコンサルティングです。たとえば、製品の製造過程でどのようにCO₂が出ているのか=カーボンフットプリントはどのぐらいなのかを世の中に提示して、「カーボンフットプリントを提示している企業のものを買おう」と社会の関心度を上げたり、どうしたら削減する努力ができるのかをお客さまと一緒に考えていったりするサポートをしています。
また、ペットボトルや食品トレイ、家電製品など法律が整備されているものは資源が循環できていますが、それ以外のものは基本的に使いっぱなしという状態になっています。私は、将来的にはゴミをゼロにできるようなサプライチェーンをどう作っていくかも考えています。さらに、再生できる材料がいつどこでどれくらい調達できるか把握するのが難しく、生産工程に入れることが難しい。ここを把握できるように、トレーサビリティーをとって可視化し、再生材をきちんと使えるサプライチェーンを構築していくということも支援しています。
■サステイナビリティービジネスの仕組み
──御社はいつごろから、サステイナビリティー関連のビジネスに力を入れるようになったのですか。
槇 お客さまからの要望が目立つようになってきたのは2019~2020年ごろだと思います。グローバル全体でもサステイナビリティーが企業の一つの課題になってきて、そこに対して私たちはテクノロジーの観点からご支援できるのではないかということを考えるようになりました。
サステイナビリティーと一言でまとめるのは簡単ですが、サステイナブルを実現するためにはファイナンス、サプライチェーン、人事などすべての業務がサステイナブルになるべきです。私たちはすべての業務にテクノロジーを活用するように、すべての業務にサステイナビリティーの観点を入れていくべきだと考えています。そのためサステイナビリティー専門の部署を作るのではなく、サプライチェーンにもサステイナビリティー担当がいる、ファイナンスの中にもサステイナビリティー担当がいる、業界別のチームにも担当がいるという形にして、そこに横串としてバーチャルチームのようなものをつくり、全社的に推進ができる体制にしています。
私はサプライチェーンの担当をしながら、そのタスクフォースのリーダーをしています。横串を通すと、調達部門だとこういう課題がある、製造部門だとこういう課題があると、それぞれの部門から上がってくるサステイナビリティーの課題をクロスしてソリューションを一緒に考えます。そうすることで、お客さまの課題が解決できるようになるのです。