SDGsに貢献する仕事

JTB

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JTB〈前編〉地域の課題を交流の力で魅力に変える【SDGsに貢献する仕事】

2026年02月25日

 SDGs(持続可能な開発目標)関連の業務に携わっている若手・中堅社員に直撃インタビューする「SDGsに貢献する仕事」。第32回は、創業114年の歴史を持つ旅行最大手のJTBが登場します。「人々の交流を創造し、平和で心豊かな社会の実現に貢献する」をグループのミッションに掲げ、旅行を基軸に人の交流をはぐくむ取り組みを幅広い方面に仕掛けているJTB。全国47都道府県にいる「観光開発プロデューサー」としてサステナブルな観光拠点作りに奔走する社員、廃棄食材を高級缶詰に生まれ変わらせるプロジェクトを手がけた社員にじっくり話をうかがいました。(編集長・福井洋平)

【お話をうかがった方のプロフィル】
高松支店 観光開発プロデューサー 山田裕木(やまだ・ゆうき)さん
2008年龍谷大学経営学部卒業、同年JTB入社。大阪、広島、上海を経て2013年に高松支社、2023年に観光開発プロデューサーに。

ビジネスソリューション事業本部 第三事業部 営業第三課グループリーダー 小糸美鈴(こいと・みすず)さん
2016年中央大学総合政策学部卒業、同年JTB入社。東京で法人営業を経験し、2021年より社内新規事業開発組織である未来創造部会兼務に。

旅行商品をつくるまえに、地域のことを深く考える

■観光開発プロデューサー
 ──山田さんは「観光開発プロデューサー」ですが、これはどういった仕事をする職種なのですか。
 山田裕木さん JTBは全国の都道府県に支店があり、各都道府県に必ず一人は観光開発プロデューサーがいて、観光誘客や地域活性化の開発にたずさわっています。私たちJTBは地域が抱えるさまざまな課題を国内外から人を呼び込むことで解決する、つまり新たな交流を創出する=「交流創造事業」を手がけていて、観光開発プロデューサーはその専門職なのです。
 行政からの依頼を受けて動くこともありますし、自らが観光の魅力を掘り起こして事業を生み出し、地域とつなげるといったこともしています。私は2023年に観光開発プロデューサーになりました。

 ──それまで高松支店ではどういったお仕事をしていたのですか。
 山田 「法人営業」と呼ばれる社員旅行などの仕事を担当しながら、当時から行政と一緒に観光を促進する案件も担当していました。

 ──高松支店では、どのような提案をされてきたのですか。
 山田 沖縄や北海道のように観光地として成り立っていれば、幅広い提案が出来るのかもしれません。でも香川独自の魅力というと、「うどん」のイメージが強いため……。「香川県も海もあれば山もあって、めちゃくちゃ魅力的だよ」と言っても、「それって日本なら全国どこでもそうじゃないですか?」となってしまう。旅行商品をつくる前段階として、「ここはどういう地域なのか」を考えなくてはいけません。
 では、何をやるべきか。地域づくり、まちづくりは一朝一夕でできることではなく、使えるお金にも限りがあります。そこに住んでいる地域の皆さん、あるいはそこを応援したいと思う方々と一緒に盛り上げていく形にしないと、持続可能なエリア、抜本的な解決にはならないと思いました。

 ──なるほど。JTBとしての理念もそこにあるわけですか?
 山田 そうですね。私たちの「交流創造事業」は、地域や旅行者、いろいろなものをつなげることによって新たな価値を創造していく事業です。まさに今やっていることは、地域の課題を交流の力で魅力に変えていくことそのものだと信じています。

地元のネットワークをいかした旅行商品開発

■海の観光資源開発
 ──高松支店では、瀬戸内海の島巡りのツアーを手がけられていますね。
 山田 チャーター船を使って島巡りをする「SICS(瀬戸内アイランド・コンシェルジュ・サービス)」というサービスを2019年から手がけています。

 ──香川、高松の観光資源を、海にも増やしていこうとされているんですね。
 山田 香川県は島巡りに力を入れています。3年に一回、瀬戸内国際芸術祭という日本最大のアートの祭典があり、「瀬戸内を中心としたアイランドホッピングに行きたい」という需要はインバウンドも含めてかなり強いと思っています。
 ただ、定期航路と言われるフェリーや高速艇は基本的に高松発着なので、島から島へ移動することは実際には難しいのです。仮に3日旅行期間があっても、島に行くと一回高松に帰る必要があり、2島くらいしか行けないんですよ。期待値が高いぶん、もったいないことです。また、交通手段が定期航路に限られるとオーバーツーリズムの問題も深刻になります。2019年の瀬戸内国際芸術祭でこの問題は顕著になり、旅行者をどう分散させるかという課題も出てきました。
(写真はJTB提供)
 ――早い段階から、オーバーツーリズムの問題に向き合ってきたのですね。
 そこで「チャーター船を使って、アイランドホッピングをしましょう」とアピールし、利便性を発信することが必要と考えました。これが「SICS」です。チャーター船は漁協や小さい会社が運営しているところが多く、予約方法も電話だけだったりして、申込みのハードルが高いのです。私たちは漁師さんや地元のネットワークに人間関係があるので、そういうところとリレーションを組んで、JTB の安心感とともに普及促進ができたら旅の過ごし方が変わってくるのではないかと考えています

 ──どこに観光客は集中するのですか。
 山田 直島、豊島、小豆島ですが、芸術祭期間中は全島ですね。観光客が船に乗れなくなる問題もありますが、一番問題なのは生活で船を使っている島の住民が乗れなくなることです。オーバーツーリズムで事業者が疲弊するのは仕方がないにしても、そこに住んでいる、そこで暮らしている人たちが日常生活に困るのが問題です。
地元の漁師さんは遊漁船などの船を持っていますし、そんな船が活躍してくれたら今までの課題が一気に解決できるんじゃないかと考えています。漁協にとっても新たなモチベーションとなったり、所得の面でも改善されたりするかもしれません。瀬戸内にお金を落とそうとしている人は集中的に来ているので、これは香川でしかできない新たな価値創造だと思います。

 ――昨年は大きな動きもあったそうですね。
 山田 2025年8月に、市場の真ん中にJTB所有の桟橋をつくりました。これは画期的なことで、「どうやってつくったんですか?」「すごいですね」 とよく聞かれます。この桟橋を拠点にして島巡りをしたり、島巡りから帰ってきた時には高松の港にある高松中央卸売市場内「うみまち商店街」で食事をしてもらったりして、にぎわいのある場所になればという思いでつくりました。

 ──桟橋をつくる! そこまでするんですね。
 山田 そうですね。まずはやってみないと皆さんに本気度が伝わらないので、「JTBは動きます」と発信する。そうすると漁師、漁港、漁協の人たちも面白がってくれて、「じゃあ、桟橋発着の漁業体験をやろうか」と新しい仕掛けを生み出そうというムードになってきています。
 旅行会社的な発想からは「漁師体験や漁業体験を提供できれば、魚の売り上げに変わる新たな所得になります」という話をするのですが、地元のみなさんは概念的には理解してもらっても「それって本当に収益になるの?」と半信半疑なんですよね。「面倒くさくない?」「手間もかかるし」という雰囲気があるし、私自身も正直やってみないとわからないので、まず自分たちがやってみる、動くことを心がけています。資金がない中でも、一緒に体験しながら気持ちを高めていくことを大切にしています。

漁業を「すごくいい仕事」にしたい

(写真はJTB提供)
■「クセモノズ」とは
 ──いま力を入れている「クセモノズ」について教えてください。
 山田 流通されづらい食材や市場の魚、地元の野菜などを活用するレストラン、コミュニケーションスペースです。先ほど言った「うみまち商店街」にあり、たこ焼きやカレーなどを提供しています。取り組みを広めるため、物販にも力を入れています。

 ──このプロジェクトはどのようにスタートしたのですか。
 山田 2024年の2月に高松市、JTBの間でにぎわいづくりの包括連携協定を結びました。市場のにぎわいをつくりだす一環が、このプロジェクトなんです。

 ──高松市からJTBにはどんな依頼がありましたか。
 山田 包括連携協定は5つの事項があり、その中でも市場のにぎわいづくりのための旅行商品をつくったり、高松への集客への仕掛けを期待されています。

 ──高松中央卸売市場はどういう市場だったのですか?
 山田 水産、花卉(かき)、野菜といったものが全国から集まり、そこから各スーパーなどに卸されていく場所ですが、「賑わいがない」というのが課題となっていました。市場というと全国的にも老朽化が問題になっていて、高松市中央卸売市場もその一つです。高松市は市場を一度全て取り壊して、新しく水産棟をつくったり、ホテルを建てたりして、単なる流通の場所ではなく観光の拠点としても機能させるといったことを思い描いていました。その一助になりたいということで、 JTB は包括連携協定を結びました。
 ただ、問題はもう少し深いところにあると私は思いました。そもそも高松の漁業は売れる魚が獲れなくなり、全国的にも漁獲量が35年前と比べると3割まで減って、稼げない仕事になっています。漁師の親も子にほかの仕事をすすめるような状態で、漁師の数も減っているのです。私は漁師がカッコいい職業だと思っているので、「漁師はすごくいい仕事だよ」と言えるようになってほしい。そう考えると、市場の再整備もハコモノをつくるのではなく、漁業の在り方や見られ方そのものを変えていく必要があります。とはいえ私たちはゼネコンではないので、地域の合意形成や地域づくりに力を入れていくことが大切なのではないかと考えました。

タコ壺オーナー制度きっかけに関係深まる

■市場との関係
 ──最初に「高松市中央卸売市場を活性化しましょう」というアイデアを地元関係者に持っていった時の反応は、どんな感じだったんですか?
 山田 好意的でしたが、どこまで本気度があるのかは半信半疑だったと思います。関係性を深めようと、地域のお祭りがあったらなるべく顔を出していきました。
 信頼は社名で得るものではなく、お金を出して得るものでもなく、「本当に一緒にここを盛り上げたいんだな」というところだと思います。特に地元で商売をされている方はそういう思いが強いと思うので、究極的な人間関係をつくることを意識していますね。

 ──コロナ禍の時は大変でしたか。
 山田 大変でしたが、実はコロナ禍で市場との関係ができました。当時は旅行商品として売るものがほぼなく、「どうしようかな」と考えたときに、香川の伝統漁法であるタコ壺漁が思い浮かびました。タコ壺を200基ぐらい海に沈めて、3日ぐらいたったら引き上げる漁なのですが、そのタコ壺のオーナーをオンラインで募集し、タコが入ったらクール便で送る、入らなかったら残念でしたというゲーム性のあるオーナー制度です。
 高松市中央卸売市場長にアポを取ってアイデアを説明したら「君、面白いな」と言ってもらい、いろいろな話をするようになり、再開発の話をお聞きすることにつながりました。結局、タコ壺オーナー制度は実現しませんでしたが、それがなければ市場との出会いもなかったと思っています。いまでもタコ壺オーナー制度はウケると思っていますが。

■「クセモノズ」のコンセプト
 ──「クセモノズ」という、流通しづらい魚を提供しようというアイデアはどのように生まれてきたのですか。
 山田 高松の漁獲高が減っている理由は、未利用魚が増えていることも要因です。高松の漁は底引き網で、網をローラーで巻き上げて、そこにマダイが入っていたら合格。でも、そこにエイが入ることもあります。水族館なら人気者ですが、食べるとなると下処理も大変だし、流通しないから海に返さないといけない。しかも機械を壊すくらい強い魚なんです。漁師さんは「何しよるか分からん」と言っています。
 そこで、私たちがこの取り扱いづらい地域の曲者たちを宝物にして、観光の新たな魅力として発信していこうと考えました。「アカエイも料理しましょう」「誰もやらないなら、私が一生懸命やります」という順番でした。

 ──一番の問題魚はエイですか?
 山田 エイとハモ、チヌ(クロダイ)は厄介者とされているようです。ハモは高級魚として京都や小豆島では「小豆島鱧」として扱われるのですが、食材として加工するには手間ひまがかかります。需要と供給が合ってないと、結局未利用魚になるのです。また、ハモは「食肉魚」と言われて歯もガチガチと堅く、ほかの魚を食べてしまうんです。チヌ(クロダイ)に関しては、広島や香川でカキが取れないのは、チヌが養殖のカキを食べてしまうのも要因の一つなのではないかと思われます 。地球温暖化が進めば進むほど、こうした強い魚が増えると考えられています。
 一方で、こうした魚もちゃんと調理をして、食べればおいしいわけですよね。地球温暖化を防ぐためにさまざまな取り組みを企業レベルですることも大事ですが、こうした新しい環境の変化に人間が順応していくことも必要だと思います。地球環境が変わるのであれば、人間も順応していく。その中での香川の新しい観光の魅力を発信できればいいと考えました。

培ってきた地元とのつながりが力になる

■「クセモノズ」での苦労
 ──「クセモノズ」はいつオープンしましたか。
 山田 2024年の5月2日です。
 
 ──開発にあたって一番大変だったのは。
 山田 もう、大変なことしかありませんでした。取り組みとしては「いいよね」と皆さんに思ってもらえるのですが、「じゃあ、それを食べたい」と思えるかというと、全然そこはイコールではありませんでした。
 しかも、飲食店自体は私は素人です。提供するもののクオリティを上げつつ観光資源としてもアピールするのは、すごくハードルが高かったです。

 ──「突破したな」と思った瞬間は?
 山田 いや、まだ全然渦中なので「突破したな」という感覚はありません。でも、JTBグループの影響力は強いと思っています。他支店の営業が「山田がやっていることなら、香川に行くときはクセモノズを提案に入れるわ」と言ってくれたり、本社の社員も応援してくれます。

 ──横のつながりがあるんですね。
 山田 それも仕組みの強さというよりは、人と人とのつながり、絆の強さだと思います。JTBは地元の旅館やホテルの皆さんをすごく大事にしています。今はネットから旅行予約をする人も多いですが、そんな中でもなぜJTBを選択してくれるかと言うと、過去から大切にしてきたつながりや絆があるからと言っていただく機会があります。「やっぱり、それでもJTBと一緒にやっていきたい」「JTBと頑張りたい」とホテルが言ってくださるのは、自分がいち事業者になってみて、一段と実感しました。

 ──メインのメニューはなぜたこ焼きなのですか。
 山田 最初はビュッフェのようなスタイルを取っていて、そのメニューのなかにたこ焼きを入れていました。料理人の採用は専門外ですし、たこ焼きだったらいざとなれば私でも焼けるかなと考えたんです。魚のアラを出汁にしたり未利用魚を入れたりして工夫しています。課題は日々ありますが、応援してくれる方も多いので、たこ焼きを出したり、刺身定食を出したり、やれることは全部やっています。

小学校の子どもたちと共同でカレー開発

■「クセモノズ」のレトルトカレー
 ──物販もされているとのことですが、どのようなものですか。
 山田 レトルトカレーを小学生とつくり、販売しています。これまで「香川本鷹とタイっぽいカレー」「瀬戸内鱧(はも)とカレー。ときどきトマト」を出し、おかげさまで完売。2026年1月末からはアカエイカレーを使った「アカエイがカレーにダイブした日」を第二弾として発売しました。

 ──本鷹って何ですか?
 山田 「香川本鷹」という世界で一番辛いと言われるハバネロみたいな唐辛子で、香川県の本島という島で採れる希少価値の高いものです。こちらも担い手不足で、香川本鷹をつくる人たちがいなくなるかもしれないので、食材として採用して、広めて、「香川本鷹ってすごくいいよね」とアピールしたいと考えています。
これらのカレーは、子どもたちが食材を考えてくれたんですよ。
(写真はJTB提供)
 ──すごいですね! どうやって子どもたちが考えたんですか?
 山田 小学校の先生から「今、社会や水産業がどんな悩みを抱えているかを勉強したい」と私に相談の電話がかかってきたことがきっかけです。教室に行ってみたら、水産業に関わる子どもたちがつくったまとめが壁中に貼ってありました。「子どもたちに社会に直結するようなことを学ばせたいのに、実は社会に触れる場を十分に提供出来ていない。JTBさん、よかったらうちの子どもたちと一緒に何か事業をしてくれませんか」と相談を受けて、私からもぜひ、お願いしますという話になりました。計7回ぐらいの授業で食材を選び、どこで売るかを考え、試作品をつくり、高松空港で販売お披露目会を開き、子どもたちがスピーチをしました。商品の名前も子どもたちが考えています。

 ──いつ開発されたのですか。
 山田 先生が2024年の6月18日に市場に来られて、販売したのが2025年の3月6日です。2000食ずつつくりましたがおかげさまで一年弱で売り切れたので、第2弾をつくろうということになりました。本当は同じ商品をつくりたかったんですが食材の仕入れのタイミング的にもう同じものは二度とつくれないという結論に至って、今度は持続的に自走できる、売れたら量産もできる形でやろうということで、アカエイカレーになりました。

 ──なぜ、カレーだったのですか?
 山田 オープンから数か月経ったときに、ロスが出ることがクセモノズでも課題となっていて、 これは「言っていることと、やっていることが違う」となり、カレーだったら継ぎ足し方によってはロスが出ないということで、カレーになりました。本当はお寿司とかを出したいのですが、サステナブルに噓をつかないことが大事だと考えました。
(山田さんの高松支店での取り組みに関する社内記事はこちらから
動画はこちらから

廃棄される野菜類を缶詰に生まれ変わらせる

■ロス旅缶とは
 ──小糸さんは何年入社ですか?
 小糸美鈴さん 私は2016年入社です。今年で10年目になります。入社からずっとビジネスソリューション事業本部の第三事業部にいます。ここは法人営業を手がけていて、企業の旅行、M&E(ミーティング&イベント)、プロモーションなどを幅広く手がけています。そして、規格からはずれた野菜を活用した缶詰「ロス旅缶」の事業も担当しています。

 ──なぜ、JTBが缶詰を?
 小糸 私もまさか、入社して缶詰の事業をやるとは思いませんでした。先ほどコロナの話が出ましたが、コロナの間にJTBの交流創造事業が止まったタイミングがありました。コロナ禍で休業になり、2週間くらいの休みがありました。それまで人との交流やイベントを手がけていたので、「この期間で何をしよう」と考えました。
 私の実家は野菜を中心に農業をしているので、久しぶりに農業を手伝いました。先ほど未利用魚という話がありましたが、農家も規格外の野菜がものすごく多く、生産量のうち3割ぐらいは市場に出すことができず、農家で廃棄しています。

 ──そんなにあるんですね。
 小糸 それも廃棄する過程で農家が燃やしたり、ゴミで捨てたり、畑の土に埋めたりとかするんですよね。そういう廃棄の仕方を見て、「ものすごい期間をかけて育てた野菜を何か他のことに使えないのかな?」と思ったことが最初のきっかけです。

 ──ご実家ではどういう野菜をつくっていますか。
 小糸 夏はトマト、キュウリ、ナスなどの夏野菜、冬は小松菜、ほうれん草といった葉物野菜を育てています。葉物はすごく難しく、少しでも虫に喰われたり、穴が開いていたりすると、それだけでB級品になってしまいます。冬の時期は葉物野菜の規格外が多いですね。根菜も曲がっていると廃棄されます。

 ──なぜ、缶詰にしようと?
 小糸 野菜は賞味期限が長くても1週間ぐらいなので、より賞味期限が長く、おいしく食べられるものに変えられないかと考えました。レトルトや缶詰は防災・備蓄品にも使われるぐらい賞味期限が長く、平均が2~3年ぐらいです。それに変えることで、よりおいしい味を長く楽しんでもらえると思いつきました。缶詰は常温保存ができるので冷蔵での保存が必要なく、電力が抑えられる、環境にも優しいので、缶詰にチャレンジしてみようと思いました。

(後編はこちらから

(インタビュー写真・岸本絢)

SDGsでメッセージ!

 今の時代は良いことも、良くないことも、いろいろなことが最も早いスピードで変化していると言われています。今後はJTBなのか、他の会社か分かりませんけれども、新しい世界に飛び込んでいくのであれば、かなり先の未来を見据えて決めた方がいいんじゃないかなと思っています。そういう意味ではJTBは20年、30年先の地域の在り方などを見据えながら、いろんな事業をやろうとしていますので、ぜひ興味があれば JTB を受けていただければと思っています。お待ちしています。(山田さん)

 今は就職活動で大変な時期だとは思うんですけれども、いろんな会社があると思いますが、入った先がゴールではなくて、そこからがスタートだと思います。その会社で何をしたいか、どんな課題を解決したいのか、どんな仕事を担いたいかがすごく重要です。その中で、JTBは交流創造事業をグローバルに展開していますので、世界中の人々の感動を生み出したりとか、交流を生み出したりしたいという方がいらっしゃったら、ぜひ JTB を選んでいただけたら嬉しく思います。 私たちは就活生の皆さんを応援しています。(小糸さん)

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【旅行業】

 JTBグループの事業ドメインは「交流創造事業」です。交流とはすなわち“つながり”です。“つながり”が生み出す価値は無限です。旅行者と地域、企業と地域、旅行者と企業、あるいは日本と世界、リアルとバーチャルなど、つながりは多様です。そして、つながりが増えるほどイノベーションが生まれ、共創による社会課題の解決にもつながります。あらゆるステークホルダーを“つなぐ・つくる・つなげる”ことで、地球を舞台に「新」交流時代を切り拓いていきます。