SDGsに貢献する仕事

博報堂DYグループ

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博報堂DYグループ〈後編〉「いいじゃん、やってみなよ」と後押し【SDGsに貢献する仕事】

2026年01月28日

 SDGs(持続可能な開発目標)関連の業務に携わっている若手・中堅社員に直撃インタビューする「SDGsに貢献する仕事」の第31回。広告会社大手の博報堂や大広などが中核の広告グループ、博報堂DYグループの後編をお届けします。今回お話をうかがったお2人はともに博報堂に入社し、自分のやりたいことを「いいじゃん、やってみなよ」と後押ししてくれる社風の下でキャリアを積み重ねてきました。広告業界で働くやりがい、就活生へのメッセージについてもうかがいました。記事は下記よりご覧いただけます。(編集長・福井洋平)

【お話をうかがった方のプロフィル】
博報堂DYホールディングス サステナビリティ推進室マネジメントプラニングディレクター 豊嶋帆奈美(とよしま・ほなみ)さん
2013年、商学部卒。インフラ会社を経て、2019年博報堂入社。営業職を経て2024年より現職。

博報堂 ストラテジックプラニング局 マーケティングプラナー 松村和(まつむら・のどか)さん
2020年慶應義塾大学法学部卒、同年博報堂入社。メディアプラニング職を経て、2023年より現職。社内プロジェクトの「博報堂キャリジョ研プラス」でも活動。
(前編はこちらから

3日間かけフィールドワークにも取り組む

■「ミライ」の取り組み
 ──前編では「Hasso Camp」の通常版プログラムを中心にお話をうかがいましたが、もうひとつのプログラムである「Hasso Camp Projectミライ」(ミライ)についても教えてください。
 豊嶋帆奈美さん 学校単位で行う「Hasso Camp」通常版と違い、高校生が個人で応募できる公募制のプログラムです。。長期休暇期間中(2025年は8月に実施)に3日間かけて専門家による講義やフィールドワークを経て、そこで得た刺激をもとにアイデアを発想するワークショップです。2025年は「生物多様性とまちづくり」というテーマのもと、社内外の専門家とともにプログラムを作成しました。実際に東京・竹芝の干潟でフィールドワークも実施。都市における自然との共生を肌で感じてもらえる内容に仕上げました。

 ──3日間で何人ぐらい参加するのですか。
 豊嶋 今年は40人ぐらいでした。定員以上の応募をいただいたため抽選しました。全員を受け入れられなかったのが非常に心苦しいです。

 ──どういった流れで進みますか。
 豊嶋 まず講義やフィールドワークにより知識をしっかり入れるというフェーズがあり、次に生徒自身の内面、どういうときにワクワクするのかを掘り下げていきます。それから実際に今ある課題と掛け合わせて、アイデア発想に進むという流れです。
(写真は2025年の「Hasso Camp Projectミライ」の様子=博報堂DYグループ提供)
 ──今回はどんなアイデアが出てきましたか。
 豊嶋 東京・竹芝で、生物多様性と街を両立させるためのアイデアを考えてもらったのですが、面白い視点がたくさんありました。都会と自然が背中合わせの土地で、スマホを持たず自給自足キャンプをして現状の環境を知ることや多様性の回復につながる活動もコンテンツにしてしまう案や、高校生がハマるコンテンツとの大胆な融合などがありました。生徒にとってはまだ自然を守ることが意外と身近ではないため、まずは体験して、今何が起きているのかを知ることで、興味関心を高めて環境保護につなげるというようなアイデアですね。

■「ミライ」での手応え
 ──3日間、接するときに気をつけられたことは。
 豊嶋 生物多様性や街づくりというテーマはアンコンシャスバイアスと同じく、大人側もまだ答えを持っているものではありません。自分は大人だからという気持ちではなく、高校生と同じ土俵で接したり、考えたりするようにしていました。

 ──このテーマはどなたから上がってきたんですか?
 豊嶋 2023年に「生物多様性に向けた23のアクション」が策定され、その日本語版である「生物多様性枠組スマート版」を博報堂DYホールディングスがクリエイティブボランティアとして制作しました。そのときの担当の強い想いもあり「生物多様性」と私たちの暮らしの両立を目指す「生物多様性とまちづくり」がテーマになりました。
(写真は2025年の「Hasso Camp Projectミライ」=博報堂DYグループ提供)
 ──プログラムを通じて、参加者の変化は感じますか?
 豊嶋 最初は別々の学校から参加し、社員も同じチームにいるので、緊張して 自分のことを伝えるのを躊躇している人もいました。しかしフィールドワークに行ったり、一緒に活動をしたりすることでどんどんほぐれて、会話が増えていく。3日目は本当に和気あいあいというか、チーム全体でコミュニケーションを取っていると感じられて、すごく嬉しかったです。

 ──「何か持って帰ってもらえたな」という手応えはありましたか?
 豊嶋 アンケートで「自分たちのアイデアに点数をつけるとしたら?」ときいたところ、社員も高校生も高い点数をつけていました。その理由は「考え抜いて、自分の全力を出し切ることができたから」と。3日間必死に頭に汗をかきながら、答えのない問いに妥協せず向き合ってくれたことが伝わりました。

競争力の源泉は人、人中心のESG施策を

■豊嶋さんのお仕事
 ──Hasso Camp以外の業務についても教えてください。豊嶋さんの所属するサステナビリティ推進室はどんなお仕事をしていますか。
 豊嶋 グループ全体のサステナビリティを推進していく立場です。サステナビリティといっても範囲は広く、環境分野、社会分野、ガバナンス分野といういわゆるESGの3分野にわたります。グループ各社のサステナビリティ担当者と連携を取りながら進めています。

 ─―広告会社業務とサステナビリティは、どのようなつながりがあるのでしょうか。
 豊嶋 弊社は特に人が競争力の源泉ですので、「人を活かす」取り組みを行っています。一人ひとりの違いや個がちゃんと生かされる風土づくりとしてのDE&Iの推進やワークスタイル変革、またグループ横断の研修にも力を入れています。

 ――豊嶋さんはHasso Campのほかにどういったお仕事をしていますか。
 豊嶋 統合報告書という、株主や機関投資家向けに発表するレポートの制作業務や外部評価対応などです。外部評価対応とは、「サステナビリティにどのくらい対応しているか」環境分野、社会分野、ガバナンス分野のグループ内の取り組み状況を取りまとめて外部評価機関に回答します。

 ──御社の取り組みのアピールポイントは?
 豊嶋 やはり人が資産であり競争力の源泉であることです。①粒ちがいの能力を持つ多様な「個」の力を引き出す、②互いに高め合う「チーム」の力を引き出す、③高度なクリエイティビティを生み出す、という3つの観点から人材育成を推進していて、自発的な成長を促す幅広い学習機会の提供や、共創する組織カルチャーの醸成、生活者発想をもとにしたクリエイティビティの向上に取り組んでいます。グループ間の交流も積極的に行っています。

■力をいれていること
 ──普段のお仕事の中で一番力を入れていることは何ですか。
 豊嶋 新しくできたHasso Campを安定稼働させることです。より多くの社員に参加し続けてもらうための仕組みづくりを考えています。

 ──その実現にむけて今、感じているハードルはありますか?
 豊嶋 ありがたいことに学校側からの訪問依頼がたくさんある中で、忙しい社員にどうバランスを取って参加してもらえるかや、生徒も社員も両方嬉しいというプラットフォームをどうつくるかを考えています。

 ──学校側はどうやってHasso Campを知るのですか。
 豊嶋 「探究学習」と検索して、サイトを見て申し込んでくださることが多いです。学校では探究学習になかなか取り組めないから、企業で一回やってみたいという要望が多いですね。

チーム組んで仕事、意見は自由に出す

■豊嶋さんの営業職時代
 ──豊嶋さんは以前、博報堂で営業職をされていたそうですが、どのような仕事をされていましたか。
 豊嶋 私は制作周りの進行を担当していました。クライアントの今期の目標に合わせて戦略の方針を作り、それを元にキャッチコピー、映像、広告のビジュアル、その他イベントを実際につくっていくプロジェクトマネジメントでした。

 ──その仕事とマーケティングとは、どのように連携するのですか。
 豊嶋 マーケティングプラナーにチームに入ってもらって、一緒に動いていきます。基本的にはそれぞれの専門家とチームを組んでプロジェクトを進めますが、打ち合わせのときは自分の職域関係なく、どうやったらよくなるかというのを意見を出し合いながら進めていますね。

 ──営業時代に印象深かった仕事はありましたか?
 豊嶋 新商品の発売に向けて半年ぐらい前から企画が動くのですが、3カ月ぐらい前に全部やり直しになったことがありました。残りの3カ月で一からつくり直さなきゃいけない。前職のインフラメーカーでは仕様を固めてから発注があるので、前提がひっくり返ることはまずないため非常に驚きました。商品のサイクルが早いものは状況に合わせてつくり変えなければいけないとマーケティング業界の洗礼を浴びました。本当にチーム総動員、全力で乗り切ったというのは、すごく大変でしたし、いい経験でした。集中してやるからこそ芽生えるチームの信頼関係もありますし、クライアントとの関係性もより深まります。大変だけど、得るものも大きい仕事でした。

広告だけではない、多様なアウトプットを検討

■松村さんの仕事
 ──松村さんは普段マーケティングのお仕事をされているとのことですが、具体的にどのような仕事をされているのですか。
 松村 私はヘアケア、製薬、オンラインサービスと多岐にわたる業種のクライアントを担当しています。
 もともと私はメディアプラナーという別の職種で入社しました。その後、職種チェンジにトライして、2年前から今のマーケティング職になりました。クライアントのマーケティング上の課題は、「なぜこの商品が売れていないんだろう」「この商品、このサービスをもっと必要としている人に届けるにはどうしたらいいんだろう」など多岐にわたります。それを解決するために、広告コミュニケーションで何ができるかというのを立案して提案する仕事です。生活者の今の意識や行動、世の中の潮流、市場の動向といったものを定性データや定量データを合わせて分析します。それを持って、クライアントのビジネスの成果最大化のためにはこういったことをやるのがいいんじゃないかとご提案をし、その後実行して、並走しながらPDCAを回していくというのが日々の業務です。

 ──情報収集はどのようにしていますか。
 松村 実際に生活者の方々にに調査を行ったり、弊社で保有しているデータベースでデータを抽出して分析するということもあります。いろいろなデータを掛け合わせて、結果を出すという仕事です。
 今の時代は、広告という単一の戦略だけでは課題が解決できなくなってきています。クリエイターの知見も借りながら、「これはもう広告だけではなくて、PRやコンテンツも重要だよね」といったアウトプットにもつなげていくようにしています。

「いいじゃん、やってみなよ」という風土

■豊嶋さんの就活
 ――豊嶋さんは博報堂には何年に入社されましたか。
 豊嶋 私は2019年に転職し、2社目になります。前職はインフラメーカーで、全く異なる業界からきました。

 ──前職に入社されたのは何年ですか。
 豊嶋 2013年です。「誰かの困りごとを技術とつないで解決する」を軸に幅広い業界を受けていました。その中でもクリエイティブで表現することが好きだったので、博報堂は当時から関心がありました。

 ──前の会社を選ばれた理由は。
 豊嶋 テクノロジーとインフラによって未来をつくる、課題を解決するというところが、自分のやりたいことに近く、入社を決めました。官公庁のインフラを担当していました。

 ──転職しようと思われたきっかけは。
 豊嶋 新しい技術は面白みがないと人々は使ってくれません。面白いコンテンツ、面白い仕掛けがあると、ワッと人が集まってきます。そういった仕掛けをする側に関わりたい気持ちが大きくなり、転職を決めました。

 ──転職にあたってアピールされたことは。
 豊嶋 幅広く課題を捉えて、手段にとらわれず解決策を考えるというところは街づくりも広告も一緒だと思っていたので、そこはアピールしました。

■博報堂DYグループの働きやすさとやりがい
 ──豊嶋さんはもう6年目、前の会社と同じぐらい博報堂DYグループで働いていますが、働きやすさはどうですか。
 豊嶋 すごく働きやすいと思います。例えば博報堂では「huug(ハーグ)」という育児や介護との両立支援施策や、先輩社員との座談会など、ハード面とソフト面の両方の支援策が増えています。

 ──博報堂DYグループで働くやりがいについて教えてください。
 豊嶋 自分の好きなことや、「こういうことをやりたい」と言うと、「あ、いいじゃん、やってみなよ」という前向きな風土があります。また、営業職だったときは実際に自分が乗っている電車に自分が携わった広告が貼られていたり、テレビでCMが流れたりして、実際に自分が手がけたものが世の中にダイレクトに出ていくとやりがいを感じますね。今携わっているHasso Campも目の前の生徒から反応がもらえるととても嬉しいです。

 ──これからの目標は?
 豊嶋 この社会貢献活動はやっぱり長く続けていきたいです。そのためにはグループ全体の活動にしていく必要があると思います。グループで一体となってシナジーを生んでいきたいので、社会貢献活動という業務だけではなく、それと離れたつながりも強めていきたいと思っています。

クライアントの一員になるくらい伴走する

■松村さんの就活
 ──松村さんは何年入社ですか。
 松村 2020年入社です。入社のタイミングがコロナ禍で、テレワークが導入され、先輩にリモートで教えてもらいました。

 ──就活のときはどういう業種を見ていましたか。
 松村 就活のときはメディア、エンタメ業界を見ていました。私は5年ぐらい海外に住んでいたのですが、あまりに言葉が通じなかったので、逆に言葉だけじゃない、視覚的な表現とかクリエイティブなものとか、言葉が分からなくても通じ合えるもののほうが信じられるし、そういうものに自分も関わりたいと思いました。出版社や配給会社、広告会社などを見ていました。

 ──博報堂に決められた決め手は?
 松村 選考中にお会いした社員のみなさんがすごく優しくて。こんなに何も分かっていない自分に丁寧に対応いただいて、いろいろ教えていただいて、そのおかげもあって最終まで合格できたので、ありがたい気持ちになりました。

 ──面接は何回でしたか。
 松村 面接は3回でした。自分自身の志望動機の原体験を深掘りされるような質問が多かったです。ガクチカというよりは学生時代にかかわらず、「幼稚園の頃は?」「子どもの頃は?」と、自分がどんな人間なのかを聞かれる面接でした。準備もできないですし、一番自分らしく話せました。面接というより、コミュニケーションでした。

 ──志望動機はどんなことを話しましたか。
 松村 私は以前5年間ブラジルに住んでいて、言葉が通じずストレスにさらされた中で、映画は言語が違う友達と見ても笑えたり、楽しかったりしたので、「視覚的なクリエイティブなものに携わりたい。それは人の心を動かすと信じています」ということを話しました。

 ──今の職種に変わったきっかけは何ですか。
 松村 最初はメディアマーケティング職でしたが、当社では入社して3年半が経ったタイミングで同期が一斉に異動する「キャリアストレッチ・プログラム」という制度があり、そこで職種を変えました。若手のうちにさまざまな部署や職種を経験して幅広いスキルを身につけながら、成長機会につなげる制度です。

 ──メディアマーケティング職としてどんな仕事をされていたんですか?
 松村 新聞やWEBなどさまざまなメディアにおいて、クライアントから預かったお金を1円も無駄にせず、どうすれば届けたい人に最適配分で届けられるのか、投資戦略を考える部署でした。メディアが複雑化する中で生まれた新しい職種なので、みんなで教え合う体制がかなり整っていました。
■博報堂でのやりがい
 ──印象深いお仕事は?
 松村 クライアントの社長への提案は通常ベテランのクリエイターやマーケターが行うのですが、メディアマーケティングは新しい職種なので、その領域についてはまだ2年目だった私が話すという場面がありました。そのおかげもあって度胸がついたので、とても印象に残っています。強みが得られた経験でした。

 ──今の仕事を選ばれた理由は何ですか?
 松村 人の気持ち、インサイトも見ながらマーケティングプラニングができるようになりたいなと思っていました。

 ──博報堂での仕事のやりがいについて教えてください
 松村 私自身は、一緒に働いている先輩、後輩、クライアントに「助かったよ」と言ってもらえた時や、日々のやり取りにやりがいを感じています。
 本当に密に、もうクライアントの一員になっているんじゃないかというくらいに日々コミュニケーションを取っているので、無事にその商品が世の中に出たときに「助かりました」と言っていただけたりすると、頑張って良かったなと思います。そういう意味では、今私は広告会社の業務の醍醐味を味わっていると思います。

(インタビュー写真・山本倫子)

SDGsでメッセージ!

 就活中はSNSとか周りの方の声に触れることで、「もっとこうしなきゃ」「自分はこうあるべき」みたいな無意識の当たり前にとらわれて息苦しくなることもあるかなと思います。ただ、皆さんが思っている以上に、就活というのは本当に人生の通過点でしかありませんので、ぜひ肩の力を抜いてご自身らしい道を見つけられることを応援しております。(松村さん)

就活中は目の前の面接に意識がいきがちですが、人生は長いので是非ゆっくりと自分が何をしたいのかというのを考える良い機会にしていただければと思います。博報堂DYグループは、いくつになっても世の中を面白がれる大人がたくさんいる場所だと思っています。学生のとき、私は20年先、30年先、歳を重ねるのが少し怖いなと思うときもありましたが、この会社に入って大人になっていくというのはすごく楽しいことだなと感じています。よければぜひ、一緒に働ければ嬉しく思います。(豊嶋さん)

博報堂DYグループ

【広告業】

 博報堂DYホールディングスは、2003年に株式会社博報堂、株式会社大広、株式会社読売広告社の経営統合により設立されました。 博報堂DYグループは、「生活者、企業、社会。それぞれの内なる想いを解き放ち、時代をひらく力にする。Aspirations Unleashed」というグローバルパーパスを実現するために、従来の”広告会社グループ”の枠を超え、“クリエイティビティ・プラットフォーム”へと進化していくことを目指しています。  グループ内外の「人/企業/アイデア/テクノロジー」といったあらゆるものを広くつなぐことで新たな関係価値を創出し、また、その範囲を拡張することで、グループ全体の成長を創りだします。