2026年は世界的なスポーツイベントが目白押しの年です。2月にミラノ・コルティナ冬季オリンピックが、3月にワールド・ベースボールクラシック(WBC)があり、6月から7月にかけてはサッカーのワールドカップが開かれています。さらに9月には日本では32年ぶりとなるアジア大会が愛知県で開かれます。
スポーツの話題が多くなると、スポーツ用品や関連グッズの売れ行きもよくなります。そのため国内のスポーツ用品メーカーやスポーツ用品販売会社の多くは今期の業績はよくなると見込んでいます。ただ、国内では少子化が進み、大きな伸びは期待しにくくなっているのも事実です。そのため各社とも海外展開に力を入れ、分野別では特にスポーツシューズやスニーカーの成長が見込まれています。日本メーカーが比較的得意とする分野でもあり、世界市場を視野に入れた取り組みが進んでいるのです。一流のスポーツ選手がどんどん海外に出ていく時代になっていますが、スポーツ用品業界も世界に出ていかないと勝てない業界になっています。スポーツが好きで海外での仕事も苦にならない人にとっては魅力的にうつる業界だと思います。
(写真・アシックスが運営する「オニツカタイガー」の店舗=2026年2月18日、大阪市中央区/写真はすべて朝日新聞社)
スポーツシューズがもっとも多い
矢野経済研究所によると、2025年の国内のスポーツ用品市場規模(出荷額)は1兆7313億円で前年に比べて3.1%増え、2026年はさらに2.6%増えると予測しています。2025年の分野別では、スポーツシューズがもっとも多くて全体の22.3%を占め、次いでキャンプ用品などのアウトドアが21.5%、さらにゴルフの17.1%となっています。スポーツとして人気の高い野球やサッカーのシェアはこうした分野よりずっと小さく、ふつうの人にもニーズのある用品が伸びているわけです。
関西企業のアシックスとミズノが2強
国内のスポーツ用品メーカーでもっとも売り上げの大きいのはアシックスです。2025年12月期の売上高は8109億円(前年比19.5%増)で、ランニングシューズや「オニツカタイガー」ブランドのファッションスニーカーが好調です。アシックスは海外で人気の高いオニツカタイガーの事業を2027年1月に分社化することにして、シューズにとどまらない独立したファッションブランドとしての成長を世界で加速させることを狙っています。国内2位は野球用品やゴルフ用品に強いミズノです。ミズノの2026年3月期の売上高は2590億円(7.8%増)です。1位のアシックスの本社は神戸市、2位のミズノの本社は大阪市にあり、関西を拠点にするスポーツ用品メーカーが2強を形成しています。3位のヨネックスはバドミントンなどのラケット競技に強く、2026年3月期の売上高は1636億円(18.3%増)。4位は「The North Face」ブランドのアウトドアウェアが好調のゴールドウィンで2026年3月期の売上高は1375億円(3.9%増)です。ここに続くデサントはスポーツウェア中心のメーカーで2025年に伊藤忠商事の完全子会社になって非上場となりました。そのため売上高は非公表です。
(写真・ミズノのシューズでプレーするサッカー日本代表の田中碧選手(左から2人目)=2026年6月3日、メキシコ・モンテレイ)
世界はナイキとアディダスが2強
世界のスポーツ用品市場はナイキ(本社・アメリカ)とアディダス(本社・ドイツ)の2強になっています。ナイキは1960年代にオニツカタイガーのアメリカの輸入総代理店から出発し、世界最大のスポーツ用品メーカーに成長しました。2026年5月期の売上高は463億ドル(約7兆5千億円)に上り、特に強い分野はスニーカーやランニングシューズです。アディダスは20世紀前半のドイツで靴製造会社としてスタートした会社です。現在はスポーツウェアを中心に成長しており、2025年12月期の売上高は248億ユーロ(約4兆6千億円)でした。この2強の売上高が3位以下のプーマ(本社・ドイツ)やアンダーアーマー(本社・アメリカ)などを大きく引き離しています。
スポーツ用品販売店はアルペンとゼビオが2強
全国でチェーン展開しているスポーツ用品の販売店もスポーツ用品業界の大きなプレーヤーです。売上高がもっとも大きいのはアルペンで2025年6月期は2686億円、次いでゼビオホールディングス(HD)で2026年3月期は2523億円でした。ゼビオHDの傘下にはスキー用品などのヴィクトリアやゴルフパートナーなどがあります。アルペンとゼビオが2強で、3位のヒマラヤは2025年8月期で604億円と、かなり離されています。
(写真・スポーツ用品大手アルペンの旗艦店「Alpen(アルペン) NAGOYA(ナゴヤ)」=2024年3月27日、名古屋市中区栄3丁目)
スポーツが好きで海外との仕事を苦にしないこと
国内のスポーツ用品市場は少子化の影響を受け、大きな伸びは期待できない状態になっています。
そのため、各社とも海外事業の強化に力を入れています。アシックスは海外売上高比率が高く、80%にも上ります。ミズノは約40%に留まっているため、水野明人社長は「早期に50%以上に高めていきたい」と言っています。また、ヨネックスの海外売上高比率は70%を超えています。スポーツ用品に関わる企業を志望する人はスポーツが好きなことに加え、海外との仕事を苦にしないことも必要になっています。
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