業界MAP

教育・生活サービス

業界の仕組み

教育業界再編で変わる勢力図

 矢野経済研究所によると、2016年度の教育産業全体の市場規模(主要12分野)は前年度比0.6%増の2兆5162億円となった。「学習塾・予備校」「英会話・語学学校」など7分野で市場が拡大したが、競争の激化により業者間の業績格差も広がっている。

 教育サービス市場は少子化の進行で中長期的にはゆるやかに縮小していく。学習塾・予備校業界では生き残りをかけて買収や業務提携などが進んだ。大学受験予備校・東進ハイスクールを展開するナガセは同業の早稲田塾や中学受験の四谷大塚を、予備校・代々木ゼミナールの高宮学園は中学受験のSAPIXを、それぞれ買収した。通信教育・出版業界からの参入も目立つ。 ベネッセホールディングスは東京個別指導学院などを、Z会を展開する増進会出版社は中学・高校受験の栄光ゼミナールを展開する栄光ホールディングスを、それぞれ傘下に収めた。

大学入試改革への対応が課題

 大学入試改革により2020年度から「大学入学共通テスト」が実施されることは業界にとって大きなトピックだ。「主体的に学ぶ力」が重視され、記述問題も導入される。英語は外部検定試験を活用し、読む・聞く・話す・書くの4技能を評価する。対象となるのは18年度の高校1年生からだが、すでに一部の大学は記述式問題を出題したり英語の4技能テストの成績を考慮したりと、改革を先取りする動きもみられる。

 20年度からは小学5~6年の英語が全面的に教科化される。大学入試改革の影響も相まって,早期英語教育の需要が高まりを見せている。

 少子化という逆風の中にいる業界だが、今後の成長の可能性は大学入試改革などの環境変化に対応し、多様できめ細かいサービスを提供することにある。

人手不足の警備業界、AIやロボットの利用も

 警察庁の調べでは、2017年末の警備業者数は9548社(前年比1.2%増)、警備員数は55万2405人(同1.7%増)だった。全国警備業協会の集計によると売上高の総額は3兆4761億円だ。

 警備業で高い売り上げを得られるのは、センサーやカメラで無人警備を行い、異常時に警備員が出動する「機械警備」だ。設備投資にコストがかかるため大手が有利で、シェアの大半をセコムと綜合警備保障(ALSOK)の2強が握る。最大手のセコムは医療・介護サービスなども幅広く手がける一方、ALSOKは得意の金融機関向けに加え家庭向け警備も強化している。

 警備の需要は緩やかに増えているが、業界の人手不足は17年度の職業安定業務統計で「保安」の有効求人倍率が7.23倍となっており、深刻だ。20年の東京五輪・パラリンピックでは会場に1万4000人の警備員が必要とされており、人材確保に向け警備業界では大手を中心に共同事業体(JV)を設立した。またAI(人工知能)などを使った警備システムや警備ロボットの開発の動きも活発化している。

最新トピックス

高校で導入進む「Classi」に新機能

 ベネッセホールディングスとソフトバンクの合弁会社Classiは、ICT技術で教師の授業や指導、生徒の学習をサポートする学習支援プラットフォーム「Classi」の提供を2014年に開始。すでに全国の高校の4割超となる2100校以上が導入、生徒80万人以上が利用している(17年12月現在)。18年4月には新機能「Classiポートフォリオ」の提供を開始した。大学入試で必要となる学習記録データが蓄積されるほか、校内での研究活動やフィールドワークへの取り組み、校内テストや外部テストの結果などのあらゆる学習記録を一元管理できる。

セコムが自律型飛行監視ロボットの運用開始

 セコムは民間防犯用の自律型飛行監視ロボット「セコムドローン」を活用した巡回監視サービスを2018年3月から山口県の「美祢社会復帰促進センター」で開始した。1年間、同センターで実証実験を行い、有効性や安全性を確認したうえ、法務省の同意を得て運用開始にこぎつけた。

羽田空港で警備ロボットの公開実験

 綜合警備保障(ALSOK)の警備ロボット「Reborg-X(リボーグエックス)」は、羽田空港を管理・運営する日本空港ビルデングが2017年12月から実施したロボット公開実験に採用された。Reborg-Xは自立走行方式の警備ロボットで、各種センサーによる監視機能に加え、施設案内などのコミュニケーション機能も備えている。

採用の傾向

教育業界の主な採用職種

 「講師」「教材開発」「テスト・大学研究」「編集製作」「校舎運営」「販売促進」「宣伝広報」など。講師は職種別採用による年間契約制などで採用される。

警備業界の主な採用職種

 「サービス開発」「商品開発」「サービス運営(警備員など)」「法人営業」「ホームセキュリティー営業」「営業管理」など。理系の技術職採用としては「基礎研究」「機器・設備開発」「設備技術コンサルタント」「建設技術コンサルタント」など。