業界MAP

人材サービス・コンサルティング

業界の仕組み

人手不足で人材派遣市場は拡大中

 人材サービスは、人材派遣、人材紹介、求人情報サービスなど幅広い分野にわたる。根幹となる人材派遣業と人材紹介業は厚生労働省の許可を受け、求職者(派遣社員)を企業に派遣する。どちらも、一般労働者、技術者、製造派遣・請負、グローバル人材などに細分化されている。

 人材派遣では派遣会社と派遣社員が雇用契約を結び、給与も派遣会社が支払う。これに対し、人材紹介で雇用契約を結ぶのは取引先企業と派遣社員で、派遣会社には派遣先企業から紹介手数料が支払われる。

 業界大手のリクルート、パーソル、パソナ、世界1位の外資系アデコといった総合的に人材サービスを展開する企業のほか、技術者派遣のメイテックのように特定分野の人材派遣や人材紹介を行う企業、採用広告に特化した企業など、業態もさまざまだ。

 矢野経済研究所の「人材ビジネス市場に関する調査」(2017年)によると、16年度の人材派遣業市場は前年度比8.8%増の4兆3898億円、人材紹介業は同9.5%増の2300億円。前年度に引き続き需要が拡大した背景には、事務職、営業、販売・サービス、エンジニアなど幅広い職種で深刻化している人材不足が挙げられる。長時間労働是正のため正社員が担っていた業務の一部を派遣社員に任せる動きもある。

 今後も人材派遣業の市場規模は拡大すると予想され、派遣料金も上昇傾向にある。業界にとっては追い風だが、一方で人手不足は人材派遣業自体にも及んでおり、派遣するための優秀な人材の確保や育成への積極的な対応が求められている。

コンサルは「DX支援」が牽引

 コンサルティング業も幅広い分野にわたるが、主な分野として経営陣に戦略面でのコンサルティングを行う「戦略系」、企業の業務プロセスやオペレーションの改善を行う「業務・IT系」、マネジメントコンサルティングやリサーチ業務などを行う「シンクタンク系」などが挙げられる。野村総合研究所や三菱総合研究所など日本勢に加え、マッキンゼー&カンパニー、アクセンチュアなどグローバルに展開する欧米のコンサルティングファームが日本に進出している。

 調査会社IDC Japanは2017年の国内ビジネスコンサルティング市場が前年比8.2%増の3921億円に拡大し、22年までに年平均7.4%の割合で成長するとの予測を発表した。需要拡大を牽引するのは企業の「DX(デジタルトランスフォーメーション)」への取り組みだ。IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)などのテクノロジーを核に、抜本的なビジネスモデルの再構築や組織・人材育成の変革を推進するDXが多くの企業の重要テーマとなっている。企業内にはDXを担う人材が不足しているため、主要ファームはDX支援に向けた人材強化に力を入れている。

最新トピックス

パーソルテンプスタッフが資本・業務提携

 総合人材サービス、パーソルグループで人材派遣やアウトソーシング事業を手がけるパーソルテンプスタッフは2018年6月、経営管理支援サービスを提供するブリッジコンサルティングと資本・業務提携した。企業の経理業務はIT化が進み、単純作業を行う派遣社員の需要は急減するとみられている。パーソルテンプスタッフは提携によりブリッジのノウハウを取り込み、会計とITの両方で高度な知識を持つ会計・経営管理の人材の育成、派遣を目指していくとしている。

アデコが無期雇用の派遣事業拡大へ

 外資系総合人材サービスのアデコは2018年6月、有期雇用の派遣社員を無期雇用に転換する同社独自の新基準「ハケン2.5」を導入した。所属している派遣会社を問わず、現在の就業先で2年半以上継続して働いている派遣社員を無期雇用として採用し直し、毎月上限3万円まで別途交通費を支給する。15年9月末に改正労働者派遣法が施行され、3年以上同一の職場で働く派遣社員は、派遣先から直接雇用されるか、派遣会社から無期雇用されなくてはならなくなった。18年10月から「3年ルール」に該当する派遣社員が出てくるのに先立ち、積極的に無期雇用採用を進め、雇用の安定と人材の確保を目指す。

採用の傾向

人材サービス業界の主な採用職種

 「コーディネーター」「営業」「キャリアアドバイザー」「リクルーティングアドバイザー」など。

コンサルティング業界の主な採用職種

 「アソシエイト(リサーチ)」「コンサルタント(問題解決)」「マネジャー(管理)」「パートナー(営業・経理)」など。入社するとまずアソシエイトになり、その後キャリアアップしていくことが多い。

資格より実力が物を言うコンサルティング業界

 コンサルティング業界で最強の資格はMBA(経営学修士)だろう。ただ、通常2年の学習期間と多額の費用がかかるうえ、取得は容易ではない。ほかにも税理士、公認会計士、中小企業診断士などの「士業」資格も持っていると有利だ。ただしコンサルティング業界は、実力と成果で評価される世界。資格の有無にこだわりすぎる必要はない。