業界MAP

旅行・ホテル

業界の仕組み

訪日外国人は過去最高の2403万人

ill_ryoko.gif 旅行業は海外・国内のパック旅行、乗車船券の手配など、業務の範囲によって第一種から第三種旅行業者と、旅行業者代理業者に分類される。第一種が最も業務範囲が広い。

 観光庁によると2015年度の旅行取扱高は前年比3%増の6兆4282億円。16年の出国者数は前年比5.6%増の1711万人。円安や頻発するテロなどの影響で出国者数が大幅に落ち込んだ前年から回復し、4年ぶりに増加となった(日本政府観光局発表)。訪日外国人は前年比21.8%増の2403万9000人で前年に引き続き過去最高を更新。国籍では中国が前年比27.6%増の637万人と国・地域別で最も多い。欧米豪9市場も前年比17.7%増の約295万人と堅調に増えている。

 外国人が旅行中に日本で使ったお金は3兆7456億円で前年に比べて7.8%増。ただし中国人旅行客の「爆買い」の勢いは一段落したため、訪日外国人客全体の一人あたりの旅行支出は11.5%減少した。訪日旅行客の関心は買い物だけでなく体験型観光、テーマ性のある旅など多様化している。今後はニーズの掘り起こしが重要になってくるだろう。

国内ホテルの稼働率も高水準が続く

 2016年の宿泊者数は前年比-2.0%の延べ4億9418万人泊(宿泊人数×宿泊数)にとどまった。ゴールデンウィークの日並びがよくなかったこと、熊本地震や台風などの影響で日本人の延べ宿泊者数が減少したことが影響しているが、訪日外国人の宿泊数は8%増加し7088万泊で過去最高を記録している。

 客室稼働率はシティホテルが78.7%、ビジネスホテル74.4%と高水準にあり、中でもユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の集客が好調な大阪ではシティホテル87.9%、ビジネスホテル85.4%、リゾートホテル89.3%と全国で最も高い稼働率となった。

 今後は、海外からの旅行客をさらに増やし、取り込んでいくかが、旅行・ホテル業界にとって大きなポイントとなっている。

最新トピックス

JTBがインドネシアの大手旅行会社に出資

 大手旅行会社のJTBは2017年1月にインドネシアで海外旅行事業などを展開するPanorama Tours Indonesia(PTI)の株式40%を取得することを発表。JTBはアジア太平洋地域でのインバウンド事業を展開するTour Eastグループの旅行会社5社を買収するなどアジア太平洋地域の強化に力を入れており、PTIとの協業で世界第4位の人口を有し、毎年出国者数が2桁台で増え続けているインドネシアでの旅行事業を拡大する狙いだ。

KDDIが高級宿泊予約サービスReluxの運営会社を子会社に

 KDDIが17年2月、全国の高級旅館やホテルの会員制の予約サービスサイトReluxを運営するLoco Partnersを子会社化すると発表した。Reluxは13年3月からサービスを開始し、会員数は65万人(16年末現在)。訪日外国人観光客向けに中国語、韓国語、英語版のアプリの提供も始めている。子会社化によってKDDIからの資金提供やシステムの協働開発を進め、海外大手のネット旅行予約サイトのエクスペディアやBooking.comといった規模を目指す。

民泊新法が閣議決定、2018年1月施行予定

 空き部屋などに旅行者を有料で泊める「民泊」サービスの健全な普及を図るため、17年3月10日「住宅宿泊事業法案」が閣議決定され、18年1月施行予定となった。民泊事業を「既存の住宅を活用した宿泊サービス」と定義し、住宅宿泊事業者(民泊ホスト)の届出制に、Airbndなどの民泊仲介業や民泊運営を代行する管理業者を登録制とする。また民泊ホストが宿を提供できる日数は年間180日(泊)を上限とし、衛生確保措置、騒音防止のための説明や苦情への対応、宿泊者名簿の作成などを義務づけている。

「テーマ別観光」で地方の観光需要を創出

 観光庁は、共通の観光資源を活用し、地方に新たな観光需要を創出することを目的として、16年度から「テーマ別観光による地方誘客事業」を実施。17年度は「エコツーリズム」などの継続事業6件に加え、新たに「アニメツーリズム」「古民家などの歴史的資源」「百年料亭」など7件が選定された。プロモーションやマーケティング、周遊プランの作成、共同ウェブサイトの開設などを支援し、効果的な観光振興を推進していく。

採用の傾向

旅行業界の主な採用職種

 「旅行企画」「イベント企画」「プロモーション企画」「福利厚生企画」「店頭販売」「営業戦略」「教育旅行営業」「法人営業(福利厚生やイベントなどの企業への売り込み)」「提携販売」「販売促進」「地域交流ビジネス」「マーケティング」など。

ホテル業界の主な採用職種

 「インフラ開発(設備の整備企画や施設内店舗の選定・招聘)」「商品開発(ホテルで販売する商品の企画・開発)」「フロント」「ウエディングコーディネーター」「ホールスタッフ」「販売促進」「営業企画(宿泊プランやイベントなどの企画)」「法人営業(企業からの宴会・イベントなどの受注営業)」「不動産管 理」など。

語学力は必須

 旅行代理店などの店舗には国家資格の「旅行業務取扱管理者」を置く必要がある。同資格は「国内旅行業務取扱管理者」と海外旅行も扱える「総合旅行業務取扱管理者」の二つがある。入社時に必須の資格ではないが、「国内」は科目数が比較的少なく、学生でも挑戦しやすい。ホテル業界には、サービスやマネジメントの実力を測る「ホテルビジネス実務検定」がある。

 両業界とも、TOEICの高得点など語学力は大きな武器になる。「人」を相手にする仕事なので、コミュニケーション能力を磨くことも必要だ。個人、法人を問わず、顧客のニーズを的確に把握し、最良の手段を提案できるコンサルティング能力も求められる。

【主要各社の大卒採用計画】
(2018年4月入社、カッコ内は2017年度実績)
JTB(短大・高専・専門学校卒を含む)/ 800(800)、日本旅行/ 80(88)、西武グループ(西武鉄道は短大、専門学校含む)/未定(西武HD4、西武鉄道31、プリンスホテル130)