業界MAP

外食

業界の仕組み

ファストフードが好調

 日本フードサービス協会の「外食産業市場動向調査」によると、2017年の外食業界は売上高が前年比 3.1%増と3年連続で前年を上回るなど、全体的に堅調に推移した。特に好調だったのはファストフードで、売上高は同4.6%増となり業界を引っ張った。ファミリーレストランは10月の台風などの天候不順で客数が減少したが、客単価は上昇し、売上高は同1.5%増と堅調だ。一方、苦戦が続くのが「パブ・居酒屋」で、売上高は9年連続して前年を下回り、店舗数、客数、客単価でも前年より減少している。

 ファストフードで目立ったのは日本マクドナルドホールディングスの復活だ。2017年12月期決算は売上高が2536億円で前年同期比11.9%増。同年4月に8年ぶりに発売した新定番商品「グラン クラブハウス」が5日間で300万食を売り上げ、既存店の売上高が12.2%と大幅に増加。14年の食品消費期限切れ問題などのトラブルによる低迷を脱却した。

 業界全体に共通する課題は、原材料費の高騰と人手不足による人件費高騰だ。各業態の店で値上げが相次いだ。こうしたなか、ロイヤルホールディングスが運営する「ロイヤルホスト」は24時間営業を見直し、営業時間を短縮する一方で、ランチやディナー時間にスタッフを増やし、接客を強化したことで、17年12月期決算では既存店売上高が前年同期比2.0%増と上向いた。

 外食業界で目立った成長を見せているのが、17年に73店舗を新規出店した「いきなり!ステーキ」を展開するペッパーフードサービスだ。同年12月期決算の売上高は前年同期比62.2%増の362億円、営業利益は同2.4倍と大きく伸びた。「いきなり!ステーキ」はステーキを立ち食いするという新しいコンセプトの飲食店で、肉などの原価率は6割弱と高いが、客の回転率の高さで利益を確保する。13年に1号店を出店し、わずか4年後の17年8月に東証1部上場を果たした。

日本食人気で海外展開も活発

 外食企業の海外展開もさらに加速している。人手不足などで国内店舗網の拡大が難しくなっていることに加え、海外で日本食の評価が高まっているためだ。

 「すき家」を展開するゼンショーホールディングスは、中国を中心に年100店ペースでの出店を計画しているほか、 元気寿司は2019年3月期までに海外250店舗達成を目指し、長崎ちゃんぽんのリンガーハットは20年に海外店舗数を現在の約3倍の50店に増やす計画だ。

 このほか居酒屋「塚田農場」などを展開するエー・ピーカンパニーは12年にシンガポールに初出店し、現在は海外17店舗。22年までにインドネシア国内に20店舗の出店を目指す。

最新トピックス

スシローが「寿司居酒屋」に挑戦

 回転寿司最大手のスシローを展開するスシロークリエイティブダイニングは2018年3月、新業態「大衆寿司居酒屋」の旗艦店「鮨・酒・肴 杉玉 神楽坂」を都内にオープン。17年9月に兵庫県西宮市に1号店をオープンさせた「杉玉」は、「寿司居酒屋」というコンセプトが受け入れられ好調に推移している。スシローグループの仕入れ力と商品開発力を生かし、今後はフランチャイズ化も視野に100店舗までの拡大を目指す。

飲食店原則禁煙の東京都条例が成立

 2018年6月、従業員を雇っている飲食店を原則禁煙とする東京都の受動喫煙防止条例が都議会で可決、成立した。飲食を認めない「喫煙専用室」でのみ喫煙可能とする。都内の飲食店の約84%、13万軒が従業員を雇用しており、この条例の規制対象となる。全面施行は東京五輪・パラリンピック直前の20年4月。

ゼンショー HD、茨城に事業所内保育所を開園

 すき家やCOCO'Sなどを展開するゼンショーホールディングスは2018年3月、茨城県に事業所内保育所「かがやき保育園いしおか」を開園した。ゼンショーでは女性従業員から要望のあった保育所設置のため、15年に事業会社、かがやき保育園を立ち上げ、店舗が多数分布し、工場やコールセンターなどの関連施設もある茨城県内に事業所内保育園を3件設立。これが4件目となる。人材不足のなか、子どもを持つ女性社員が安心して働ける職場環境を提供して、雇用確保につなげる狙いだ。

採用の傾向

外食業界の主な採用職種

 「店舗開発」「商品開発(店舗で出す商品やレシピの開発)」「店舗スタッフ」「調理スタッフ」「バイヤー(食材や店舗器具などの購買)」「販売促進」など。

将来有利になる資格

 外食産業で働くときに資格取得は必須ではないが、将来店長やマネジャーなどに就く際に持っていると有利なものとしては「レストランサービス技能士(ホテルやレストランのウェイターやウェイトレスのサービススキルを認定する国家資格)」、「フードアナリスト(飲食店やレストランの料理や店舗を理論的に評価分析する専門家)」、「フードコーディネーター(商品開発・レストランプロデュースなど、食全般をコーディネートする専門家)」などがある。