業界MAP

流通

業界の仕組み

業態を超えた競争が激化

 流通業界は百貨店、スーパー、コンビニのほか、家電量販店やドラッグストアなどの専門量販店といった業態に大きく分かれる。

 日本フランチャイズチェーン協会によると、主要コンビニ大手8社の2017年の売上高は、全店ベースで前年比1.8%増の10兆6975億円だったが、新規店を除いた既存店ベースでは、同0.3%減の9兆4738億円と3年ぶりに減少した。コンビニ既存店の来店客数も18年2月まで24カ月連続で前年同期を下回っており、コンビニ市場は飽和感を見せている。ただし客単価は既存店で同1.5%増加した。単身世帯や共働き世帯向けの商品を充実させた結果とみられる。

 最大手セブン‒イレブン・ジャパンを擁するセブン&アイ・ホールディングスの18年2月期決算は、営業収益が前年同期比3.5%増の6兆378億円、営業利益が同7.4%増の3916億円で、過去最高益を更新した。好調の要因は17年に買収した米国のコンビニ、スノコLPなど、海外のコンビニ事業が拡大していることだ。海外コンビニ事業の営業収益は1兆9815億円と、国内コンビニの約2倍にのぼっている。

 業界2位のファミリーマートは、コインランドリーやフィットネス事業への参入による事業の多角化、スマホのアプリを使った金融サービスの展開を計画し、新しい顧客の開拓を目指している。

 一方、17年のスーパーの全店ベースの売上高は前年比1.0%減の12兆9175億円。既存店ベースでは同0.9%減と2年連続のマイナスとなった(日本チェーンストア協会調べ)。消費者の節約志向が根強く、日常の買い物では客単価が伸び悩み続けているためだ。さらに食品や日用雑貨など商品がかぶるコンビニ、生鮮食料品売り場を増やすドラッグストアとの業態を超えた競争も、伸び悩みの大きな原因となっている。

百貨店は訪日外国人客が牽引

 日本百貨店協会によると、百貨店の2017年の売上高は全店ベースで前年比0.4%減の約5兆9532億円で、2年連続で6兆円を割り込んだ。ピーク時の1991年の9兆7000億円から約4割減と低迷が続く。地方の店舗の閉店が相次いだこと、専門店に売り場を貸し出す動きが増えていることが影響している。

 一方、既存店ベースでは前年比0.1%増で3年ぶりにわずかながらプラスに転じた。訪日外国人客の増加により、免税売上高が同46.3%増の2704億円と2年ぶりに過去最高を記録した。また株高による資産効果で富裕層の購買が伸びたことも影響している。商品では訪日客に人気の化粧品が同17.1%増、美術・宝飾・貴金属も同3.6%増。かつて百貨店の主力商品だった婦人服・洋品は、下落幅は小さくなったとはいえ、同2.8%減と低迷から脱出できていない。

最新トピックス

「セブンカフェ」がリニューアル

 セブン‒イレブンは2018年3月からセルフサービスのドリップコーヒー「セブンカフェ」のホットコーヒーとアイスコーヒーを刷新した。豆の使用量を1割増やし、焙煎法を従来の2種類から3種類に増やすなどして豆の香りや苦みを強調し、トレンドに合わせた。

ローソンが生鮮品のスマホ予約を開始

 ローソンは2018年3月、生鮮品などをスマートフォンで予約し、店舗で受け取ることができる「ローソン フレッシュ ピック」サービスを東京、神奈川の200店舗で開始した。扱う商品は野菜や精肉だけでなく、有機野菜宅配Oisixのミールキットや、成城石井が扱う牛乳やプレミアムチーズケーキなどが含まれる。

イオングループがVisaのタッチ決済導入

 イオンはグループのスーパーやドラッグストアのレジ約10万台を2020年3月までにVisaの非接触決済技術(タッチ決済)に対応させる。19年3月からグループ各店舗のレジにタッチ決済端末を順次導入、支払いの時間を短縮する。すでにSuicaやWAONなどの電子マネー決済を導入しているが、20年の東京五輪・パラリンピック開催にともなうインバウンドの利用も見込んでいる。

採用の傾向

コンビニ業界の主な採用職種

 「建設企画」「マーチャンダイザー」「ロジスティクス」「販売」「フィールドカウンセラー(担当地域の店舗を定期的に訪問し、売り場作りや販促企画をサポート)」「広告販促」「マーケティング分析(店舗での売り上げ分析とリポート作成を担当)」「販売トレーナー」など。

スーパー業界の主な採用職種

 「バイヤー」「ディストリビューター」「販売」「販売促進」「スーパーバイザー(担当地域の店舗を定期的に訪問し、売り場作りや販促企画をサポート)」「営業企画(企業向けに商品やタイアップを提案)」など。

百貨店業界の主な採用職種

 「バイヤー」「販売」「店舗企画(催事・キャンペーンなどを企画)」「販売促進(チラシや広告なども含めた販促プランを企画・実施)」「販売教育」「外商営業(富裕層向けに商品を提案)」「法人営業(企業向けに商品やタイアップを提案)」など。