業界MAP

マスコミ・出版・印刷

業界の仕組み

放送と通信の境界が揺らぐ

 ネット時代に突入し、テレビ放送は多様化が進んでいる。地上放送のテレビ局は公営のNHKと東京に本拠をおく民放キー局のほか、各都道府県に地方局がある。民放の収入源はテレビ広告が中心だが、「総世帯視聴率」が低下を続けるなか、その売り上げは低下している。

 衛星放送はBS放送とCS放送に大別され、このほか有線ケーブルを使うケーブルテレビなどもあるが、最近はネットによる動画配信サービスとの競争が激しくなってきた。映画や海外ドラマを配信する「Netflix」やライブスポーツのDAZNなどとの加入者の争奪戦が起きている。

 さらに地上波のテレビ局もネット配信サービスに参入。テレビ朝日はサイバーエージェントと組んでネット放送局「AbemaTV」を開局した。日本テレビホールディングスは動画配信サービス「Hulu」を子会社で展開。放送と通信の境界が薄れつつある。

電子版に力を入れる新聞社

 新聞社は全国紙(朝日、毎日、読売、産経、日経)、ブロック紙、地方紙、夕刊紙、スポーツ紙、業界紙などがある。販売収入と広告収入が収益の柱だが、ニュースをスマホで読む若者が増えるなか、部数は減り続けている。新聞各社が期待するのがパソコンやスマートフォンで読める電子版だ。電子版オリジナルの記事も配信し、購読者獲得に力を入れるようになってきた。

電子出版市場が急拡大

 出版科学研究所によると、2017年の出版物(書籍・雑誌合計)の推定販売金額は前年比6.9%減の1兆3701億円で、13年連続の減少となった。書籍は11年連続で減少したが、文芸書、学参、教養新書などは前年を上回っている。雑誌は10.8%減と初の二けた減となった。これまで堅調を維持してきたコミックスの単行本も約13%減と大幅に減少した。

 電子出版市場は前年比16.0%増の2215億円で、電子コミックス、電子書籍、電子雑誌ともに前年に続き二けたの伸びを見せている。

インターネット広告の成長で業界範囲が広がる

 広告業界最大手の電通のまとめによると、2017年の広告費は前年比1.6%増の6兆3907億円。年連続の増加となった。媒体別に見ると、テレビ、新聞などマスコミ4媒体は前年比2.3%減の2兆7938億円、ネット広告は前年比15.2%増の1兆5094億円。ネット広告は広告費全体の4分の1近くを占めるまでに成長した。

 電通は圧倒的な規模を誇り、近年は海外展開を本格化している。2位は博報堂DYホールディングス、3位にアサツーディ・ケイが続く。またネット広告の成長とともにサイバーエージェント、オプトホールディングなどインターネット広告会社も業績を伸ばしている。

事業の多角化を進める印刷大手

 印刷業界は書籍、雑誌などの出版印刷、ちらしやカタログなど企業向け商業印刷といった紙の印刷需要の落ち込みが続く。業界2強の大日本印刷と凸版印刷は事業の多角化を進めている。印刷業務に情報技術を取り込んだ業務受託(BPO)ビジネスや、半導体製造に使う部材「フォトマスク」に力を入れている。

最新トピックス

日販と富士通がAI選書サービス

 出版取次大手の日本出版販売と富士通は、書店の売り場のコンセプトや客層に合わせてAI(人工知能)が選書するサービス「SeleBoo」を共同開発した。全国約3000書店のデータなどをもとに、国内で流通する約60万点の書籍から書店に合った書籍を選ぶ。2018年夏から始める。

CCCが主婦の友社を買収

 「TSUTAYA」を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は2017年12月、老舗出版社の主婦の友社の買収を発表した。CCCは14年に阪急コミュニケーションズ(現CCCメディアハウス)を、翌15年に美術出版社を、17年には徳間書店を買収している。出版社のノウハウや雑誌のブランド力を生かし、書店事業をさらに充実させる狙いだ。

採用の傾向

放送業界の主な採用職種

職種別採用:「アナウンサ-」「製作技術」「放送技術」
一般採用:「プロデューサー」「映画・イベント企画・推進」「インターネット企画・推進」「商品開発」「ディレクター」「記者」「カメラマン」「製作管理」「CM管理」「広告営業」「広告企画開発」「営業推進」「放送権販売」など。

新聞業界の主な採用職種

 「記者」「写真」「校閲」「広告」「販売戦略」「新聞製作」「インターネット管理」「印刷設備管理」など。

出版業界の主な採用職種

 「編集」「校閲」「営業」「販売促進」「広告営業」「ライツ管理」など。

広告業界の主な採用職種

 「クリエイティブ(プランナー、コピーライター、デザイナーなど)」「マーケティング」「CM進行」「販売促進」「イベント」「PR」「営業」など。

印刷業界の主な採用職種

 「研究」「技術開発」「企画開発」「印刷技術」「営業」「販売促進」など。