業界MAP

マスコミ・出版・印刷

業界の仕組み

多角化を強いられる放送局、動画配信サービスは競争激化

ill_mass.gif テレビ局は公営のNHKと東京にある民放キー局のほか、各都道府県に地方局がある。民法の収益はCMが中心だが、長期的には伸び悩んでいて、各局とも映画制作、DVDやグッズの販売、イベント、不動産などの事業部門に力を入れている。BS放送、CS放送、ケーブルテレビ、ラジオ局、番組制作会社など、放送にかかわる業態の裾野は広い。メディアが多様化するなか注目されるのは、競争が激化するインターネット動画配信サービスだ。テレビ局も参入し、もはや放送と通信の境界が薄れつつある。テレビ朝日はサイバーエージェントと組んでインターネット放送局「アベマTV」を開局。日本テレビHDは動画配信サービス「Hulu」を子会社で展開。米動画配信最大手の「ネットフリックス」が日本に上陸したほか、アマゾンは「プライム・ビデオ」で参入している。

電子版に力を入れる新聞社

 新聞社は全国紙(朝日、毎日、読売、産経、日経)、ブロック紙(北海道、中日、西日本)、地方紙、夕刊紙、スポーツ紙、各業界紙などの種類がある。販売収入と広告収入が収益の柱だが、部数が減り続けており、各社とも経費削減や不動産の開発、新規事業の立ち上げなどで経営の安定を図っている。各社が期待するのが、パソコンやタブレット端末、スマートフォン向けに配信する電子版だ。紙面イメージが画面でそのまま読め、過去記事検索もできる。米国などではビジネスとして成功した有力新聞社もある。

電子出版市場が急拡大

 出版科学研究所によると、2016年の出版物(書籍・雑誌合計)の推定販売金額は前年比3.4%減の1兆4709億円で12年連続の減少となった。書籍は10年連続で減少したものの、多くのベストセラーが出たことで微減にとどまった。雑誌は19年連続の減少で、41年ぶりに書籍の売り上げを下回った。一方、電子出版市場は前年比27.1%増の1909億円で、電子コミックス、電子書籍、電子雑誌ともに2桁の伸び。海外勢が先行していた電子書店では国内各社が追い上げている。ヤフーは電子書店「eBookJapan」を運営するイーブックを取り込み、楽天はコミック専門の電子書店「楽天マンガ」を立ち上げた。

業界範囲の広がる広告会社

 広告会社の仕事の基本は、放送局や新聞社などのメディアから広告掲載枠を仕入れ、クライアント(広告主)の広告を制作、掲載、放送することだが、近年はイベントの運営や企業のブランド戦略支援、国や自治体のキャンペーン支援など、幅広い業務を手がけている。電通、博報堂、アサツーディ・ケイ、大広、東急エージェンシー、JR東日本企画などが大手。サイバーエージェント、オプトなどインターネット広告を得意とする会社はネット広告市場の拡大とともに業績を伸ばしている。電通のまとめによると、2016年の広告費は前年より1.9%多い6兆2880億円。緩やかな景気拡大に後押しされ、5年連続の増加となった。媒体別に見ると、最多のテレビ広告は1.7%増の1兆9657億円、次に多いインターネット広告は13.0%増の1兆3100億円。新聞広告と雑誌広告は減少が続いていて、インターネットメディアへのシフトが鮮明になっている。

最新トピックス

「TSUTAYA」が徳間書店を買収

 2017年3月、「TSUTAYA」や「蔦屋書店」を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は、中堅出版社の徳間書店を買収した。徳間書店はスタジオジブリを設立し、05年にジブリが分離・独立。近年は主力雑誌が苦戦していた。CCCは書店事業が好調で、書店チェーンとしては国内最大手に成長している。徳間書店のノウハウを生かして書店事業をさらに充実させたい考えだ。

印刷技術の応用広がる、DNPは低価格ICタグの開発に着手

 紙媒体の印刷ビジネスが停滞傾向にあるなか、印刷業界はその技術を他分野に応用している。例えば、液晶パネル用のカラーフィルターや半導体用フォトマスクのほか、ICカード(ATMカード、電子マネーなど)などの情報セキュリティ関連がある。セルフレジ普及のカギを握るICタグにも注目が集まる。経済産業省は「コンビニ電子タグ1千億枚宣言」を発表したが、大日本印刷(DNP)では低価格なICタグ(RFID)の開発に着手している。

採用の傾向

放送業界の主な採用職種

職種別採用:
「アナウンサー」「製作技術」「放送技術」
一般採用:
「プロデューサー」「映画・イベント企画・推進」「インターネット企画・推進」「商品開発」「ディレクター」「記者」「カメラマン」「製作管理」「CM管理」「広告営業」「広告企画開発」「営業推進」「放送権販売」等。

新聞業界の主な採用職種

 「記者」「写真」「校閲」「広告」「販売戦略」「新聞製作」「インターネット管理」「印刷設備管理」等。

広告業界の主な採用職種

 「クリエイティブ(プランナー、コピーライター、デザイナー等)」「マーケティング」「CM進行」「販売促進」「イベント」「PR」「営業」等。

出版業界の主な採用職種

 「編集」「製作」「校閲」「営業」「販売促進」「広告営業」「ライツ管理」等。

印刷業界の主な採用職種

 「研究」「技術開発」「企画開発」「印刷技術」「営業」「販売促進」等。

【主要各社の大卒採用計画】
(2018年4月入社、カッコ内は2017年度実績)
博報堂/ 115(128)、講談社/若干名(22)、KADOKAWA /50(20)、フジテレビジョン/非公表(27)、リクルートHD /約100(97)、大日本印刷/未定(190)、朝日新聞社/前年並み(78)