業界MAP

自動車・輸送用機器

業界の仕組み

世界市場、インドが急成長

 長らく日本経済の根幹を担ってきた自動車業界。車1台に使われる部品は数万点に上り、関連産業の雇用創出力も巨大で、製造業の基幹産業といわれてきた。

 世界市場はリーマン・ショック以降、欧米や日本といった既存の市場に代わり、中国市場が牽引している。中国汽車工業協会の発表では、2017年の新車販売台数は前年比3%増の約2888万台。伸び率は鈍化したものの9年連続で世界一のマーケットとなった。2位の米国市場は約1720万台にとどまり、リーマン・ショック以降で初の前年割れとなった。3位は日本。続く4位のインド市場は、前年比10%増の2ケタ成長を示し、ついに自動車大国ドイツを抜いた。

 17年の世界販売台数は、独フォルクスワーゲン(VW)が前年比4.3%増の約1074万台で2年連続の首位。三菱自動車を傘下に加えたルノー・日産アライアンスは、前年比6.5%増の約1061万台で2位に躍進した。日産の無資格検査問題発覚により、国内の販売台数はやや鈍ったが、海外で安定して販売を伸ばした。前年2位のトヨタ自動車は、前年比2.1%増の約1038万台で過去最高を記録したものの、3位に後退。電気自動車(EV)の導入が加速する中国市場で、いまだEVモデルがないことが響いている。

日本市場、軽自動車が復調

 日本自動車販売協会連合会などによると、2017年の国内新車販売台数は前年比5.3%増の約523万台となった。500万台超えは2年ぶりで、前年を上回ったのも3年ぶり。スズキ「ワゴンR」、 ダイハツ工業「ミライース」、ホンダ「N-BOX」などの全面改良が重なったうえ、前年に燃費不正問題で落ち込んでいた軽自動車が持ち直したのが増加の要因。軽自動車は、前年比6.8%増の約184万台と、3年ぶりに増加に転じた。

 軽自動車を除く登録車の年間車種別販売台数ランキング「プリウス」(トヨタ)が2年連続の首位。ただし、前年比35.2%減と大幅な落ち込みとなっている。2位は「ノート」(日産)、3位は「アクア」(トヨタ)だった。

 一方、外国メーカー車は前年比3.7%増の約31万台で、2年連続のプラスとなった。ブランド別の順位は、首位が3年連続でメルセデス・ベンツ、2位がBMW、3位がVW。排ガス不正問題以来、販売が伸び悩んでいたVWは3年ぶりに前年実績を上回った。

自動車部品、再編の流れが続く

 自動車部品メーカーは、自動車メーカーの系列下に組み込まれ、業績も連動する傾向が強かった。ところが、自動車メーカー各社が、系列を超えて部品メーカーと取引し始めたことで、部品業界の再編が進んでいる。例えば、 ボッシュやコンチネンタル、ZFなどドイツの大手部品メーカーは、積極的なM&A戦略で業績を拡大している。一方、トヨタもグループ内で重複していた事業を見直し、本社や系列子会社への集約を進める方針。国内トップのデンソーと2位のアイシン精機はともにトヨタ系だ。日産自動車は系列最大の部品メーカー・カルソニックカンセイの株式を売却した。今後も再編の流れは続きそうだ。

最新トピックス

トヨタ、電動車拡大を目指す

 トヨタ自動車は、電気で走る「電動車」の世界販売台数を2030年に年間販売台数の半分にあたる550万台まで引き上げる方針を発表した。電動車には、電気だけで走る電気自動車(EV)のほか、ガソリンも使うハイブリッド車(HV)、外部からの充電もできるプラグインハイブリッド車(PHV)、水素を使い発電して走る燃料電池車(FCV)を含む。また、パナソニックとEVなどに使う車載電池で提携することも発表した。

中国、新エネ車の生産義務化

 中国は2019年から、自動車メーカーが生産・輸入する乗用車の一定割合を、電気自動車(EV)など新エネルギー車(NEV)にすることを義務づける規制を導入する。世界最大市場の中国による措置は、EV時代の本格的な幕開けにつながりそうだ。

GM、欧州事業を売却

 米ゼネラル・モーターズ(GM)は2017年、欧州子会社オペルなど欧州事業を22億ユーロ(約2800億円)でフランスのグループPSA(旧プジョー・シトロエングループ)に売却した。シェアよりも収益性重視の姿勢を鮮明にした。

タカタ、中国系企業に全事業を譲渡

 欠陥エアバッグのリコール(回収・無償修理)問題で、2017年6月に経営破綻した自動車部品大手タカタは、中国資本傘下の米自動車部品会社キー・セイフティー・システムズにほぼすべての資産と事業を譲渡した。

採用の傾向

自動車業界の主な採用職種

 「研究開発」「商品企画」「マーケティング・営業企画」「資材調達」「生産」「販売支援」など。大手自動車メーカーの多くは、グローバル展開を加速させている。配属される部署や職種によっては、英語力が求められる場面が多いだろう。技術職は、エンジンや電気回路などの専門知識を身につけておくと有利。