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世界の自動車市場、排ガス不正から巻き返したVWが初の首位

ill_jidosya.gif 長らく日本経済の根幹を担ってきた自動車業界。1台の車に使われる部品は数万点に上り、関連産業の雇用創出力も巨大で、製造業の基幹産業と言える。

 世界市場はリーマン・ショック以降、欧米や日本といった既存の市場にかわり中国市場が牽引していたが、中国経済の減速や大気汚染対策に伴うナンバー発給制限などが逆風となり失速。しかし、中国汽車工業協会の発表では、2016年の新車販売台数は約2803万台で史上最高を記録し、前年比13.7%増と持ち直した。特にSUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)やMPV(多目的車)のような大型車が好調だった。中国に次ぐ規模を誇る米国市場は好調を維持し、16年の新車販売台数は約1755万台で、2015年の過去最高記録を更新。低金利や低いガソリン価格などが追い風となった。

 世界トップの座を争うのは独フォルクスワーゲン(VW)、トヨタ自動車、GMの「新ビッグ3」。統合を強めている日産自動車・仏ルノー連合、韓国の現代自動車が追う構図になっている。日産は燃費不正でつまずいた三菱自動車を傘下に入れ、上位をうかがう。2016年の世界販売台数は、排ガス不正問題から巻き返したVWが3.8%増の約1031万台となり、年間で初の世界首位に。トヨタ自動車は前年比0.2%増の約1018万台で2位に。中国の小型車を対象とする減税がVW車の販売を促進した。

日本市場は低迷が続く

 日本自動車販売協会連合会などによると、2016年の国内新車販売台数は約497万台と前年から1.5%減少し、2年連続で前年を下回った。500万台を下回ったのは、東日本大震災やタイの洪水があった11年以来5年ぶり。排気量が660cc超の登録車は前年比3%増の約324万台となったが、軽自動車の販売台数は前年比9.0%減の約170万台にまで落ち込んだ。軽自動車は16年11月まで23か月連続で前年割れが続いていた。新車販売に占める軽自動車の割合は34.7%で、過去10年で最低の水準。市場をけん引しているのはハイブリッド車(HV)で、年間車種別販売ランキングのトップ「プリウス」(トヨタ)、3位「アクア」(トヨタ)など上位10車種中5車種がHVモデルを含む車種だった。軽自動車では「N-BOX」(ホンダ)が2年連続首位で好調を維持している。

 一方、外国メーカー車の日本国内販売は前年比3.4%増の29万台となり、2年ぶりに上昇。排ガス不正問題による影響でVWとアウディの苦戦は続くが、それ以外の主要ブランドは好調。ブランド別の順位は、トップが2年連続でメルセデス・ベンツ、2位BMW、3位VW、4位アウディとなっている。

自動車部品、業種参入で競争活発化

 自動車メーカーの系列下に組み込まれてきた自動車部品メーカーだが、部品現地生産の流れや自動車メーカーの部品規格共通化といった動きへの対応を迫られている。電機や素材メーカー、グーグルやアップルといったIT業界など異業種の参入も増えている。

最新トピックス

トヨタとスズキが業務提携で合意

 自動運転や電動化といった次世代技術の開発や普及には一定の規模が必要とされ、異業種も含めた連携が進み、競争が激化している。そんななか、2017年2月、トヨタとスズキは次世代技術をめぐって業務提携することで合意した。仲間を増やして主導権争いを有利に進めたい考えだ。スズキはVWとの資本業務提携を15年に解消し、組む相手を探していた。出資を伴う資本提携については今後、さらに検討していく。

米カルフォルニア州のZEV規制、EVやPHVの開発が加速

 自動車各社は排ガスを抑えた車ではなく、全く排ガスの出ない車「ゼロ・エミッション・ビークル(ZEV)」を目指す流れとなっている。背景には米カルフォルニア州のZEV規制がある。一定以上の台数を販売する自動車メーカーに対し、その販売台数の一定比率をZEVにすることを義務づけたものだ。18年モデルからは規制が強化され、HVはそもそもZEVとして認められなくなる。米国では10州以上で同州と同じ規制が導入され、中国でも同様の規制が検討されている。これを受け、各社は電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)などZEVの開発を加速させている。

採用の傾向

主な採用職種

 「先端研究」「生産技術開発」「商品企画」「商品開発」「品質保証」「生産企画」「物流企画」「量産開発」「生産ライン設計」「品質管理」「営業企画」「販売事業支援」など。

技術系の比率高い

 大卒採用実績を見ると、例えば日産自動車は事務系80人に対し技術系280人(2017年春入社数)。近年は各社とも技術系の比率が高い。数多くの職種があるので、幅広い専攻の学生を採用している。

大手企業の「こんな人がほしい!」(採用HPから抜粋)

「自ら高い目標を掲げ、周囲を巻き込んで挑戦していく人」(トヨタ自動車)、「NISSAN WAYを体現しつつ成果を生み出し、グローバルで戦える“和魂多才型人財”」(日産自動車)、「どうなるかじゃない、どうするかだ」(ホンダ)、「自ら学び、自ら考え、新たな価値の実現に向けて挑戦し続けていく人材」(デンソー)

【主要各社の大卒採用計画】
(2018年4月入社、カッコ内は2017年度実績)
トヨタ自動車(短大、高専、専門学校、高卒含む)/前年並み(2633)、日産自動車/430(350)、ホンダグループ(高専、専門学校、高卒を含む)/ 820(791)、デンソー/430(419)