業界MAP

建設・不動産・住宅

業界の仕組み

建設業界、巨大工事案件が絶えず

 日本の経済成長を支えてきた建設業界。特に大手5社(大林組、鹿島、大成建設、清水建設、竹中工務店)は「スーパーゼネコン」と称される。建設投資は2011年度から増加傾向が続く。建設経済研究所の調べでは、17年度の建設投資は前年度比2.6%増の53兆8300億円となる見通し。老朽化したインフラの整備や20年の東京五輪・パラリンピックに向けた新国立競技場や選手村などの建設工事、リニア中央新幹線建設工事など巨大工事案件には当面事欠かない。しかし、建設市場自体は東京五輪後に縮小するという見方が強く、インフラ整備が進む海外での受注拡大や省エネなどを売りにした高付加価値プロジェクトで生き残りをかける。

不動産業界、マンション価格高騰

 土地を仕入れて宅地やビル、マンションを造成し、それを販売、賃貸するのが不動産業界。財閥系の三菱地所や三井不動産は都内一等地のオフィスビル賃貸を収益の軸にし、その他はマンションなどの販売に軸足を置くなど、各社の収益源には違いがある。業界を活気づかせているのは、2020年の東京五輪をにらんだ都心の再開発プロジェクトだ。特に千代田、中央、港の都心3区では大型ビルが続々と竣工する見通しだ。

 オフィス賃料は上昇が続く。千代田、中央、港、新宿、渋谷の都心5区のオフィスビル平均空室率は18年6月で2.57%で、賃料上昇の目安となる5%を割り込む低水準が続いている(三鬼商事調べ)。ただ今後は、東京都心でオフィスビルの大量供給を控えており、テナントの獲得競争が厳しくなると予想される。

 17年のマンション発売戸数は、前年比0.5%増の7万7363戸(不動産経済研究所調べ)。4年ぶりの増加だが、3年連続の7万戸台にとどまった。東北では前年比41.7%減と大きく落ち込んだ。全国のマンション平均価格は前年比3.9%増の4739万円で、最高値を更新。地価と建築費の高騰が価格を押し上げている。一般消費者は戸建てや中古に流れ、都心エリアでも売れ残り在庫が増加する事態が起きている。不動産各社は値付けなど販売戦略の見直しを迫られている。

 東京五輪後にはマンション価格が急落する可能性が指摘されている(いわゆる「2020年問題」)。また、世帯数の減少で新築マンション市場の大きな成長は見込めないことから、各社ともアジアや欧米諸国での物件開発、ストック(中古住宅)の管理や売買仲介といった分野を強化しようとしている。

住宅業界、需要減少を見据え業界再編

 大和ハウス工業と積水ハウスを2強とする住宅メーカー業界。国土交通省によると、2017年度の新設住宅着工戸数は前年度比2.8%減の94万6396戸で、3年ぶりの減少。16年度は相続税対策で「貸家」の着工が11.4%の大幅増を記録したが、17年度は伸び悩み、4.0%減の41万355戸にとどまった。「持ち家」は3.3%減の28万2111戸、「分譲住宅」は0.3%減の24万8495戸だった。人口減や世帯数減、空き家の増加などから住宅需要は低下していくと予想される。業界再編も起きており、トヨタホームはミサワホームを子会社化し、パナソニックはパナホームを完全子会社化、パナソニックホームズに社名変更した。ゼネコンとの提携も活発化していて、積水ハウスは鴻池組の持ち株会社・鳳ホールディングスの筆頭株主となった。

最新トピックス

公示地価、3年連続上昇

 国土交通省が公表した2018年1月1日現在の公示地価は、全国平均(全用途)で前年比0.7%増で、3年連続の上昇となった。3年連続の地価上昇は1992年以降で初めて。住宅地は2年連続、商業地は3年連続の上昇。訪日客向け店舗やホテル用地の需要増などから、地方圏の商業地でも26年ぶりに上昇した。都心を中心に進んできた地価の回復が、地方の再開発地域などに広がりつつある。

建設業の週休2日制促進

 建設業界では、週休2日制を定着させる動きが広がり始めている。国内の建設現場の約65%は「週休1日以下」とされ、建設業界の年間総労働時間は全産業平均より2割長い。国土交通省は2018年3月、建設業界の働き方改革を加速させる行動計画を策定したと発表した。作業員への週休2日制導入を後押しするのが狙い。

採用の傾向

建設業界の主な採用職種

 「営業」「設計」「施工管理」「研究開発」など。多くの人と関わる仕事なので、コミュニケーション能力は重要になる。建設業に関する資格は豊富にあり、電気工事士など資格が必須の職務も少なくない。

不動産業界の主な採用職種

 「営業」「企画・開発」「管理」など。入社前や入社後に宅地建物取引士の資格を取ることが多い。営業職は普通自動車免許が必要。

住宅業界の主な採用職種

 「営業」「設計」「施工管理」など。設計や施工管理は、建築や土木を専門に学んでいると有利。営業でも設計でも、人の話を聞けるかどうかが重要な素養。客の要望を形にするのが仕事だからだ。