業界MAP

精密機器・電子機器

業界の仕組み

デジタルカメラ……救世主はミラーレス

 デジタルカメラは、日本メーカーが世界市場でいまなお優位に立つ分野。世界シェア首位はキヤノンで、一眼レフに強いニコンが続く。スマートフォンのカメラ機能の向上などで需要の低迷が長引き、カメラ映像機器工業会の統計によると、出荷台数・金額とも2010年以降、減少が続いてきたが、17年は増加に転じた。メーカー各社は高価格帯の機種やレンズに集中することにより、巻き返しを図っている。とくに17年の出荷額が前年より48%も増えたのが、ミラーレスカメラ。レンズ交換式だが、従来の一眼レフのようにファインダーに光を導く鏡がないためコンパクトで、画像もすぐれている。調査会社BCNによると、17年のミラーレス国内販売台数トップはオリンパス。キヤノンやソニーも力を入れている。

 
パソコン……働き方改革も追い風

 MM総研によると、2017年度の国内パソコン出荷台数は1034万台で、前年度より2.2%増えた。働き方改革の影響もあって、在宅勤務などに対応できる法人向け機種が好調という。ただ、個人向けは減少に歯止めがかかっておらず、国内メーカーの再編が続く。国内シェア2位の富士通は、世界シェア1位の中国レノボ・グループ(聯想集団)にパソコン事業を売却する(最新トピックス参照)。IBM(米)から「ThinkPad」ブランドを継承したレノボは11年、当時パソコン国内首位のNECとの合弁に踏み切るなど、M&Aで勢力を伸ばしている。「Windows7」のサポートが終了するとみられる20年に向け、買い替え需要がふくらむとの予測もある。

 タブレット端末の国内出荷台数も、前年度を3.4%上回る870万台だった(17年度、MM総研調べ)。国内シェアはアップル(米国)が42%で首位を守り、2位の中国ファーウェイ(華為技術)などが安価モデルで攻勢をかけている。教育改革によるタブレットの「1人1台」が進められており、学校での大量購入に期待がかかる一方、スマートフォンの大型化で個人向けは低迷が続きそうだ。

携帯端末……スマホは中国メーカーが成長

 2017年度の国内携帯電話端末の出荷台数は、前年度比2.7%増の約3746万台(MM総研調べ)。うち、スマートフォンが3258万台(同8.1%増)を占めた。国内スマホの出荷台数シェアはアップルが43.4%と6年連続の首位。シャープ、ソニーモバイルコミュニケーションズ、サムスン電子(韓国)、富士通が続いた。ただ、先進国ではスマホ出荷台数の伸びは鈍化傾向にあり、今後は中南米やアフリカ、アジアの市場に期待がかかる。世界的にはサムスン電子とアップルがスマホ市場の2強を形成しているが、3位以下はファーウェイ、OPPO、vivoなど中国メーカーの成長が目立つ。サムスン電子は、電池発火事件の影響を受けてシェアが下がっている。「ガラパゴス化」したといわれる日本メーカーは、高機能モデルやシニア向け機種に生き残りをかける。

半導体……東芝の事業売却で日本勢の「落日」

 東芝は2018年6月、半導体子会社の売却を完了したと発表した(「家電・総合電機」の最新トピックス参照)。1970年代以降、半導体産業を「産業のコメ」として保護してきた日本政府だが、NEC、日立製作所、三菱電機の半導体事業を統合したエルピーダメモリの支援に失敗し、同社は2012年に経営破綻に至っている。世界シェア8位の東芝の事業売却により、日本企業の存在感はますます希薄になりそうだ。パソコンや携帯電話の普及が牽引してきた半導体市場は、今後もIoT需要などによる伸びが見込まれている。

最新トピックス

富士通がパソコン事業をレノボに売却

 パソコンで国内2位の富士通は、世界シェア首位の中国レノボ・グループ(聯想集団)にパソコン事業を売却すると、2017年11月に発表した。世界のパソコン市場はレノボ、米HP、米デルの3強に加え、台湾勢も台頭しており、日本メーカーのシェアは数パーセントに過ぎない。レノボは11年からNECのパソコン事業にも過半の出資をしているが、NECのブランド「LAVIE」は維持しており、富士通の「FMV」ブランドも存続する見通しだ。

採用の傾向

主な採用職種

 「研究開発」「生産技術」「商品企画」「回路設計」「生産管理」「品質保証」「購買」「物流」「国内営業」「海外営業」など。

理系から「セールスエンジニア」への道も

 採用は理系が中心で、機械や電気電子、情報など幅広い学科が対象になる。研究開発部門だけでなく、専門知識を生かして市場を開拓する「セールスエンジニア」の人材を理系から求め、世界各国を飛び回らせる企業もある。

デザインも重視

 アップル製品の伸びを見ても分かるように、消費者向け精密機器にとってはデザインの良し悪しが非常に重要になってきている。デザインセンスが求められるのも特徴だ。