業界MAP

家電・総合電機

業界の仕組み

総合家電は微減するも全体的に堅調傾向にあり

ill_kaden.gif 電機産業は取り扱う製品によって、おおまかに3つに大別される。ひとつは洗濯機や冷蔵庫など家庭用の生活にかかわる「白物家電」、もうひとつはデジタル機器やAV機器など趣味や娯楽にかかわる「黒物家電」。先のふたつはまとめて「軽家電」とも言われるが、最後の「重電機器」は、産業用発電機や変圧器などの重工業やインフラにかかわるものを指す。これらの3ジャンル全ての事業を展開しているのが「総合電機」メーカーであり、日本では日立製作所、三菱電機、東芝の3社がこれに相当し、「重電3社」とも言われている。

 日本電機工業会によると、2016年度の重電機器の受注額は、1兆7219億円となった。これは前年比の 96.8%だが、14年度と15年度には及ばないものの、堅調な水準であるとしている。内訳は、国内向けの内需が 1 兆 2986 億円で前年度比102.2%の増加。繊維や化学や鉄鋼業などの製造業は減少となったが、非製造業や官公需ともに増加しており、特に大口需要先である電力業、運輸業、郵便業、通信業の増加が内需全体をけん引した。製造業での外需は 4233 億円、前年度比83.2%と前年を下回る結果となった。

白物家電は好調、買い替え需要で高級・付加価値商品が増

 重電を扱わないパナソニック、ソニー、シャープは「家電3社」と称される。日本電機工業会によると、2016年度の白物家電の国内出荷実績は、2兆 3279億円、前年度比103.6%となり、2年連続のプラスとなった。夏の天候不順等のマイナス要因があったものの、冷蔵庫や洗濯機など主要製品で大型・高機能、省エネ・高付加価値機種を中心とした買い替え需要に支えられ、高水準を維持した。背景には、共働き世帯の増加などにより、まとめ買いやまとめ洗いの需要が高まっていることなどが追い風となっている。

黒物家電は6年ぶりの増収、4Kテレビが伸長傾向

 AV機器やカーナビなどのAVC機器、デジタル機器などの黒物家電の市場統計を調査している電子技術産業協会によると、2016年度の民生用電子機器の国内出荷金額は1兆3296億円、前年度比104.1%と6年ぶりの増加となった。特に、高画質高解像度の4Kテレビが好調でAV市場をけん引している。

最新トピックス

電機大手は一部増益も減収傾向、シャープは3年ぶりに黒字確保

 経営再建中の東芝を除く、電機大手の2017年3月期の営業利益動向は以下の通りだ。日立製作所は円高の影響で前期比7.5%減、ソニーは映画事業の特別損失の計上などもあり1.9%減、NECは人工衛星の製造コストが負荷になり前期に比べ半減。パナソニックは、白物や自動車向け家電が好調で20.2%増、富士通は同6.8%増。台湾の鴻海精密工業の傘下となったシャープは、構造改革やコストダウン効果で、全事業で営業黒字を3年ぶりに確保した。

国内大手がAI事業に本腰を入れるも人材確保が課題

 車の自動運転や会話機能など、ディープラーニング(深層学習)の導入で目覚ましい進化とビジネスへの応用が期待されるAI(人口知能)。欧米に先を越されていた日本企業も、取り組みに熱を入れ始めている。東芝、NEC、富士通はそれぞれ理化学研究所にAI連携研究拠点を開設する予定。三菱は事前学習を減らしたAIを産業ロボットに搭載する技術に取り組む。シャープはAIとIoTを組み合わせ、生活に役立つロボットの製作を進める。こうしたなか、業種や国境を超えた技術者の争奪戦が過熱しており、まずは人材確保が大きな課題となっている。パナソニックは2021年をめどにAIの技術者を現在の10倍の1000人程度に増やす。

日立、IoT軸に成長シフト、M&Aに2年で1兆円投入し欧米大手に対抗

 2017年5月に日立製作所は、17 ~ 18年度の2年間で総額1兆円をM&A(企業の合併・買収)に投じる方針を明らかにした。あらゆるモノがインターネットにつながるIoTを軸とした分野で海外企業の買収を加速させ、AIなどで先行されている欧米の競合企業と互角に渡り合える収益体質を築くことが目標だ。

採用の傾向

主な採用職種

 「研究開発」「生産技術」「デザイン」「マーケティング・商品開発」「ソフトウェア技術」「機械設計」「電気設計」「生産管理」「品質保証」「購買」「物流」「国内営業」「海外営業」「広報宣伝」など。

「家電」「重電」で仕事に違い

 消費者向けに完成品を売る「家電」とは違い、重電の製品は企業や工場向けの「受注生産」が主流。製品を売り込む営業職にも高度な技術知識が求められる。また、定期点検や補修も重要で、専門に対応する「サービスエンジニア」の部門を強化する動きが目立っている。

大手企業の「こんな人がほしい!」(採用HPから抜粋)

 「魂を込め、ありったけの情熱を注ぎ、人類の未来のために自分の価値を発揮したい人」(日立製作所)、「過去や前例にとらわれることなく、大きな夢と高い志を胸に、未知の未来を切り拓いていく人」(パナソニック)、「困難や逆風に負けることなく燃え続ける情熱を持った人材」(三菱電機)、「輝けるグローバルブランドへの成長に向け、オリジナリティあふれるチャレンジ精神を発揮できる人」(シャープ)

【主要各社の大卒採用計画】
(2018年入社、カッコ内は2017年度実績)
日立製作所(高専含む)/ 600(600)、パナソニック/ 650(650)、ソニー/ 300(300)、NEC/450(450)、富士通(短大・高専・専門学校卒含む)/750(740)、京セラグループ/350(333)