業界MAP

家電・総合電機

業界の仕組み

重電受注は海外の電力業向けが伸び

 電機産業で取り扱う製品は、三つに大別される。一つ目は洗濯機や冷蔵庫、エアコンなど家庭生活に必需の「白物家電」。二つ目はデジタル機器やAV機器など趣味や娯楽に関わる「黒物家電」。これら二つが「軽家電」と総称されるのに対し、残る三つ目は「重電」と呼ばれ、産業用発電機や変圧器などの重工業やインフラに関わるものを指す。これら3ジャンル全ての事業を展開しているのが「総合電機」メーカーで、日本では日立製作所、三菱電機、東芝の3社が相当し、「重電3社」とも呼ばれている。

 日本電機工業会によると、2017年度の重電機器受注額は1兆7270億円とほぼ前年度並み。うち内需は1兆2300億円と前年度比5.3%減だったが、電力業向けなどの外需が4970億円と同17.4%伸びた。

白物家電は高級・付加価値商品が堅調

 重電を扱わないパナソニック、ソニー、シャープは「家電(弱電)3社」と称される。日本電機工業会によると、2017年度の白物家電の国内出荷額はエアコンが7132億円、冷蔵庫が4421億円、洗濯機が3353億円で、いずれも前年度比プラスとなった。人口減少下とはいえ、大型・高機能、省エネ・高付加価値機種を中心とした買い替え需要が堅調だ。背景には共働き世帯の増加などにより、まとめ買いやまとめ洗いによる「時短」需要が高まっていることが挙げられる。

 白物家電の世界最大の需要国は中国だ。同工業会の調査によると、16年のエアコンの世界総需要は約8631万台で、うち44.5%を中国が占めていた。中国は洗濯機の31.7%、電子レンジの21.5%を占め、いずれもトップだった。世界シェアで首位に立つのも中国企業。英国の調査会社ユーロモニター・インターナショナルによると、17年、ハイアールが冷蔵庫(17.3%)、洗濯機(14.6%)で世界シェア1位。エアコンでは珠海格力電器や美的集団のシェアが高い。

黒物家電、テレビが伸長傾向

 AV機器や、カーナビゲーションなどカー AVC機器を含む「黒物家電」。電子情報技術産業協会のまとめによると、2017年の民生用電子機器の国内出荷額は1兆2873億円で、前年より1.8%減少した。出荷数量ベースで前年を上回ったのは、4K薄型テレビ(前年比22.9%増)のほか、カーナビ(同4.5%増)、カースピーカー(同5.8%増)などの自動車関連が中心だった。

 薄型テレビの国内シェア(16年、金額ベース)1位は「AQUOS」のシャープ、2位は「BRAVIA」のソニー、3位は「VIERA」の パナソニック、4位は「REGZA」の東芝。09年、家電エコポイント制度の導入で買い替えブームが起きたが、20年の東京五輪・パラリンピックに向け、再び買い替え需要の波が期待されている。各社は高画質・高解像度の4Kテレビに加え、有機ELテレビでも攻勢をかける。

 薄型テレビの世界シェア(16年、同)1位はサムスン電子、2位はLG電子と、いずれも韓国企業。3位にソニーが食い込んでいる。2000年代後半までは日本企業が世界シェア首位だったが、韓国が逆転。10年代中盤からはハイセンス、TCLなど中国・台湾企業が台頭した。現在は国別にみると韓国、中国・台湾、日本の順番になっている。

最新トピックス

東芝の半導体子会社、2兆円で売却

 原子力発電事業の不振で経営難に陥っていた東芝は2018年6月、半導体子会社・東芝メモリの全株式を、米投資ファンドのベインキャピタルが率いる「日米韓連合」に約2兆円で譲渡した。東芝メモリは、世界の半導体業界で8位前後の売り上げ規模の専業メーカーとして独立するが、東芝も約3500億円を再出資し、日本の銀行団も計6000億円を融資した。東芝は、東芝メモリ株の売却益を得て財務基盤を強化し、再建を加速させる。営業利益の9割を稼いでいたメモリー事業に代わる収益源の育成が課題になる。

次世代テレビ「有機EL」に期待

 液晶テレビに次ぐ「次世代テレビ」として注目を集めているのが、有機ELテレビだ。2017年、国内のテレビメーカーが相次いで発売し、「有機ELテレビ元年」と言われた。深い黒を表現し、色彩コントラストを美しく出せるのが特徴。これは有機ELパネルが自ら光を出すためで、バックライトで照らし出す液晶に比べ残像が残りにくく、色彩を鮮やかに再現できるのが強みだ。

採用の傾向

主な採用職種

 「研究開発」「生産技術」「デザイン」「マーケティング・商品開発」「ソフトウェア技術」「機械設計」「電気設計」「生産管理」「品質保証」「購買」「物流」「国内営業」「海外営業」「広報宣伝」など。

高度な知識求められる「重電」

 消費者向けに完成品を売る「家電」とは違い、「重電」の製品は、企業や工場からの受注生産が主流だ。そのため、製品を売り込む営業職にも高度な技術知識が求められる。また、定期点検や補修も重要で、専門に対応する「サービスエンジニア」の部門を強化する動きが目立っている。