業界MAP

機械・プラントエンジニアリング

業界の仕組み

造船・重機、得意ジャンルで競う

 総合重機メーカーは、造船業を出発点として事業を多角化してきた。最大手の三菱重工業の製品は、火力発電所向けガスタービンや航空宇宙分野、大型産業機械、防衛など広範囲にわたる。鉄道車両やガスタービン、大型二輪に強い川崎重工業、航空エンジンや火力発電用ボイラーに強いIHIなど、各社とも得意分野を持っている。

 造船業界だけを見ると、かつて世界シェア5割を超える造船大国だった日本は現在、中国、韓国に次ぐ3番手に位置する。世界的に受注量は低迷している。2020年から船舶燃料に世界的な環境規制が導入されることによる駆け込み需要の反動減が起きている。こうした状況を背景に、国内造船各社の再編が進んでいる。13年、鉄鋼大手JFEホールディングスやIHIなど4社の造船部門が経営統合し、ジャパンマリンユナイテッドが設立されたのをはじめ、17年には三菱重工業が造船専業の今治造船、名村造船所、大島造船所と商船事業で提携した。

 一方、日本の航空機産業は、民間分野では米ボーイングなどの部品供給会社(サプライヤー)として地位を確立してきた。世界の旅客機数は今後大幅に増加する見込みで、大きな成長産業として期待される。

建設機械は回復、工作機械・ロボットは好調

 建設機械業界の圧倒的な世界シェアトップは米国キャタピラー。日本勢はコマツが2位、日立建機が4位で続く。2017年の国内企業の出荷額は前年比19.1%増の2兆5513億円(日本建設機械工業会調べ)で、3年ぶりの増加。インフラや住宅建設で建設機械需要が高まった北米やアジアなどの外需が牽引した。

 自動車や航空機からスマートフォンなどの電子機器まで、様々な工業製品の部品をつくる工作機械は、製造業の心臓部と言われる。17年の国内企業の受注額は前年比31.6%増の1兆6455億円(日本工作機械工業会調べ)。10年ぶりに過去最高を更新した。中国などの外需に加え、内需も自動車や半導体製造装置向けが牽引して急増した。業界ではIoT(モノのインターネット)化に対応した機種の開発が急務だ。オークマ、DMG森精機、 ヤマザキマザックなどは、IT(情報技術)企業と提携・協業して開発を進める。

 工業生産の主要部を担う産業ロボット業界は、複数の関節を持つ多関節ロボットと電子部品を基盤に載せる電子部品実装機に大別される。多関節ロボットは安川電機とファナックが世界4強に食い込む。17年の国内企業の産業用ロボット出荷額は前年比28.5%増の7126億円(日本ロボット工業会調べ、会員企業ベース)で、10年ぶりに過去最高を更新。中国向けを中心に輸出が大きく増加した。新興国で人件費が高騰したことから自動化需要は旺盛で、今後も市場の伸びが期待される。

プラントエンジニアリング、非LNG分野を育成

 エネルギーや石油化学などの生産設備、装置一式の設計や資材調達、施工を手がけるのがプラントエンジニアリング。日本では日揮、千代田化工建設、東洋エンジニアリングの3社が専業大手として有名だ。

 2016年度は、資源価格低迷を受けてLNGプラント(天然ガス液化施設)を得意とする日揮や千代田化工建設の業績が悪化した。千代田化工建設は17年度も営業赤字だ。各社ともメガソーラーや水処理など非LNG分野の育成が課題となっている。IHIや川崎重工業は水素発電設備の実用化に向けた取り組みを進める。

最新トピックス

三菱重工、2022年目標に小型MRJ投入

 三菱重工業は、開発中の国産ジェット旅客機MRJの小型モデル(70席級)を2022年に投入する目標を固めた。最大市場となる北米向けモデルとして期待される。

ホンダジェット、出荷数世界一

 ホンダの小型ジェット機「ホンダジェット」の2017年の出荷数が前年比20機増の43機となり、小型ジェット機(重量5.7トン以下)の分野で初めて世界一になった。

日揮、中国海洋石油工程と提携

 日揮は、中国の海洋エンジニアリング会社・中国海洋石油工程と提携した。プラントを効率よく建設する「モジュール工法」を得意とする同社と組み、LNGプラント建設を進めるのがねらい。LNGは新興国で需要が増えている。

採用の傾向

造船・重機業界の主な採用職種

 「設計」「製造管理」「営業」「資材調達」など。造船業界で働く場合、技術職以外の職種でも最低限の船の知識は持っておきたい。仕事上、多くの人と関わるので、コミュニケーション能力が大切。

建設・工作機械業界の主な採用職種

 「営業」「開発設計」「加工」「品質管理」など。機械設計はCADの知識が必須。社内外の人と円滑にコミュニケーションが取れる能力も磨いておきたい。

プラント業界の主な採用職種

 「施工管理」「設計」「メンテナンス」など。プラント運営は機械や化学、電気などの専門家が担う。必要な専門資格を取得する場合もある。