業界MAP

機械・プラントエンジニアリング

業界の仕組み

造船・重機……得意ジャンルで競う

ill_kikai.gif 総合重機メーカーは造船業を出発点として事業を多角化。日本最大の総合重機メーカー・三菱重工業の場合、取り扱う分野は火力発電所向けガスタービンや航空宇宙分野、大型産業機械、防衛など広範囲にわたる。鉄道車両やガスタービン、大型二輪に強い川崎重工業、航空エンジンや火力発電用ボイラーに強いIHIなど、各社強いジャンルを持つ。国内インフラの需要は低迷しているが、アジアなど新興国でのインフラ需要が見込まれる。

 造船業界をみると、かつて造船大国だった日本は世界シェアで中国、韓国に次ぐ3番手に位置する。一時期の大量建造による船腹過剰で発注が先細り、米調査会社IHSによると世界の受注量は2015年で約7720万総トン。2013年の約1億320万総トンから2年連続の減少が続く。日本のシェアは円安の影響もあって回復したが、新興国の景気減速や反動減で厳しい市場環境が続くと見られる。ただ、急速な規模拡大を続けてきた中国、韓国勢の中には急激な環境変化に順応できないところもある。国際海事機関(IMO)で決定される船舶関連の環境規制への対応では、技術力のある日本勢に有利に働くと見られる。

建設・工作機械……業界はやや低調、ロボットは好調

 「景気を映す鏡」とも言われる建設機械業界。2016年の出荷額は前年度比7.4%減の2兆1428億円(日本建設機械工業会調べ)で、2年連続の減少となった。国内は東日本大震災からの復興需要や東京五輪向けの投資が堅実なものの、海外は中国経済の減速、資源価格下落にともなう鉱山資源開発の停滞の影響から需要が全体的に低迷している。

 自動車や航空機、スマートフォンなどの電子機器など様々な機械の部品をつくる工作機械業界は製造業の心臓部と言われる。16年の受注額は前年比15.6%減の1兆2500億円(日本工作機械工業会調べ)。輸出は円高や世界経済の不透明感から減速し、国内はものづくり補助金や投資促進減税の効果が薄く、前年を割り込んだ。しかし、16年末から受注が堅調に推移し、17年は3年ぶりの増加が見込まれる。先進国でのIoTの普及、新興国での高品質製品を求める消費行動の高まりなどから、日本の高精度機の受注の伸びが期待される。業界では、IoT化へのニーズに対応した機種の開発が急務となっている。

 工業生産の主要部を担う産業ロボット業界は、複数の関節を持つ多関節ロボットと電子部品を基盤に載せる電子部品実装機に大別され、多関節ロボットは安川電機とファナックが世界4強の2つを占める。16年の産業用ロボット出荷額は前年比4.9%増の5546億円(日本ロボット工業会調べ、会員企業ベース)で3年連続プラス。国内の好調を支えているのが自動車産業向けで、電気機械産業向け需要の鈍化をカバー。海外市場では、欧州向けで伸び悩みが見られるものの、米国向けが堅調で、中国向けも回復傾向にある。

プラントエンジニアリング……原油安で求められる「非石油部門」の強化

 エネルギーや石油化学などの生産設備、装置一式の設計や資材調達、施工を手がけるのがプラントエンジニアリング。日本では日揮、千代田化工建設、東洋エンジニアリングの3社が専業大手として著名だ。液化天然ガス(LNG)プラントを強みとする日揮や千代化は、2014年末からの原油・ガス価格の急落により新設案件が減り、両社の2015年度受注高は前年を下回った。一方、化学プラントを強みとする東洋エンジニアリングは大型案件の受注が進んだ。今後は、プラント建設事業に依存しない多角的な戦略で、インフラや医療施設など「非石油部門」の強化が求められる。

最新トピックス

国産初のジェット旅客機MRJ納入、2020年前後に

 2015年11月に初飛行した三菱航空機の国産旅客機「MRJ」は、世界の航空会社などから計447機(キャンセル可能分含む)を受注している。ただ、納入開始が2018年半ばから2年程度先送りになった。開発が難航して、機体の大幅な設計変更が迫られたためだ。

アイ・シッピング

 IoT技術やAIを活用した海事産業の生産性革命をアイ・シッピング(i-Shipping)と言う。国土交通省では、アイ・シッピングの研究開発支援に乗り出している。日本が目指すのは、2025年に新造船建造量で世界シェア3割だ。

採用の傾向

主な採用職種

 「研究」「生産技術」「製品開発(ハードウェア、ソフトウェア)」「設計」「品質保証」 「購買・資材」「生産管理」「物流」「国内営業」「海外営業」「技術営業(営業に同行し製品機能を説明する)」「フィールドエンジニア(技術サポートを行う)」など。

「事業部別採用」と「ローテーション制度」

 理系の場合、企業によっては大学での専攻を生かせる配属部門をあらかじめ決定してから応募する「事業部別採用」をとっている。一方で幅広い専門家の育成のため、決められた年限ごとに配属先を変える「ローテーション制度」をもうけている企業も。

大手企業の「こんな人がほしい!」(採用HPから抜粋)

 「A c v t i v e 、B a l a n c e d e 、Creative」(三菱重工業)、「切磋琢磨できるチームプレイヤー」(川崎重工業)、「誠実と信頼・お客さまと社会のために・創造と革新・チームワーク・世界レベルのプロフェッショナル」(IHI)、「モノづくりへの徹底したこだわりを持った人」(ヤマザキマザック)、「自ら考え、皆と協力しながら、新しいことに果敢にチャレンジし続ける人」(安川電機)

【主要各社の大卒採用計画】
(2018年4月入社、カッコ内は2017年度実績)
三菱重工業/ 160(246)、IHIグループ/約270(277)、川崎重工業( 高専卒含む)/ 325(325)、コマツ/ 170(高専含む166)、DMG森精機/120(69)