業界MAP

文具・事務機器・OA機器

業界の仕組み

文具・事務用品は個人向けが好調

 筆記具やノート、ファイル、ラベル類などの事務用品を取り扱う文具業界。矢野経済研究所によると、2016年度の国内文具・事務用品市場規模は、メーカー出荷金額ベースで前年度より微増の4692億円だった。同研究所によると、「ここ数年、市場規模の底上げに貢献した筆記具の伸長に落ち着きが見られ、紙製品、事務用品類の縮小分を補いつつ、市場拡大までには至っていない」。ただ、高価格・高品質製品は引き続き人気が高い。オフィス備品としての需要はペーパーレス化などで減る一方、個人消費が市場全体を底上げしている。新製品が毎年数多く送り出され、ヒットも目白押しだ。その一例がシャープペンシル。芯が少しずつ回転して一定の細さで書けるタイプなどが人気だ。16年度の市場規模は、メーカー出荷金額ベースで前年度比3.3%増の155億円だった(同研究所調べ)。高機能・付加価値商品の展開の強化が功を奏している。

 総合文具メーカー最大手のコクヨはノート「Campus」ブランドが不動の人気で、アジアへの海外展開を進めている。2位のプラスは家庭用はさみ「フィットカット」がヒット。筆記具メーカー1位のパイロットコーポレーションは消せるボールペン「フリクションボール」が根強い人気だ。2位の三菱鉛筆も「ユニ」ブランドが定着し、油性ボールペン「ジェットストリーム」も売り上げを伸ばしている。最近の「大人の塗り絵」ブームでサクラクレパス、ぺんてるなど画材が強みの企業も堅調だ。

事務機器のオフィス需要は飽和状態

 事務・OA機器業界では、データを出力するプリンターに加え、複写機(コピー)、ファクス、スキャナーの機能も備えた複合機が主力商品だ。ビジネス機械・情報システム産業協会によると、2017年の国内・海外向け複写機・複合機出荷金額は8995億円で、前年比1.6%減。先進国ではIT機器の普及やペーパーレス化の進展などで、すでに市場は飽和状態だ。事務機器全体を見ても17年の年間出荷金額は1兆4454億円で、前年より1.3%減った。ただ、中国などの新興国ではカラー印刷機が堅調だ。

 複写機シェア世界1位の米ゼロックスと日本の富士ゼロックスは、大企業向けサービスに強い。世界2位のリコーは最大の販売網が強みで、海外販路の拡張も進める。大手各社は、オフィス内の複合機・複写機の情報を収集し、一括で運用・管理を受託する「マネージド・プリント・サービス(MPS)」で競い合う。顧客企業にとっても、効率的な複合機の配置によりコスト削減が期待できる。

 インクジェットプリンターは一般家庭用と業務用の大判プリンターがある。出荷台数ベースの世界シェアはHP(米国)が4割を超え、以下、キヤノン、セイコーエプソンと続く。

最新トピックス

ゼロックスと富士フイルムが提携解消へ

 富士フイルムホールディングスは2018年1月、米事務機器大手ゼロックスを買収すると発表した。両社の合弁会社である富士ゼロックスを米ゼロックスの完全子会社化し、経営統合する計画で合意していた。しかし、この計画に大株主から反対を受けた米ゼロックスは同年5月、買収合意を破棄すると発表。21年に期限切れとなる両社の提携契約も更新しない考えを富士フイルムに伝えた。これまでは富士ゼロックスがアジア太平洋地域での販売を担ってきたが、提携解消後は米ゼロックスが直接、アジアでも自社製品の販売に乗り出すという。これを受けて富士フイルムは、米ゼロックスが買収合意を破棄したのは契約違反だとして、10億ドル(約1100億円)超の損害賠償を求める訴訟を米裁判所に起こした。富士フイルムは、米ゼロックスが担当してきた欧米市場に進出し、米ゼロックスのアジア戦略に対抗する構えを見せている。

電子メモ「ポメラ」に最新機種

 文具メーカーのキングジムは2018年6月、電子メモ「ポメラ」シリーズの最新機種「DM30」を発売した。初代機「DM10」は08年、ビジネスマンが場所を問わずに文字をタイプし、メモできる道具として誕生した。これまで折りたたみ式キーボードを備えた携帯性重視モデルと、長文入力を想定した高機能モデルの2系統を販売してきた。最新機種はコンパクトながら、高級モデル譲りの編集機能も備えている。

採用の傾向

主な採用職種

 「研究」「技術開発」「生産技術」「商品開発」「品質保証」「生産管理」「調達・物流」「ソリューション営業」「技術サポート」など。

流行に敏感な感性が必要

 文具業界では技術力を投入し、新製品の開発に力を入れている。文系、理系を問わず活躍できる業界だ。また、流行に敏感な感性が必要とされている。事務・OA機器は周辺サービス事業にも力を入れており、こちらも文理を問わず幅広く採用している。