業界MAP

文具・事務機器・OA機器

業界の仕組み

文具・事務用品は個人向けヒット商品続き、万年筆が続伸傾向

ill_bungu.gif 筆記具やノートなどの紙製品から、ファイルやラベル類などの事務用品を取り扱う文具業界。矢野経済研究所の調べによると、2015 年度の国内文具・事務用品市場規模は、メーカー出荷金額ベースで4598億円の前年度比1.0%増だった。文具・事務用品市場は12年度以降、個人向け需要に対応したヒット商品が続いており、筆記具分野が大きく拡大して市場規模全体を底上げしている。15年度は好調の筆記具に加え、事務用品部門もプラス成長となり市場規模は微増で推移した。注目すべきは国内万年筆市場で、12年度から緩やかな拡大基調に転じ、15年度はメーカー出荷金額ベースで46億8000万円、前年度比19.1%増の大幅増となった。エントリーユーザー向けの低価格モデルが、女性や低年齢層へすそ野を拡げていることが好調の要因と見られている。さらに、訪日外国人のインバウンド消費も追い風で、日本独特の蒔絵などを施した商品がよく売れている。同研究所では16年度の国内万年筆市場規模は、メーカー出荷金額ベースで、前年度比15.4%増の54億円と予測している。

 日本の筆記具は海外での評価も高く、以前から海外進出が盛んな業界でもある。一方で、国内生産の比率も高いため、為替変動の影響を受けやすい業界でもある。

飽和状態が現れた事務・OA機器事業は新機軸が伸長傾向

 事務・OA機器業界は、データを出力するプリンタをはじめ複写機やFAX、スキャナーの機能も備えた「複合機」などを扱う。ビジネス機械・情報システム産業協会の調べによると2016年の国内・海外向け複写機・複合機出荷金額は9137億円で前年比94.1%と2年ぶりのマイナスとなった。先進国ではすでに市場の飽和が始まっており、事務機械全体を見ても16年の国内向け年間出荷金額は1兆4657億円で前年比91.7%となっている(同協会まとめ)。IT機器の普及やペーパーレス化の進展が要因で、予想されていた縮小傾向が現れた。

 業界はインクトナーなどの消耗品を売る事業から、機器のリースで課金するシステムへ変わる過渡期にある。この流れで伸びているのが、複合機など事務機の運用管理を請け負うMPS(マネージド・プリント・サービス)やBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)だ。ともにこの数年は伸長していて、MPSの国内シェアは富士ゼロックス、リコー、キヤノンが約9割を占めている。

最新トピックス

業界最長持続のレーザーポインタ発売

 コクヨは2017年5月、連続使用が業界最長の約60時間というレーザーポインター「for PC<GREEN>(ペンタイプ・長時間)」を発売した。緑色レーザーとパルス波を採用することで消費電力を抑え、約60時間の連続使用を実現した。これは、同社従来品と比べて約10倍。加えて、ページ送り機能を搭載しプレゼンなどでの使い勝手にも配慮している。プレゼンで必須のパワーポイントに対応し、OSはWindowsでもMacでも使える。電池交換時期お知らせ機能を搭載し、表示ランプが赤色に変化して交換時間を知らせてくれるため、プレゼン中に電池切れが発生するという不安も解消できる。

大塚商会が新技術のHCIキットを発売、業績も好調

 HCI(ハイパー・コンパージド・インフラストラクチャー:超収束基盤)のオフィス導入が近年話題になっている。これはコンピューティング、ストレージ、ネットワークの機能を外部ストレージに接続せず、高額な専用インフラを導入せずとも、複数サーバーの内蔵ストレージ間で共有する仕組み。管理が容易でコストも抑えられるなどメリットがある。コンピュータ・複合機・通信機器などを扱う大塚商会は、HCIをシンプルに導入できるキットを発売した。大塚商会は、2017年12月期の連結純利益が前期比2%増の272億円になる見込みと発表。サイバー攻撃を防ぐセキュリティー関連商品が伸びるほか、パソコンや複写機の販売も好調で売上高は4%増の6710億円を見込んでいる。

採用の傾向

主な採用職種

 「研究」「技術開発」「生産技術」「商品開発」「品質保証」「生産管理」「調達・物流」「ソリューション営業」「技術サポート」など。

技術で勝負する文具業界

 ブーム到来とも言われる文具業界では技術力を投入し、新製品の開発に力を入れている。文系、理系を問わず活躍できる業界だ。事務・OA機器は周辺サービス事業にも力を入れており、こちらも文理を問わず幅広く採用している。

大手企業の「こんな人がほしい!」(採用HPより抜粋)

 「進取の気性にあふれ、未知のものにチャレンジする気概に満ちた人」(キヤノン)、「改革の当事者でありたい人材」(リコー)、「人との相互信頼を大切にし、常に問題意識を持って柔軟な思考で改善・改革できる、自ら成長と学び続ける意志・姿勢を持った人」(富士ゼロックス)、「熱くなれる夢を持ち、困難にもがむしゃらに挑める人」(コクヨ)。「自分の利益だけを求めるのではなく、周囲へ配慮し行動できる、三者鼎立(さんしゃていりつ)をはじめとした5つの社是を体現できる人」(パイロット)

【主要各社の大卒採用計画】
(2018年4月入社、カッコ内は17年度実績)
キヤノン(短大、高専、専門学校卒含む)/445(430)、リコー(高専、高校卒含む)/ 150(142)、富士ゼロックス/ 107(104)、コクヨ/前年並み(51)、パイロット/未定(15)