業界MAP

化粧品・生活用品

業界の仕組み

化粧品……メーカーの努力で需要拡大、今後は海外展開がカギ

ill_keshohin.gif 経済産業省が発表した生産動態統計によると、2016年の化粧品の年間出荷金額は前年比1.1%増の1兆5236億円。これまでのピークだった1997年を上回り、過去最高額となった。また化粧品市場規模は2兆4500億円(予測値)で前年2兆4010億円に対し微増している(矢野経済研究所調べ)。

 2008年のリーマンショック以降、化粧品の出荷金額は大きく減少を続けていたが、14年10月に外国人旅行者向けの免税制度が拡充されインバウンド消費が伸びたことで、大幅な上昇に転じ、その後も緩やかに増加傾向にある。少子高齢化が進む中、人口増は見込めない成熟市場だが、参入障壁が比較的低いことからロート製薬、富士フイルムといった異業種企業が続々参入。最近は医薬分野からの参入が目立つなど厳しい競争環境にあるが、各メーカーの努力によって需要拡大に結びついている。

 今後成長が見込めそうなのが男子用化粧品市場だ。構成比率は全体の約5%と小さいが、15年度の市場規模は前年度比1.6%増の1178億円(矢野経済研究所調べ)。中高年世代をターゲットにしたヘアケア製品や簡便性を訴求したスキンケア製品が好調だ。若年層の美意識の変化から需要のさらなる拡大も期待される。

 国内市場が縮小するなか、各メーカーとも海外市場の開拓に力を入れる。早くから海外展開を進めてきた資生堂は近年ベトナム、スイス、米国、インドに現地法人を設立し、13年以降、海外売上比率は5割を超えている。メガブランドを要する海外化粧品会社がしのぎをけずる世界市場に進出するため、確立されたブランドを持つ海外企業のM&Aも活発だ。

生活用品……中国や東南アジアに商機あり、来日観光客への訴求も

 キッチン用品、洗剤、トイレ用品、ベビー用品、オーラルケアや殺虫剤など幅広い商品を扱う生活用品業界は、化粧品業界同様、国内市場は成熟している。このため各社とも海外展開に活路を見いだしている。特に東南アジアや中国への進出が軸となっている。

 90年代後半から海外展開を進めてきたユニ・チャームの2016年の海外売上高比率は57.7%。おむつ関連では世界シェア3位、アジアシェア1位だ。化粧品分野でもトップ企業の一つである花王は生活用品では国内シェアトップだが、海外売上比率は35%(16年)。

 東南アジアで伸びるスキンケア製品や衣料用洗剤、中国で好調な紙おむつなど花王のブランドを浸透させ、海外売上比率を高めていく。日本製の「高級ブランド」イメージをいかに海外での市場シェア争いにつなげていくかが日本メーカーにとって大きなカギとなる。

最新トピックス

花王、ソフィーナの海外展開を開始

 花王は2015年に発売開始した「SOFINA (ソフィーナ) iP」と16年に全面刷新した「ソフィーナ ボーテ」の基本ケアシリーズを、17年3月より台湾と香港で発売を開始した。台湾では百貨店「統一時代百貨」台北店のソフィーナカウンター内に先端の肌解析技術によるきめ細かいカウンセリングを行なうコーナーもオープン。中期経営計画中で掲げた「アジアコンシューマープロダクツ事業の拡大と利益率アップ」を積極的に進める。

ユニ・チャーム、サウジに紙おむつ新工場

 ユニ・チャームは17年4月、サウジアラビアで3番目となる新工場を稼働させた。主力商品の紙おむつや生理用品を生産し、サウジ国内の生産能力を2倍程度に引き上げることを目指す。以前からユニ・チャームは人口増加で紙おむつ需要が急増している中東市場を重視、12年にはエジプトでも紙おむつ工場を稼働させた。同社の16年度の中東での紙おむつの売上高は前年比2桁の伸びを示している。

アース製薬、ベトナム家庭用品メーカーを子会社に

 アース製薬は17年3月30日、ベトナムの家庭用品メーカーA My Gia Joint Stock Company(以下AMG)社の株式を全取得し、子会社化すると発表した。03年創業のAMG社は中高所得者層をターゲットとして、住居用洗剤や殺虫剤のブランドを展開。住居用・トイレ用洗剤のシェアでベトナム第2位。ベトナム北部を中心に成長を続けてきた。20年の海外売上げ目標を150億円としているアース製薬はベトナムに拠点を獲得し、飛躍的に経済発展を遂げている大メコン圏での展開を加速させることを目指している。

採用の傾向

化粧品メーカーの主な採用職種

 「研究」「生産・製造技術」「宣伝」「営業企画」「営業」「マーケティング」「ビューティーアドバイザー(顧客や専門店の店員に化粧品情報を提供し指導、販売する)」など。

生活用品メーカーの主な採用職種

 「基礎技術研究」「生産技術」「商品開発」「マーケティング」「デザイナー」「購買」「ロジスティクス」「生産管理」「品質保証」「企画営業」など。

女性の活躍の場が多い

 とりあつかう商品の特性から女性社員の比率が高い。そのためダイバーシティーマネジメントに積極的に取り組む姿勢を見せる企業も多い。消費者と直接向き合う商品がほとんどを占め、商品品質の向上やマーケティング戦略に多くの予算や社員が割かれており、求められる専門性も高い。語学力も必要だろう。

大手企業の「こんな人がほしい!」(採用HPから抜粋)

 「資生堂グループのワーキングプリンシプル『BIG WIN5』に共感し、体現することができる方」(資生堂)、「チャレンジを続けられる人材、高い専門性を持った人材、高い倫理観をもった人材、チームワークを大切にし協同で成果をあげる人材、国際感覚豊かな人材」(花王)、「ライオンらしさの原点ともいえる、L-Compassに共感し、実践することができる方」(ライオン)、「世界中の生活者に対し私たちと同じ志のもと世界第一級の商品とサービスを提供できる人材」(ユニ・チャーム)

【主要各社の大卒採用計画】
(2018年4月入社。カッコ内は2017年度実績)
花王/事務系32、技術系未定(155)、ライオン/ 85(76)、富士フイルムグループ/494(514)、資生堂/ 100(132)、コーセー/前年並み(62)