業界MAP

化粧品・生活用品

業界の仕組み

化粧品……高価格・高機能商品が牽引

 経済産業省の生産動態統計によると2017年の化粧品の年間出荷額は前年比6.9%増の1兆6292億円となり、2年連続で過去最高を更新した。

 08年のリーマン・ショック以降、化粧品の出荷金額は減少が続いていたが、14年に外国人旅行者向け免税制度が拡充され、インバウンド消費が伸びたことで、大幅な上昇に転じ、その後も緩やかな増加傾向にある。現在、インバウンドではトップブランドに人気が集まり、資生堂「クレ・ド・ポー ボーテ」やコーセー「コスメデコルテ」などの高価格化粧品が好調だ。

 景気回復を背景に国内の化粧品需要も増加傾向にあるが、アンチエイジングやオーガニックなど細分化する消費者ニーズに対応した機能性の高い商品に人気が集まっている。17年にはポーラ・オルビスや資生堂が、厚生労働省の認可を受けてシワ改善の薬用化粧品を発売し、大ヒットとなった(最新トピックス参照)。今後も高機能化粧品の需要が高まると予想されている。

 参入障壁が比較的低いことからロート製薬、富士フイルムといった異業種企業が続々参入。最近は医薬分野からの参入が目立つ。

 新たな市場として成長が見込めそうなのが男性用化粧品だ。富士経済によると18年の男性化粧品の市場規模は7年連続増加の1175億円と予想。中高年世代をターゲットに、ヘアケア製品やアンチエイジングを訴求したスキンケア製品が市場を引っ張っている。

生活用品……多様化するニーズに対応

 洗剤・台所用品などの日用品から、トイレ用品、ベビー用品、ハンドクリームなどのスキンケア商品まで幅広い商品を扱う生活用品業界。2016年度の国内市場規模は前年度比3.3%増の1兆8780億円とみられている(矢野経済研究所調べ)。成熟した国内市場を牽引するのは、化粧品業界と同様に生活スタイルや価値観の多様化に対応した高付加価値で高価格帯の商品だ。口腔ケアでシェア1位のライオンは歯ブラシ、歯磨き粉、洗口液などの高価格ブランド「システマ」が伸びている。

 生活用品業界シェア1位の花王は紙おむつ「メリーズ」などのサニタリー商品が好調で、17年12月期の営業利益は同社初の2000億円を突破した。少子高齢化でベビー用おむつの需要は縮小する一方、シニア向け市場は伸びている。25年に団塊世代が後期高齢者となるため、さらなる成長が見込まれている。

 各社とも海外市場に活路を見いだそうとしている。90年代後半から海外展開を進めてきたユニ・チャームの17年の海外売上高比率は58.9%に達した。おむつ関連ではインドネシア、タイ、ベトナムでシェア1位だ。

 海外展開では日本製の「高級ブランド」イメージをシェア獲得にいかにつなげていくかがカギとなる。また越境EC(国際的な電子商取引)ビジネスなどの強化も重要だ。

最新トピックス

ポーラのシワ改善美容液、海外販売を開始

 「シワを改善する薬用化粧品」として初めて厚生労働省の認可を受けたポーラの「リンクルショット メディカル セラム」は2017年1月の発売から9カ月間で80万個、約112億円を販売する大ヒット。海外からも注目を集め、18年6月に香港、台湾で発売を開始した。今後、海外販売を拡大していく予定だ。

コーセーとオッペン、中国向けECに出店

 コーセーは2017年10月にInagora(インアゴーラ)が運営する中国向けの越境EC「豌豆(ワンドウ)」で「肌潤化粧水」「肌潤クリーム」など16品目の販売を開始した。オッペン化粧品も同月「ワンドウ」で美白スキンケア「DR メディアッククリスタル」全7品などの販売を開始、越境ECに力を入れている。

フマキラー、ミャンマーに新会社設立

 殺虫剤分野国内3位のフマキラーは2018年3月、ミャンマーの最大都市ヤンゴン郊外に新会社「フマキラー ミャンマー」を設立した。ハエや蚊など一般家庭用の殺虫エアゾールを生産する工場を建設すると発表した。ASEAN諸国の中でも成長が見込まれるミャンマーでの事業拡大に力を入れていく。

採用の傾向

化粧品メーカーの主な採用職種

 「研究」「生産・製造技術」「宣伝」「営業企画」「営業」「マーケティング」「ビューティーアドバイザー(顧客や専門店の店員に化粧品情報を提供し指導、販売する)」など。

生活用品メーカーの主な採用職種

 「基礎技術研究」「生産技術」「商品開発」「マーケティング」「デザイナー」「購買」「ロジスティクス」「生産管理」「品質保証」「企画営業」など。

女性の活躍の場が多い

 取り扱う商品の特性から女性社員の比率が高い。そのためダイバーシティー・マネジメントに積極的に取り組む企業も多い。商品品質の向上やマーケティング戦略に多くの予算や人材が割かれ、求められる専門性も高い。海外展開が進むなか、語学力も必要だろう。