業界MAP

アパレル・ファッション

業界の仕組み

需要減少で求められる新たな販売手法

 アパレル・ファッション業界といっても、高級ブランドからカジュアル、ファストファッションまで幅広い。業態は、従来の「メーカー」、商品企画・製造から販売までを一貫して手がける「SPA」、仕入れを中心とした「小売り」に大別される。少子化が進んで衣料品を購入する若年層が減り、消費活動の多様化やシェアリングエコノミーの広がりもあって、衣料品需要の縮小傾向が続いている。

 アパレルメーカー2強の一つ、ワールドの2018年3月期の売上収益は2458億円と前年同期に続く減収だったが、営業利益は132億円と9.6%増えた。もう一方のオンワードホールディングスも18年2月期の売上高は前年同期比0.7%減の2430億円、営業利益は22.9%増の51億円。どちらもわずかに減収したが、営業利益は堅調に伸びた。近年取り組んできた事業構造改革の効果が出てきたようだ。両社とも自社のオンラインサイトを強化し、EC(電子商取引)での売り上げが順調に伸びている。

 アパレルメーカーの近年の不振の大きな要因は、長らく主要な販路であった百貨店やショッピングモールでの販売低迷にあった。しかし通販サイトでの衣料品の売上高は着実に伸びており、 スタートトゥデイ(18年10月、ZOZOに社名変更予定)が運営するファッションECサイト「ZOZOTOWN」(ゾゾタウン)の18年3月期の商品取扱高は2705億円まで拡大。メーカーの多くが人気通販サイトに出店するほか、自社サイトでのECを強化し、新たな販路の開拓に取り組む。

 ECで得たデータを分析し、ニーズに合った商品開発やきめ細かい販売プロモーションに生かしたり、AI(人工知能)を利用した物流戦略に取り組んだりする動きも注目されている。

SPAや小売店もECを強化

 SPAでは消費者の低価格志向のなか、国内と海外の企業の競争が続いている。

 ユニクロを展開するファーストリテイリングの2018年2月中間決算(国際会計基準)は、売上高が前年同期比16.6%増の1兆1867億円、営業利益が30.5%増の1704億円と、中間期では過去最高。初めて海外の売上高が国内を上回り、今後は中国や東南アジアを中心とした海外事業が成長を牽引していくと考えられる。

 一方、「ザラ」(ZARA)が主力のスペインのSPA、インディテックスの18年1月期決算は、売上高が前年同期比8.6%増の253.3億ユーロ、純利益が6.7%増の33.6億ユーロと伸びており、今後も日本へ攻勢を強めてくるだろう。

 仕入れ中心のしまむらの18年2月期決算は、売上高が前年同期比0.1%減の5651億円、営業利益が12.1%減の428億円と、08年以来の減収。主力事業「ファッションセンターしまむら」の苦戦などが原因だ。18年7月から「ZOZOTOWN」への出店を開始し、最終的には実店舗と同じアイテムをECでも販売することを目指す。SPA、仕入れ業態でもECの強化が重要となりつつある。

最新トピックス

オンワードとストライプが提携

 オンワードホールディングスとSPAのストライプインターナショナルが戦略的パートナーシップの締結を2018年7月に発表。9月上旬には両社が運営するECサイトに相互に出店する。また今後はオンワードのグローバルな企画生産プラットフォーム事業と、ストライプの商品企画力やマーケティング力を生かし、両社の商品力の強化を進めていく。

ワールド、ブランド古着の運営会社を買収

 ワールドは2018年4月、子会社を通じてブランド古着のセレクトショップ「RAGTAG」(ラグタグ)を運営するティンパンアレイを買収した。シェアリングエコノミーを牽引する若い経営者のノウハウを蓄積し、一次・二次流通の枠にとらわれない、新たなファッション価値の提供を目指す。

「ZOZOTOWN」が自動採寸のPBスーツを販売

 ファッションECサイト「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイは、2018年7月からプライベートブランド(PB)の男性用ビジネススーツとドレスシャツの販売を開始した。無料配布する身体計測スーツ「ゾゾスーツ」で自動採寸したデータをもとに身体にフィットした商品を届ける。

採用の傾向

アパレルメーカーの主な採用職種

 「商品企画」「マーチャンダイザー・バイヤー(アパレル商品の買い付け・管理をする)」「商品企画(ラインアップを決める)」「購買」「生産」「在庫管理」「販売(特にSPA業態では、販売スタッフの割合が非常に高い)」「スーパーバイザー」「広報宣伝」など。

「店舗で修業」からスタート

 入社後はまず店舗に配属されることが多く、ファッションセンスはもちろん、顧客とのコミュニケーション能力、アルバイトなどを統率する能力が問われる。そこで能力を認められ、マーチャンダイザーや複数の店舗を束ねるスーパーバイザー、プレス(ファッション業界での広報担当スタッフ)などへの道も開ける。