業界MAP

エネルギー

業界の仕組み

電力完全自由化で乗り換え加速

 人口の減少や省エネの進展で、電力・ガスは需要減が続く。さらに2016年4月に始まった「電力自由化」で、家庭などが契約先を従来の大手電力会社から新規参入組に変更する動きも進む。特に顕著なのは大都市圏だ。東京電力ホールディングス、関西電力の対象エリアである関東・関西圏では、契約先変更を申し出る顧客が相次いだ。地方では乗り換えの動きは鈍いとはいえ、17年1月時点で全国の顧客の7.7%が契約を切り替えており、数字は伸び続けている。

 新たに電力事業に参入したのは、都市ガス系の東京ガス、大阪ガス、東邦ガス、西部ガスなどや、商社系の伊藤忠エネクス、丸紅新電力、サミットエナジー(住友商事の子会社)など。さらに鉄道・旅行業系の東急パワーサプライ、HTBエナジー(エイチ・アイ・エスの子会社)などもある。20年をメドに計画が進む「発送電分離(発電と送電の分離)」が実現すれば、再生可能エネルギーの導入拡大と合わせ、電力会社の乗り換えはさらに加速するだろう。

ガスも自由化、電力各社が反撃

 一方のガス業界も、東京、大阪、東邦の大手3社が全国の販売量の約7割を占め、残りを西部ガス(北部九州エリア)、京葉ガス(千葉エリア)、北海道ガス、広島ガスなど200以上の事業者が分け合ってきた。家庭のエネルギーは、電力会社が「オール電化」で攻勢をかけてきたが、ガス会社は家庭用燃料電池「エネファーム」で巻き返しを図る。さらに2017年4月、都市ガスの小売り自由化が開始された。新たに参入したのは東電、関電のほか中部電力、九州電力などの電力系、日本瓦斯、岩谷産業、サイサンなどLPガス系だ。首都圏、関西、中部、九州北部で顧客争奪戦の火ぶたを切った。

 電力・ガスともに競争は激化し、既存企業は生き残りをかけた再編を迫られつつある。東京ガスは関西電力や東北電力と、東京電力は中部電力と提携を強化する動きがある。

石油は業界再編で2強体制に

 国産の原油は1%以下で、年間約2億キロリットルを海外からの輸入に頼っている。国内では人口減少と、エコカー・電気自動車の普及など省エネ化が進むにつれ、需要減が続く。国内の燃料油の販売量や給油所の数は、2000年初頭以降、ともに減少。このため国内では元売り大手の再編が進む。17年、国内シェア5割のJXTGホールディングスが発足。旧JX系の「ENEOS」と旧・東燃系の「エッソ」「モービル」などの給油所を展開し、石油のほか銅など非鉄金属の開発、精製、精錬販売までを手掛ける。18年7月には、元売り2位の出光興産が4位の昭和シェル石油を19年4月に完全子会社化して経営統合すると発表した。これにより、国内では上位2グループが80%のシェアを誇る2強体制になる。3位はコスモエネルギーホールディングス。アラブ首長国連邦政府系の投資会社が筆頭株主となり、同国で原油を開発・生産。他社との事業提携にも積極的だ。

最新トピックス

JXTGが大型火力発電所の建設検討

 石油元売り最大手、JXTGホールディングスが2018年7月、大型の火力発電所の建設を検討していることを明らかにした。当面は100万キロワット級の発電所をつくり、将来は400万キロワットまで自社電源を増やす。電力事業を石油に次ぐ規模に成長させる考えだ。発電所の立地は検討中。18年度中に都市ガスの販売も開始する。

米国がイラン核合意から離脱、原油が高騰

 トランプ米政権は2018年5月、イラン核合意からの離脱を一方的に表明した。経済制裁復活に向け、イラン産原油の輸入を完全に停止するよう、日本など各国に要請した。これを受け原油価格が高騰、日本国内のガソリン平均小売価格も約3年半ぶりに1リットル150円を超えた。産油国でつくる石油輸出国機構(OPEC)は増産を決めている。

採用の傾向

電力会社の主な採用職種

 「研究」「生産技術」「技術企画」「新事業推進」「設備施工」「資材調達」「機器メンテナンス」「品質管理」「営業」「法人営業」「広報宣伝」など。

ガス会社の主な採用職種

 「研究開発」「生産技術」「建設設計(ガス施設の設計)」「生産企画」「施工管理」「保安」「供給管理」「原料調達」「機器メンテナンス」「品質管理」「家庭用営業」「業務用・工業用営業」「技術営業(技術サポート)」「広報宣伝」など。

石油会社の主な採用職種

 「研究開発」「資源開発(採掘設備の建設企画・施工管理)」「設計建設(精製・備蓄設備の建設企画・施工管理)」「運転管理」「保守管理」「調達」「技術営業(業務用・工業用営業)」「リテール営業(販売店への営業)」「技術営業(技術サポート)」など。

東京電力が19年も「福島枠」

 東京電力ホールディングスなど関連4社は、福島県内の大学、高専などから2019年も25人程度の採用を目指す。4社の採用内訳は、各社の事業計画を踏まえて決定する。