業界MAP

素材

 

業界の仕組み

鉄鋼、パルプ、ガラスからレアアースまで広く産業を支える素材産業

ill_sozai.gif 素材産業には、鉄鋼、非鉄金属をはじめ、ガラス、セメント、セラミックスなどの窯業、ゴム、紙パルプなどの製紙業も含まれる。

 非鉄金属のうちアルミニウムや銅、亜鉛、鉛、錫などは鉄とともにベースメタルと呼ばれる。わが国の非鉄金属メーカーの原料調達のため、近年は日系鉱山会社や商社による鉱山開発、権益獲得も目立つ。

 また、ニッケルやクロムなどベースメタルに混ぜると材料の機能が高まる元素をレアメタルという。このうちハイテク産業に欠かせないネオジウムやイットリウムなどの希土類は、特にレアアースと呼ばれるが、原料を中国に依存する割合が高く、「中国脱却」が課題となっている。

世界の粗鋼生産は堅伸状態、日本は減産が続くも対抗策で雇用は安定

 日本鉄鋼連盟によると、2016年の世界の粗鋼生産量は16億2955万トン、前年比0.9%増で、16年ぶりに減産となった昨年から持ち直した。鉄は国家なりと言われるほど重要な産業であり、世界的には堅伸状態にある。しかし、日本の同年の粗鋼生産は1億477万トンで前年比0.3%減、2年連続でマイナスとなっている。これは、世界シェアの5割を占める中国によるインフラ建材を中心とした過剰生産が15年から持続しているのが大きい。このため、世界的に供給がだぶつき、通商問題が頻発するなど、日本にとって輸出環境が厳しい状態が続いた。また、英国のEU離脱など世界的な経済展望の不透明さもこの動きに拍車をかけた。これに対し、日本は企業再編、設備と労働力の集約、高品質と付加価値で巻き返しを図っている。

 素材産業の需要を左右する16年の国内の設備投資は、不安定な為替動向の影響もあり、やや力強さを欠いた。

薄型ガラスやエコガラスが好調

 ガラスは薄型ディスプレー、太陽光パネルに加え、近年はスマートフォンやタブレット用の超薄板ガラスが需要全体をけん引し堅調にある。また、近年は断熱・遮熱効果が高くCO2排出量を削減する効果が期待される「エコガラス」が新築戸建住宅で約4割の採用率を誇る。

 タイヤは自動車産業の動向にも左右されるが、現在はアフリカや東南アジアなど新興国需要が期待されている。セメントはインフラ更新や震災復興などの公共事業、2020年の東京五輪があるものの国内需要は限られ、海外展開を進める。

最新トピックス

新日鉄住金が日新製鋼を子会社化し、鉄鋼大手は3グループに

 2017年3月に、国内鉄鋼最大手の新日鉄住金が4位の日新製鋼を子会社化したことにより、鉄鋼大手は新日鉄住金、JFEホールディングス、神戸製鋼所の3陣営に集約された。鉄鋼は鉄を鉄鉱石から作る大手の高炉メーカーと、鉄くずから作る中小企業中心の電炉メーカーに別れる。大手の高炉メーカーは高度経済成長期以降、新興国との競争が激化し、この30年ほどリストラと再編を繰り返してきた。今回の3グループ化が、その終着点かどうかはまだ不透明だ。

神戸製鋼がホットスタンプ製造に参入、進化する自動車軽量化

 神戸製鋼所は2017年3月、加熱してプレスすることで強度が出るホットスタンプ(熱間プレス)材と呼ばれる鋼板の製作に、新規参入した。自動車のシャシーやボディーにアルミニウムや炭素繊維など非鉄素材の採用が広がるなか、鉄鋼業界はホットスタンプで対抗する。

ブリヂストン、チューブレス&空気充填も不要な自転車用タイヤを開発

 ブリヂストンは17年4月、パンクもせずタイヤへの空気充填も不要な新技術「エアフリーコンセプト」による自転車用タイヤを発表した。タイヤ側面の特殊形状スポークで荷重を支えることにより実現した。まずは試乗会などで利用者の声を聞き、20年の東京五輪を見据えて19年の実用化を目指す。自転車用をステップに「エアフリ-コンセプト」の自動車用タイヤの開発をすすめる。

採用の傾向

主な採用職種

 「研究」「先端技術開発」「生産技術」「評価技術開発」「商品開発」「商品設計」「設備企画」「品質管理」「設備技術」「購買」「生産管理」「営業」「セールスエンジニア」等。

理系の採用多いが、文系も機会

 素材メーカーは常に新しい技術や効率的な製造手法を追求しており、機械系、金属・材料系、電気・電子系、情報系、化学系などを中心に、理系の学生の採用に積極的だ。技術系の方が事務系より採用人数が多い傾向にある。

 しかし、事務系でも生産管理や購買、営業、財務、人事などの幅広い職種があって活躍の場は広い。本社や支社だけでなく工場の事務部門の勤務もあり、ものづくりの最前線に接する機会もある。海外の顧客との商談、提携、M&Aなど国際性のある分野も少なくなく、企業も語学などの社内研修を充実させている。

長い勤続年数と異なるスキル、知識

 製造業は非製造業より勤続年数が長い傾向にあり、とくに素材はエネルギーに次いで平均勤続年数が長いといわれる。鉄鋼や製紙大手の中には20年を超える企業もある。素材メーカーの営業の顧客は自動車や電機など他の製品メーカーなので、営業職はBtoBで新製品開発の提案などが重要になり、BtoCのメーカーの営業と異なる知識、スキルが必要になる。

【主要各社の大卒採用計画】
(2018年4月入社、カッコ内は2017年度実績)
日本製紙/49(51)、三菱マテリアル/ 91(93)、旭硝子/ 91(73)、日本ガイシ/約60(94)、新日鉄住金/ 340(347)、JFEグループ/ 553(596)、太平洋セメント(短大、高専、専門学校卒を含む)/ 50(57)、TOTO/ 131(119)