業界MAP

素材

 

業界の仕組み

非鉄金属は原料調達の確保がカギ

 私たちの暮らしを支える素材産業。鉄鋼、非鉄金属から、ガラス、セメント、セラミックスなどの窯業、ゴム、紙パルプなどの製紙業まで幅広い。

 非鉄金属には、アルミニウムや銅、亜鉛、ニッケルなどがある。自動車や航空機、電機関連の部品などに使われるが、原料となる鉱石は輸入に頼っている。日本企業は海外鉱山の開発により、銅や亜鉛などの調達・権益確保を進めているが、計画どおりに生産できず損失が発生しているケースもある。銅は、JX金属と三井金属がチリ・カセロネス鉱山を、住友金属鉱山もチリ・シエラゴルダ鉱山を稼働させた。亜鉛は三井金属がペルー、DOWAホールディングスがメキシコで鉱山開発を進行中。アルミに関しては、神戸製鋼所が2017年、アルミ素材世界2位のノベリス(米)の韓国工場に出資し、国内でもアルミパネル材加工の新ラインを設けた。

 ニッケルやコバルトなど、天然産出量が少なく貴重な「レアメタル」。このうち特にハイテク産業に欠かせない17種類を「レアアース」と呼ぶ。昭和電工、信越化学工業、日本イットリウム、第一稀元素化学工業などが取り扱い、永久磁石、固体レーザー、蛍光灯などに使われるが、原料の8割以上を中国に依存する。

鉄鋼は中国が市場動向を左右

 世界鉄鋼協会によると、2017年の世界の粗鋼生産量は、前年比5.3%増の16億9122万トンで、過去最高を更新。その約半分を占める中国は同5.7%増の8億3173万トンで、やはり過去最高だった。その中国では、14~16年の景気減速により生産能力が過剰となった企業が輸出を拡大。日本など他国企業の多くが減益や赤字に転じた。しかし16年後半、中国政府が粗鋼の生産能力の削減を表明。企業統合や環境規制強化など再編に着手し、内需回復もあいまって輸出は減少に転じ、市況は底打ちとなった。

 日本国内の鉄鋼需要は、建設・製造部門ともに上昇中だ。20年開催の東京五輪・パラリンピックに向けての工事や大都市圏再開発が需要を牽引しており、新日鉄住金、JFEホールディングスなど国内大手の17年度の業績は改善。企業再編、設備と労働力の集約などで競争力を高める。

国内市場の縮小続くガラス、紙・パルプ

 板ガラスの世界企業は旭硝子、サンゴバン(仏)、日本板硝子など。液晶パネル用ガラスではコーニング(米)、旭硝子、 日本電気硝子など。日本企業が高いシェアを誇ってきたが、市場は1990年をピークに縮小傾向。欧米では建築用・自動車用ガラスが好調だ。中国メーカーの台頭も顕著。自動車用ガラスに特化するフーヤオなどが猛追している。

 紙・パルプも国内需要が低迷している。ペーパーレス化が理由で、王子ホールディングス、日本製紙などは他社との連携や海外市場の開拓を進める。

最新トピックス

鉄鋼など米中「貿易戦争」の緊張高まる

 米国のトランプ政権が2018年4月、中国からの鉄鋼・アルミニウム製品の輸入に高い関税をかける措置を発動。中国は即時、報復措置で応じ、「米中貿易戦争」の緊張が一層高まった。一方、米商務省は同年6月、鉄鋼・アルミニウム製品の輸入制限を巡り、日本など5カ国から輸入する7企業の鉄鋼製品42件について追加関税の適用を除外すると発表した。ただ、今回除外を認めたのは、申請2万件超のごく一部。機械メーカー・不二越と自動車部品・日本リークレス工業の各米国子会社に加え、JFEがこれらの企業に輸出する鉄鋼製品の一部も除外となったが、日本最大手の新日鉄住金は除外対象には入らなかった。

新日鉄住金が日新製鋼の買収を完了

 国内鉄鋼最大手の新日鉄住金が4位の日新製鋼の買収を2017年に完了した。鉄鋼大手は新日鉄住金、JFEホールディングス、神戸製鋼所の3陣営に集約された。神戸製鋼所は同年秋、神戸製鉄所(神戸市)の高炉1基を停止し、加古川製鉄所(兵庫県加古川市)に一本化。21年には新日鉄住金も八幡製鉄所(北九州市)の高炉1基を実質廃止する予定。

採用の傾向

主な採用職種

 「研究」「先端技術開発」「生産技術」「評価技術開発」「商品開発」「商品設計」「設備企画」「品質管理」「設備技術」「購買」「生産管理」「営業」「セールスエンジニア」など。

理系の採用に積極的、文系にも機会

 素材メーカーは常に新しい技術や効率的な製造手法を追求しており、機械系、金属・材料系、電気・電子系、情報系、化学系などを中心に、理系の採用に積極的だ。事務系は生産管理や購買、営業、財務、人事などの職種があり、モノづくりの最前線に接する機会がある。

長い勤続年数と異なる知識・スキル

 素材メーカーは平均勤続年数が長く、鉄鋼や製紙大手には20年を超える企業も。素材メーカーの顧客は自動車や電機などのメーカーのため、営業職はBtoB(企業間取引)での新製品開発の提案が重要になる。消費財メーカーの営業とは異なる知識・スキルが必要だ。