
来年卒業する学生(学部4年、修士2年)の就職活動が最終盤に入るなか、すでにスタートをしているのが再来年、2028年卒(学部3年、修士1年)の就職活動です。人材確保競争が激しくなり就活の早期化がすすむなか、就活のひとつめの山場はいま、大学3年夏に多く開かれるインターンシップへの選考対策となっています。「売り手市場」とはいえ、早期化+長期化が進む就活への対応は簡単なことではありません。本連載では、そんな就活に挑む学生の活動をリアルにルポしていきます。また今年度から、Re就活キャンパス編集長・フッキーからのひとことアドバイスもつけていく予定です。
第1回に登場するのは、関西地方の女子大3年生・ミューズさん(仮名)。エンタメ業界にあこがれがあり、インターンシップの申し込みを進めているところです。「ガクチカ」(学生時代に力を入れてきたこと)のエピソードが薄いのが、いまの悩みだといいます。
(写真はiStock)
【関西私立女子大3年 ミューズさん】
■<就活のスタート>大学のキャリア授業をきっかけに意識
大学では音楽を専攻しています。高校時代に吹奏楽をやっていて、いつか舞台で輝く人を応援する仕事についてみたいと感じるようになり、いまの専攻を選びました。就職活動を意識しはじめたのは2年生に大学から勧められた「キャリアデザイン」という授業を受けたことがきっかけです。大手広告代理店出身の先生が業界研究の仕方を、グループワークを交えながら教えてくださって、「こんな業界があるんだな」と知ることができました。
■<インターンシップ>大手エンタメ企業のインターンシップにエントリー
3年生になってからは、大学のキャリアセンターをかなり活用しています。自己PRやガクチカの書き方を教えてもらえるガイダンスに参加して、4回ほど個別面談で添削もしてもらいました。今、特に志望度が高いのは、舞台も手がけている大手エンタメ企業です。そこのインターンシップには、書類と動画を提出して結果待ちの状態です。また、エンタメ業界を目指すならマーケティングの知識が大切だとキャリアセンターの方にアドバイスをいただいたので、大手エンタメ系会社のマーケティングインターンシップにもエントリーしています。ただ、ある合同就活フォーラムで大手エンタメ企業の人事担当の方が「自分は新卒でエンタメ業界に全落ちして、中途採用で入社した」とおっしゃっていて、エンタメ業界がいかに狭き門かを実感しました。
■<就活の悩み>ガクチカのエピソードが薄く感じられる
就活に向けて、SPIの対策も進めています。赤本と呼ばれる問題集をやっていますが、数理分野がかなり不安で……。
もう一つ悩んでいるのが、ガクチカや自己PRのエピソードが薄く感じてしまうことです。大学での国際交流活動や高校時代の勉強の話などのエピソードはあるのですが、通過した人たちのエントリーシートを見ていると印象に残るエピソードばかりで、なかなか自信が持てないでいます。キャリアセンターの方には「書き方次第だから気にしなくていい」と言っていただいています。
<編集長フッキーのアドバイス>興味のない業界もチェックし視野広げていこう

日本のこれからの発展を担うエンタメ業界を志望する心意気はすばらしいです。キャリアセンターを利用して個別面談を重ねるなど、事前準備も好印象です。ぜひ情熱をもって、就職活動に挑んでほしいと願っています。選考に欠かせないSPI対策をいまからしっかりやっているのもgoodですね。
ただ、ミューズさんも気づいているようにエンタメ業界の採用数は他の業界と比べて決して多くなく、「狭き門」ということは知っておく必要があります。たとえば映画配給会社最大手の東宝は、2026年卒の入社人数は21人。出版社大手の集英社は2025年の採用が19人と、いずれも約20人程度です。どうしてもエンタメ業界で仕事したいと考える場合、大手だけを視野に入れるのではなく、自分が具体的にエンタメ業界で何をしたいのか、どういう社会人になっていきたいのかをよく考え、選択肢を広げていくことも大切です。
視野を広げるためにはぜひとも志望する業界以外、できればいま興味のない業界の企業説明会などに進むことをおすすめします。もし「ここはやっぱり違う」と感じたのなら、それは「やっぱり志望業界に進みたい!」という強い意思形成、志望業界に進む理由の的確な言語化につながります。ぜひ検討してみてください。
また、大手エンタメ会社であれば、複数のエンタメ事業、場合によっては知財事業や不動産事業などエンタメからは離れた事業を行っていることもあります。行きたい会社がどういう事業を展開しているかも理解し、「どの事業にも対応できます」という姿勢を示せるようにしておくことも、就活では大事な心構えだと思います。
(写真・山本友来)
◆朝日新聞デジタルのベーシック会員(月額980円)になれば毎月50本の記事を読むことができ、スマホでも検索できます。スタンダード会員(月1980円)なら記事数無制限、「MYキーワード」登録で関連記事を見逃しません。大事な記事をとっておくスクラップ機能もあります。お申し込みは
こちらから。