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2014年10月07日

ローソン、高級スーパー成城石井買収

流通

ローソン、客層拡大狙う 高級スーパー成城石井買収 (10月1日朝日新聞朝刊)

 コンビニ大手のローソンが、首都圏を主な地盤とする高級スーパー、成城石井(横浜市)を約550億円で買収すると9月30日発表した。ローソンはこれで、高級スーパー事業に参入する。

【目のつけどころ】コンビニの系列関係を把握してライバルに一歩差を

 関東、中京、近畿の3大都市圏で約110店舗を展開し、高級スーパーの代名詞として知られる成城石井。デフレ不況の中にありながら、最近まで5年連続で増収増益を記録するなど、好業績で知られていました。

 このスーパー業界の「優等生」をめぐっては、今年春ごろから、ローソンのほかにも大手百貨店の三越伊勢丹グループや、スーパー最大手のイオンなどが「買収を検討している」と報じられてきました。

 しかし、ガチの勝負となれば、有利なのはローソン。なぜなら成城石井の筆頭株主は「丸の内キャピタル」という三菱商事系の投資ファンドで、ローソンも三菱商事系ですからね。そんな本命通りの結果となりました。

 ちなみにローソンは、もともとはダイエーの子会社でしたが、ダイエー本体の業績悪化にともなって、2001年に筆頭株主が三菱商事へ移りました。翌年から長らくローソン社長を務めてきた新浪剛史氏も、三菱商事の出身です。

 今回のニュースは、このコンビニ業界を中心とした小売業界の再編を予感させますが、こうしてみるとコンビニ各社の系列関係を理解しておくことも、業界研究には必要に見えます。そこで業界内の順位に沿って、簡単に整理してみましょう。

【1位】セブン-イレブン
 ←セブン&アイグループ ←三井物産が出資
 系列:イトーヨーカ堂、ニッセンなど

【2位】ローソン
 ←三菱商事が出資
 系列::ユナイテッドシネマ、九九プラスなど

【3位】ファミリーマート
 ←伊藤忠商事が出資
 系列:イズミヤ、無印良品など

【4位】サークルKサンクス
 ←ユニーグループ

【5位】ミニストップ
 ←イオングループ

 では、今回のローソンによる成城石井の買収によって、こうした業界地図が今後どのように塗り変わってしていくか。注目しましょう。

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