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2014年10月03日

いすゞ自動車とGM、共同開発を継続

自動車・輸送用機器

いすゞ・GM、共同開発継続 (9月27日朝日新聞朝刊)

 いすゞ自動車は9月26日、米ゼネラル・モーターズ(GM)と、主に新興国で販売するピックアップトラックの共同開発を続けることで合意した、と発表した。両社は2006年に資本関係を解消したが、いすゞが得意とする小型のトラック分野での協業は維持するつもりだ。

【目のつけどころ】東南アジア市場の動きに注目

 この週の経済ニュースは偶然にも、東南アジア市場をにらんだ各業界の話題が重なりました。

 たとえば、
「三越伊勢丹、クールジャパン発信 マレーシアに専門店」(9月26日朝刊)
 は、伝統工芸や地場産業の技術を活用した日本らしい商品の販売に乗り出すデパートの動きでしたし、
「東芝、ASEAN事業強化」(9月25日朝刊)
 は、東南アジア地域で大規模な投資をして売り上げを伸ばそうとする電機メーカーの話でした。

 さてそこで、今回のニュース。日米の自動車メーカー、いすゞとGMが小型トラックを共同開発する、という内容です。さらりと読むだけでは気づきにくいのですが、実はこれも「東南アジア狙い」の業界動向です。記事には「新興国で販売する」という表現だけですが、その最大のターゲットはずばり、東南アジアです。

 いすゞとGMは以前も資本提携をしていましたが、8年前に解消しました。今回の「復縁」の狙いは、GMが苦手とする東南アジア市場を、いすゞと協力して開拓していこうとするものです。

 いすゞはタイに小型トラックの生産工場を持つなど、アジアに強みがあります。ところが世界的な自動車メーカーであるGMは、アジア展開が大きく遅れ、シェアが低迷してきました。両者の協力で、この魅力的な市場を切り開こうとしているわけです。

 そうです、東南アジアは今後ますます発展が見込まれる地域。たとえば家電の普及率を見ると、日本なら9割以上の世帯にある「冷蔵庫」がフィリピンやインドネシア、ベトナムではまだ30~50%どまりですし、「洗濯機」はさらに低く20~30%。つまり、それだけ今後の広がりが期待できるわけですね。さまざまな業界が、この大きな将来性に期待をしているのです。

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