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2014年07月08日

サッポロビール、再発売の「極ZERO」好調

食品・飲料

再出発「極ZERO」好調 (7月5日朝日新聞朝刊)

 サッポロビールは15日に発泡酒として再発売する「極ZERO(ゴクゼロ)」の全国からの注文が52万ケース(1ケースは大瓶20本換算)に達したと発表した。発売前から計画を4%上回る好調ぶりだ。

【目のつけどころ】 行政の透明性

 はっきりしないニュースです。それだけ「考える材料になる」とも言えそうです。
 サッポロビールの「極ZERO」は、ビールでも発泡酒でもない「第3のビール」として昨年6月に発売され、大ヒット商品になりました。ところが今年1月に国税庁から、
 「もっと高い税率になる可能性がある」
 と指摘され、5月から製造を中断していたのです。

 この「第3のビール」とは、ビールとよく似た味をもちながら、製法が異なるため、税率が低く抑えられているビール系飲料のこと。ビールのような麦や麦芽以外を原料として使って作る方法と、発泡酒に蒸留酒(スピリッツ)を混ぜて作る方法があります。極ZEROは、後者でした。

 さて、はっきりしないのは、なぜこの極ZEROが、国税庁から「第3のビールではない」とにらまれたのか。その理由です。
 実はサッポロも国税庁も、その理由を明かしていません。これまでの新聞記事でも、サッポロは「営業秘密。説明は控えたい」とし、国税庁も「守秘義務があり話せない」としています。この状態がずっと続いているのです。

 どう思いますか。国が企業に多額の税金を課すのに、その根拠が明確に示されていない。しかも、国も企業もそろって「秘密にしたい」とコメントしている。不思議ではありませんか。

 企業の秘密と、行政の透明性。二つのバランスは、どうあるべきでしょうか。この機会に、考えてみませんか。

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