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2014年01月27日

携帯4社 「4G」周波数割り当て要望

通信・インターネット関連

次世代携帯へ4社PR 「4G」周波数割り当て要望 (1月24日朝日新聞朝刊)

 総務省は、第4世代(4G)と呼ばれる次世代の携帯電話通信向けに周波数を割り当てる作業を本格化する。23日の公開ヒアリングでは、携帯4社のトップがそろって出席し、経営戦略をアピールした。

【目のつけどころ】 携帯に使われる電波の特徴

 利用者が増え続けている携帯電話のために、新しい周波数帯の電波を割り当てる……。そんな話題をめぐるニュースです。これまで使われてきた周波数帯よりも、さらに周波数が高い電波(つまり波長が短い電波)が新たに携帯電話で使えるようになり、機能が高まる面も出てきます。

 さて、理科系の学生にとって、たとえばこの「周波数が高い」イコール「波長が短い」という関係などは、きわめて初歩的な科学的常識でしょう。しかし不慣れな人にはややハードルが高いかも知れません。
 そこで今回は、携帯電話に使われる電波の周波数帯と、それぞれの特徴を整理してみます。こうした背景知識があれば、普段のニュースもぐっと理解しやすくなるでしょう。

 これまで携帯電話に使われていた周波数帯は、大きく分けて二つありました。「700~900メガヘルツ」と「1.5~2ギガヘルツ」です。
 ではまず700~900メガヘルツについて。単位のメガヘルツとは、「1秒間に100万回振動する」という意味です。
 こうした低い周波数の電波には、次のような特徴があります。
・電波が建物の影などに回り込みやすい
・送ることができるデータ量が少ない
・電波が距離によって減衰しにくい
・昔からの利用者が多く、電波が混雑している

 これに対して1.5~2ギガヘルツはどうでしょうか。ギガヘルツは「1秒間に10億回」です。特徴は700~900メガヘルツと対称的です。
・電波がまっすぐに進みやすい
・送信できるデータ量が多い
・電波が減衰しやすく、遠くに届かない
・利用者がまだ少ない

 こうした特徴の違いによって、周波数帯による利点と欠点も生まれます。
 低い700~900メガヘルツは、競争が激しくて貴重ですから「プラチナバンド」とも呼ばれてきました。電話会社でも使用権をめぐる激しい奪い合いをしています。携帯電話を「会話」のために使うには便利ですが、「データ送受信」は苦手でした。
 高い1.5~2ギガヘルツは、電波が減衰しやすいし、建物の影などでは通じにくいのですが、一方で「より細かなエリア設定が出来る」といった特長を生かして、新たなサービスもできるわけです。

 新しく割り当てられる周波数帯は、さらに高い4ギガヘルツです。ここまで来ると、非常に大量のデータ送受信が可能になりますから、新たな携帯電話の利用方法が生み出されるに違いありません。

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