業界研究ニュース

2017年03月07日

宅配便の「危機」で生まれたビジネスチャンス!

教育・生活サービス

宅配ボックスで再配達いらず

 パナソニックは、届いた荷物を屋外に出なくても取り出せる、戸建て住宅用の「宅配ボックス」(写真)を開発した、と発表しました。最近は急増する宅配便に配送する人手が追いつかず、宅配便業者はサービスの質を落としたり値上げしたりせざるを得ない状況に追い込まれています。こうした問題を緩和させるものとして注目されているのが、宅配ボックスです。留守宅にも荷物を届けることができ、再配達の手間が省けます。
 パナソニックだけでなく、宅配ボックスのメーカーや配送業者は、新製品の開発や新サービスの提供に動き出しています。深刻な社会問題が起きると、解決するためのビジネスチャンスが生まれます。「ピンチの後にはチャンスあり」は、野球だけの格言ではないのです。
(2017年3月7日 朝日デジタル)

サービス落としたり値上げ検討したり

 ヤマト運輸は、急増するネット通販の宅配便にドライバーの数が追い付かず、膨大な残業代の未払いが発生したり、大幅な減益になったりしています。そのため、昼時の時間指定をなくそうとしたり、値上げを検討したりしています。ヤマト運輸だけでなく、宅配便業者は多かれ少なかれ同じ問題を抱えています。
 詳しくは、今日の朝刊「通販増えすぎ ヤマトが荷物抑制…人手不足の功罪は?」(2017年2月24日)を読んでみてください。

戸建ては手つかずの市場

 問題の緩和策の一つが、宅配ボックスの普及です。最近、特に都市部では昼間不在の家庭が多く、何度も配達するのが常態となっています。宅配ボックスは、そこに入れておけばいいわけですから、一度の配達で済み、ドライバーの手間は大幅に軽くなります。新しいマンションでは設置されるところが増えていて、物件を選ぶ時の重要なアイテムになってきています。近年では、大手通販業者が、駅や商業施設などに宅配ボックスを設置する例も相次いでいます。
 ただ、戸建て住宅の場合はこれからで、ほとんど手つかずの市場が広がっている状態です。このため、宅配ボックスのメーカーは、戸建て向けの商品を発表しているわけです。
(写真は、楽天が駅に設置している会員向けの宅配ボックスです)

日本郵便は書留もOK

 また、日本郵便は宅配ボックス大手のナスタ(東京)と共同で、新しいサービスを始めると2月に発表しました。戸建て住宅にナスタが開発した宅配ボックス(写真)を設置すれば、荷物に加えて一般書留、簡易書留も受け取れるというものです。戸建ての場合、自分でお金をかけて宅配ボックスをつけるメリットが大きくないので、別の便利さを付け加えることで普及させようという戦略です。今後は、日本郵便が安全性を認めた他社製のボックスでも、同じサービスが使えるようになる見通しだそうです。

社会問題あるところにニーズあり

 社会問題が発生すると、それを解決する商品やサービスが必要とされます。例えば、公害が深刻になると、排気ガスや排水を減らしたりきれいにしたりする技術や商品のニーズが高まります。花粉症が深刻になると、症状を和らげる薬や商品がよく売れるようになります。問題の抜本解決になるかどうかは様々ですが、そこに新たなニーズが生まれることは間違いありません。人々のニーズを満たすのがビジネスです。そうした目線で世の中を見ていると、就活だけでなく社会に出てから役立つ気づきがあるかもしれません。

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