業界研究ニュース

2016年11月22日

人手不足が生む外食や小売りの営業時間短縮

外食

ロイホもマックも… 外食24時間営業、なぜ縮小

 外食業界で、深夜残業をやめたり短くしたりする動きが広がっています。ファミリーレストラン「ロイヤルホスト」=写真=は来年1月までに24時間営業をなくします。日本マクドナルドも24時間営業の店を減らしています。営業時間を減らしたり、休日をもうけたりする動きは、居酒屋チェーン、スーパー、百貨店、コンビニなどでも目立ちます。最も大きな理由は、人手不足のようです。

(2016年11月18日朝日新聞デジタル)

数年前までは営業時間を延ばす動き

 外食や小売りは、数年前まで営業時間を延ばすことで売り上げを増やそうとしていました。ファミリーレストランや牛丼チェーンは、24時間営業の店を増やしていました。中堅スーパーでも、24時間営業をするところが増えていました。

 24時間ではありませんが、スーパーや百貨店では、閉店時間を遅くしたり、開店時間を早くしたり、休日を減らしたりして、営業時間を延ばしてきました。しかし、それも数年くらい前から勢いが衰え、ここにきてはっきり営業時間を短くする方向になっています。

賃金は高く客は少なく

 理由は、人手不足が一段と深刻になってきたからです。団塊の世代が60代後半から70代に入り始め、労働市場から退出しています。若者人口は年々少なくなっていて、深夜に人材を確保しようと思えば、賃金は高くなります。

 しかも、「深夜はきつくて危ない」と広く言われるようになり、いっそう人が集まりにくくなっています。一方で、少子高齢社会で活動量が減りますから、かつてのような「眠らない街」も比較的静かになっています。お客さん自体も減っている実情があります。つまり、コストはかさむのに売り上げは落ちるので、無理して24時間営業をすることもない、という判断になるわけです。

(写真は、2015年4月に撮影された牛丼「すき家」の店舗です。深夜帯は「1375円」など、時給を上げて人を確保しようとしているのがわかります)

正社員にとっても悪くない

 営業時間の短縮は、働く側からすると悪いことではありません。管理する正社員にしても、営業時間が長いとその分、対応する時間は長くなるはずです。もちろん、仕事は交代することになっているでしょうが、担当しているところで何かあれば時間外でも働かざるを得ないのが一般的です。百貨店や居酒屋チェーンは、休日を増やしています。社員にとっては、完全に休める日が増えるはずです。

これまでが「開け過ぎ」

 そもそも利用者からしても、24時間365日、店が開いている必要性をどこまで感じているでしょうか。「正月3が日はほとんどの店が休み」という時代がかつてありました。それはそれで、買いだめ、作りだめなどで乗り切り、社会全体がゆったりとした空気に包まれていました。

 ドイツでは、日曜日に空いている店はほとんどありません。少し前までは閉店法という法律で日曜日は開けてはいけないと決められていました。今は緩和されましたが、それでも開ける店はごく少数だそうです。日本の外食業界や小売業界は、これまでが「開け過ぎ」だったのです。どちらかというと「ブラック」とか「残酷物語」といったイメージをもたれがちだったのもそのせいです。延びきった営業時間を短くすることは勘定にあう、と経営者が総合的に判断するようになったのだと思います。

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