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2016年11月04日

大丸とエルメス、京都の町家でコラボ

流通

エルメスが京都・祇園に新店舗、期間限定

 いまや外国人観光客の人気スポット、京都・祇園。ここに大丸京都店が開いた町家(まちや)を改装した新店舗「祇園町家」に、エルメスが9カ月間の期間限定で出店します(11月3日から)。まずは、定番スカーフを中心に扱うそうですが、お客さんからエルメスのスカーフを預かり2週間ほどかけて染め直すサービスも始めるそうです。
(2016年11月2日朝日新聞デジタル)

(写真は、エルメスが入る大丸「祇園町家」の店内。スカーフを染め直す洗濯機もあります)

中から芸妓さんが出てきそう?

 「祇園町家」店は祇園のお茶屋街にあります。木造2階建て、瓦屋根に土壁、格子窓のたたずまいは、まさに「お茶屋」さん。中から芸妓(げいこ)さんが出てきそう。大丸は1717年、京都・伏見で創業しましたが、この「京都・町家プロジェクト」は来年300年を迎える大丸の記念事業の一環だそうです。対するエルメスは1837年、パリで馬具工房としてスタートしました。京都とパリは友好姉妹都市でもあります。

(写真は、大丸「祇園町家」店の外観です)

減る町家、転用で歯止め

 京町家については、朝日新聞9月25日付朝刊にも「京町家 解体届け出制を 年2パーセント減少 活用向け京都市検討」の記事がありました。2008~09年の調査で京都には4万7735軒の町家があったのが、年2%のペースで減っています。一方では、町家のレストランや宿泊施設への転用も増えているそうです。解体されようとしている町家を把握し、活用を希望する人と結びつけるマッチングを狙っています。

古いものに新しい価値を見出そう

 歴史文化都市の京都市は「町家は京都の歴史・文化の象徴」として町家保存・再生に積極的で、2000年には町家再生プランをまとめています。(京都市のウェブサイト)
 大丸の新店「祇園町家」店は、京町家の再生活用の好例ですね。古いものに新たな価値を見出すことは、ビジネス創出のひとつの手法です。最近はインターンシップのワークやエントリーシートでビジネスのアイデアを出させる企業も少なくありません。冒頭の記事はそんな課題のヒントにもなるでしょう。ふだんからニュース感覚を磨いてください。

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