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2016年10月28日

プラモデルの輸出額日本一のまちは? バンダイ、タミヤ、ハセガワの工場はどこ?

レジャー・アミューズメント

静岡が「プラモデルの聖地」になった理由 出荷額日本一

 静岡は「プラモデルの聖地」と呼ばれているそうです。「機動戦士ガンダム」のプラモデル、通称ガンプラの生産拠点「バンダイホビーセンター」が静岡市清水区にあり、ガンプラの累計販売台数は2016年3月までに約4億5940万個に上ります。同じ静岡市駿河区にはミニ四駆でおなじみの「タミヤ」、焼津市には飛行機の「ハセガワ」など、プラモメーカーの本社や生産拠点が集中しています。

(2016年10月26日朝日新聞デジタル)

(写真は、バンダイに飾られている組み立て式の12分の1ガンダムです)

そもそもは徳川家康に遡る?

 静岡県はプラモ出荷額全国1位、シェアは9割以上です。財務省貿易統計による清水港(静岡市清水区)のプラモデルの輸出額は、2011年の34億167万円から年々伸びていて、昨年は2.5倍の84億9762万円と過去最高をマークしたそうです。

 なぜ静岡にプラモデル会社が多いのかというと、徳川家康に遡(さかのぼ)るのだとか。家康が駿府城築城や久能山東照宮、浅間神社の造営に全国から集めた宮大工、彫刻師が定住したのがきっかけだそうです。

木製模型からプラモデル、ガンプラへ

 木工の伝統から、戦前の1941年、木製模型の長谷川製作所(のちのハセガワ)が創業し、同じく終戦直後の46年にはタミヤが創業しました。1960年代に入ると海外のプラモデルに押され、木製模型メーカーが相次いでプラモメーカーに“変身”。80年代にガンプラはじめとするアニメものがブームになりました。

 バンダイはもともと東京・浅草の創業ですが、70年代終わりに静岡市で倒産したプラモメーカーから工場や金型などの資産を引き継ぎ、プラモ造りを始めました。

(写真は、「ガンプラ」の生産拠点となっている、静岡市のバンダイホビーセンターです)

鯖江市はメガネフレームで9割のシェア

 ずば抜けて特定製品のシェアが高い地域といえば、メガネフレームの福井県鯖江市が有名ですね。国内シェアの9割以上を占めています(鯖江市のウェブサイト)。
 
 明治時代の1905年に、冬場の農閑期の現金収入にと大阪や東京から技術者を呼んだのが始まりとされます。製造技術と人材、製造機械の蓄積・伝統が、静岡や鯖江のような、ものづくりナンバーワンの都市を生んでいます。業界研究も、色々な地域に目を向けると思わぬ発見がありそうです。

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