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2016年05月17日

新しい家でも地震で全壊?災害が社会に与える影響考えよう

建設・不動産・住宅

新耐震基準で全壊51棟 熊本・益城(2016年5月10日朝日新聞朝刊)

 熊本県などの一連の地震で被害を受けた同県益城(ましき)町で、耐震基準が厳しくなった2000年以降に建てられたと見られる木造家屋の全壊が51棟あることが日本建築学会九州支部の調査でわかった。強い揺れが繰り返されたことで、耐震性能が劣る古い建物だけでなく、比較的新しい建物にも大きな被害が出た実態が見えてきた。

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 熊本・九州の大地震から1カ月がたちました。現在も避難所生活を送っている方が1万人以上います。早期の復興を、願ってやみません。

 日本は災害の多い国です。だからこそ、こういった災害時には被害の状況をこまかく調べ、次に災害が起きたときに被害が広がらないようにする施策、心構えをすることが大切です。自分が住んでいる地域以外の災害であってもひとごとと捉えず、自分の人生にひきよせて考えるくせを身につけてください。

 今回とりあげたニュースは、家の「耐震基準」について報じています。家に限らず、建築物を建てるときは建築基準法などに定められた「耐震基準」を満たす必要があります。「確認申請」という手続きをへて耐震基準をはじめとする建築基準関係の法律に合致していると認められなければ、そもそも家などの建築物は建てられません。それだけ、重要な基準なのです。

 耐震基準は過去の大地震にあわせ、何度も見直されてきました。1971年には3年前に起きた十勝沖地震を受けて基準が強化され、1981年の改正では大きな地震が起きても建物が壊れないように基準が設定されました。一般的にはこの改正以降の耐震基準を「新耐震基準」といいます。それでも1995年の阪神・淡路大震災では木造住宅の被害が多かったため、2000年の改正で規定を厳格化し、さらに耐震性を高めています。今回の地震では、その2000年改正以降に建てられた住宅にも被害が出たことが明らかになりました。

 では、耐震基準はさらに厳しくなるのでしょうか。5月15日朝日新聞朝刊は、日本建築学会が全壊したとみられていた51棟を引き続き調査し、住居でない倉庫や納屋などをのぞき、2000年以降の家屋で倒壊したのは最大17棟と見積もったと報じています。また、全壊した家の中には施工不良が疑われるものもあるとし、調査にかかわった大学教授は「耐震基準の見直しについて議論するより、命を守るために耐震性の高い建物を造ることが重要だ」とコメントしています。今後、建築会社に対する目線がより厳しくなっていくことが予想されますね。

 今回の地震の教訓は、今後どのように社会を変えていくのでしょうか。見方を変えれば、そこにビジネスチャンスも存在しています。就活で忙しい時期だからこそ、こういったニュースにはしっかり注目しておいてください。

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