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2016年05月02日

アップル減収減益、日本にはどんな影響?

精密機器・電子機器

米アップル、新分野を模索(2016年4月28日朝日新聞朝刊)

 iPhone(アイフォーン)とiPadの主力製品が伸び悩む米アップルは、26日発表した2016年1~3月期決算が13年ぶりの減収減益になった。ティム・クック最高経営責任者(CEO)は電話会見で「技術と才能のある会社を探している」と語り、企業買収などを通じて新分野への投資を加速させる考えを改めて強調した。

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 本日更新の「ニュース★あらもーど」でも取り上げたアップル減収減益のニュースです。iPhone6以降大きな技術革新がなく、売り上げを支えてきた中国市場が伸び悩んでいることもあってiPhoneの販売台数は初の前年割れ。待望される「次の一手」には、仮想現実(VR)分野への進出が予想されています。iPhoneのように人々の生活スタイルまで変える革新的商品が再び生み出されるのか、あるいは生みの苦しみを再び長く味わうことになるのか、注目ですね。

 この記事では、日本企業への影響についてもまとめられています。アップル製品には日本メーカーの部品が多く使われているためで、2016年3月期決算にすでに販売低迷の影響が出始めています。記事にあげられている企業をまとめます。
・イビデン(岐阜県大垣市)……ICチップなどのメーカー。iPhoneの薄型化にはイビデンの製品が大きく寄与したという。2016年3月期決算の純利益が前年の4割にとどまり、社長は市場環境の急激な悪化を「まるでジェットコースター」とたとえた。
・日本電産(京都市)……電子部品メーカー大手。スマホの操作にかかわる部品の生産能力を高めたが、昨年後半から生産量が大幅に落ちた。
・京セラ(京都市)……スマホにかかわるコンデンサーなどの部品の売上高が、当初計画より1割程度少なくなった。

 このほかにも、たとえば村田製作所やTDKなどアップル製品のためだけに部品を開発しているメーカーもあり、中小型液晶パネルでは日本最大手のジャパンディスプレイもアップルが主要顧客です。こういった会社の多くは工場が地方にあることが多く、生産の落ち込みはそのまま地域経済の落ち込みにもつながりかねません。巨人・アップルの動向が自分のまわりにどんな影響を及ぼしそうか、しっかり考えて就活に挑みましょう。

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